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調剤過誤防止の対策案の例~一般名処方の取り違い

類似した医薬品名の取り違いは誰にでも経験があるものです。少しでも減らすため対策をご紹介します。

近年から急激に増えている一般名処方。私たち薬局薬剤師はよく目にするようになってきました。ジェネリック医薬品を推進するため、近年から急激に一般名処方での処方が増加しております。

学生の頃は成分名で勉強していましたが、現場に出るとすべて商品名で、新人の頃は処方せんを見ながらジェネリック医薬品を調剤するのが関門だった薬剤師さんも多いと思います。

その点一般名処方は新人が調剤する場合でもハードルが低く、とっつきやすい処方せんの一つです。今回はその一般名処方によるミスとリスクマネジメントについてご紹介させていただきます。

一般名には似た名称があるものが存在します。例えばアイトロール錠とフランドル錠はそれぞれ一硝酸イソソルビド錠と硝酸イソソルビド錠と、一般名では酷似しております。

どちらも取り扱っている施設にお勤めの方では、取り違いの経験がある方も多いのではないでしょうか。

この例のみでなく、似た名称の薬剤を取り違えることの無いよう、簡単に取れる対策についていくつかご紹介させていただきます。

調剤棚での注意喚起

一般名の類似だけではなく規格の取り違い防止などにも役立ちます。調剤棚に「類似薬品注意」とPOPを取り付ける方法です。

もう行っている施設も多いと思いますが、単にふせんを貼るだけですと、見慣れてしまい意味がなくなる場合が多いです。

そのため調剤棚から薬品を取る際に邪魔になるように取り付けます。調剤棚の手前に障害物を置き、そこに注意書きをします。調剤の際はそれをどけなければ薬が取れないようにします。

それを触ったとき、一度手元の処方箋に目を落として確認する癖をつけるのです。または、例えば注意喚起の棚のみ逆向きにしまうなどひと手間かけなければ取れないようにします。

一般名処方の取り違い対策としては先発医薬品名を敢えてPOPに記載することも方法の一つです。

POPをつけても見慣れてしまうのは意味が無いカモ。

定期的にPOPを張り替えたり、場所を変えて変化をつけた方がいいのカモ。

監査のための準備

良く受ける一般名処方の類似名について、監査台の目につくところに注意喚起の張り紙をする方法です。監査台に貼るだけですと目につきませんので、顔をあげた際に目の前に来るようにした方が良いでしょう。

この表作りは、新人薬剤師にお願いすることで新人さんも間違えにくくなりますし、教育にもなりますので、まだそのようなものが監査台に無い施設は、皆さんで協力して作ってみると良いです。

しかし注意しなければならないのは、普段処方が来るからと出してしまう場合です。監査時は自分の知らない薬品があるかもという前提で、一文字ずつ監査することが大切です。

結局間違いを見つけるのは人の目です。監査者は細心の注意を払いたいものです。

監査台の前に規格表やジェネリックの注意喚起の表が貼ってある薬局もあったカモ。

薬局ごとにオリジナルの対策があって面白かったカモ。

レセコンを用いた方法

レセコンの機能にもよりますが、対象の患者さんの呼び出しや対象の医薬品を入力することで、ポップアップがあらわれる機能を持ったレセコンのシステムが存在します。

薬剤師の取り違いはもちろんですが、バーコード監査を取り入れている施設でとても多いのが、事務さんの入力が間違っているパターンです。

バーコード監査は処方入力と薬剤のバーコードを紐づけるシステムですので、両者ともに間違ってしまうとそのまま通過してしまうことが多いです。

レセコンの機能に注意喚起を行うことができるシステムをお持ちの場合、事務さんにも気を付けてもらうため利用することをお勧めします。

「ミスするのは薬剤師だけでは無いカモ。薬局みんなで注意するとより良いカモ。」

患者さんと2人で確認

これが一番有効で大切な方法です。いつもの薬ならばそれを見せて患者さんに変わりないか確認しますし、もし変更があったならそれも確認します。

患者さんは毎日薬に触れているので、私たち薬剤師が気付かない微妙なパッケージ変更にすらよく気付いてくれます。
その患者さんと可能な限り一緒に確認することで、私たちはミスを防ぐことが出来ます。

まとめ

いかがでしょうか。一般名処方を例に取りましたが、今回挙げた方法は様々な調剤ミスを防ぐことが出来ます。

忙しい施設ではなかなか難しいかもしれませんが、複数名の薬剤師が確認して、患者さんの目でも確認してもらうことで調剤ミスは激減します。

ミスを防ぐうえで最も大切なことは処方せんを疑ってかかることだと考えます。手元の薬と処方せんが合っているかではなく、その処方自体が果たして妥当であるのかというところまで疑ってかかることが大切です。

患者さんは私たち薬剤師を信頼して処方せんを預けています。
その期待にしっかり応えていくため、私たち薬剤師は調剤過誤の無いよう努めていきたいものです。