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臨床薬剤師の仕事内容や年収はどのくらい?やりがいはどこにあるのか?

臨床薬剤師で年収アップは期待できない!?医療現場で活躍する薬剤師の仕事内容・やりがいとは

臨床薬剤師とは、その名の通り臨床の場で患者さんに接し、医療チームの一員として積極的に治療に携わる薬剤師のことです。

これはアメリカで生まれた比較的新しい働き方で、欧米では、病棟で患者さんの治療に関わる薬剤師のことを「clinicalpharmacist(クリニカルファーマシスト)」と呼んでいます。今回お話しする「臨床薬剤師」は、これを日本語に訳したものです。

ここでは、そんな臨床薬剤師に焦点を当てて、仕事内容や目指し方などについてをお話しします。幅広い薬剤師の選択肢の中から、やりがいに満ちた働き方の一つを紹介するので、ぜひ今後の薬剤師人生を切り開く参考としてご覧ください。

臨床薬剤師ってどんな仕事?

薬剤師の仕事といえば、「医師による処方箋に則って調剤を行う」、「薬の飲み合わせを確認する」、「ドラッグストアーや薬局で医薬品に関する相談に乗る」、という業務を思い描く方が多いでしょう。

事実、これまで日本の薬剤師は、患者さん自身によるセルフメディケーション(自身の健康に責任を持ち、程度の軽い不調は自分で手当てすること)を支える、身近な専門家としての役割を担ってきたと言えるのではないでしょうか。

臨床の場で、患者さんのケアへ積極的に関わる…、という活躍の仕方は、過去の薬剤師にとって縁遠いものでした。

ところが医薬分業によって医療機関の処方箋へ対応した調剤薬局が増加するとともに、昨今では、「調剤薬局」と「医療機関」で働くそれぞれの薬剤師業務も、必要に応じて各々の進化を遂げています。

とくに医療機関で働く薬剤師の業務内容のウェイトは、調剤から、服薬指導や薬歴管理に移りつつあると言えるでしょう。

調剤から離れた医療機関の薬剤師業務は徐々に領域を広げ、患者さんへ投与された薬の成分による効力や、副作用についての計算・予測、また、さらにその先の投与設計にまで及ぶケースも存在しています。

こういった流れを受け、近年では日本にも、患者さん一人ひとりに最適な薬物療法を提供する臨床薬剤師の存在や、その重要性が徐々に広まり始めているのです。

「チーム医療」や「オーダーメイド医療」など、最近耳にすることの増えてきた医療スタイルでは、薬剤師による専門的な知識やスキルを活かした活躍が期待されています。

臨床薬剤師は、そんな現代の医療ニーズにおいて要となりうる存在として、今後ますます注目を集め、需要を増やそうとしているのです。

業務内容について…

臨床薬剤師は、患者さんの薬歴を管理・把握した上で、体格や年齢、性別などの要素から、投与された薬の成分が体内でどのように動いているかを予測し、薬学の視点から適切な介入を行うことが仕事です。

一般的には、以下のような業務を行うことになるでしょう。

  • 薬歴管理
  • 効果予測
  • 投与設計
  • 服薬指導

臨床薬剤師はアメリカで生まれた働き方であり、日本では未だはっきりとした定義が存在しません。

強いて言うならば、薬が患者さんの体内でどのように働くかを予測する「効果予測」や、患者さんにとって最適な薬の使用量や服用のタイミングを考える「投与設計」、また医療チームの一員として医師へ提案を行う事などが特徴的です。

したがって日本での臨床薬剤師の業務は、病院薬剤師が行う薬剤管理指導業務に当たると言えるでしょう。

臨床薬剤師は、年収アップより「やりがい重視タイプ」にオススメ!

日本において、病棟で活躍している臨床薬剤師の年収は、一般的な病院薬剤師の収入相場(年収400万円〜650万円ほど)と同じイメージです。薬剤師全体の平均収入は531万円だと言われているので、決して高収入が期待できる選択肢ではないことが伺えますね。

したがって、臨床薬剤師は「収入面を重視したい!」という方よりも、「やりがいの感じられる働き方がしたい!」というタイプにオススメです。

これまで多くの薬剤師が携わってきたセルフメディケーションのサポートは、たしかに薬剤師が担う重要な役割の一つです。

しかし、「もっと臨床の場に踏み込んで、患者さんや医療に貢献したい!」とお考えなのであれば、臨床薬剤師として多くの方々の治療・ケアに携わる働き方のほうが、現状よりも大きなやりがいを得ることが出来るカモしれません。

臨床薬剤師の目指し方について…

冒頭でも触れた通り、日本ではまだまだ臨床薬剤師の存在が浸透していない現実があります。したがって「臨床薬剤師になりたい!」という方が、スムーズに就職・転職先としてふさわしい求人案件と出会えるケースも多いとは言えません。

夢を実現させるための第一段階として、まずは薬剤管理指導業務に携わることのできる病院への就職・転職をオススメします。

臨床薬剤師を志すのであれば、「あせらず、じっくり」がキーワード。数少ないチャンスが訪れるタイミングを逃さないためにも、コンスタントかつ長期的に情報収集を続ける根気強さが必要です。

必要なスキルや、求められるものは?

臨床薬剤師になるために必要な資格は、とくにありません。薬剤師免許を持っていることはもちろん必須ですが、求人案件に資格や認定などのように形として証明できる条件が掲げられることもない様子です。

とはいえ、「誰でもOK」というわけではありません、臨床薬剤師として活躍するためにも、以下のような資質や能力が求められることになるでしょう。

  • 薬物療法についての、幅広く高度な知識・技術
  • 倫理観
  • コミュニケーション能力

幅広く豊富な薬学的知識を持つに精通した人材であることは必須です。また医療人として、モラルや道徳心があるか否かも重要なポイントとなるでしょう。

くわえて、医療チームの一員として、医師や看護師などの医療従事者らと連携を取り、たえず情報交換や、患者さんに関する情報の共有を行うことはもちろん、患者さんやご家族からの相談・服薬指導も重要な業務となるので、様々な立場の方との円滑な関係を築くための高いコミュニケーション能力が問われます。

今後ますます需要が伸びるカモ!臨床薬剤師を選択肢に加えてみては?

日本では知名度も低く、まだまだ臨床薬剤師として活躍してる方も多いとは言えません。

しかし、薬剤の種類や使用量をコントロールし、個人ごとの遺伝子情報に最適な処方を行おうという考え方(オーダーメイド医療)において、臨床薬剤師が担う役割は非常に大きく、今後ますますニーズが伸びると考えられています。

また、チーム医療を支えるパートナーとしても、臨床薬剤師への注目が高まっている状態です。「医療の現場で患者さんへのケアに関わりたい!」とお考えであれば、ぜひ臨床薬剤師という、やりがいある選択肢を視野に入れてみてはいかがでしょうか。