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服薬指導って大事なの?おこたると責任を問われる可能性も考えられます。

服薬指導を怠ったことにより、重大な健康被害や事故の発生。場合によっては訴訟もありえます。

調剤薬局やドラッグストアにお勤めの薬剤師さんにとって、服薬指導は切ろうと思ってもいれないものです。でも、長年勤めていると正直めんどくさい、これって本当に必要なのって思うことはないですか?

多くの薬剤師さんが同じことを思われていると思いますが、服薬指導は非常に大事なことで、場合によっては重大な事故を招きます。

有名人のケースを例にあげますと、ゴルフのスーパースターである「タイガー・ウッズ」、漫才師として全国的に有名でテレビでも頻繁に見かける「インパルス・堤下」が、医薬品の副作用で不祥事を起こしています。

お二人とも治療として医薬品を服用していまいた。適切な服薬指導がなされ、それを守っていただいていたのであれば、このような事件/事態にはならなかったはずです。

事件/事例としては良いことではありませんが、薬剤師のみなさんにとって、ご自身の職務の重要さを再認識するための良い機会だと思います。一緒に考えていきましょう。

服薬指導はなぜ必要なのか?

調剤薬局やドラッグストアで勤務する薬剤師さんにとって、服薬指導はごく当たり前に行う業務です。薬剤師を長年されている方の中には、服薬指導なんてしなくてもいいのではないかと思うことはないでしょうか。

また、いつも同じ処方内容の患者さんに対しては服薬指導の必要はないと感じることはないでしょうか。

おそらく非常に多くの薬剤師の方は同じように感じられていると思います。中には「いつもと同じですね」とだけ説明して、お薬を渡しているケースもあると思います。

実はこれ違反なんだカモ

薬剤師法には、下記のように規定されています。

薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは

患者又は現にその看護に当たっている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。

※参照(情報の提供及び指導)第二五条の二 

服薬指導は薬剤師法によって定められた薬剤師の義務なので、必ずしなければならないものなのです。

添付文書に記載されている「眠気」って、体感したことありますか?

「眠気」の副作用を持っている医薬品と聞いてすぐにイメージするのは、花粉症などのアレルギー症状の治療薬、感冒治療薬であるPL顆粒などだと思いますが、この眠気ってどんなものかご存知でしょうか。

この副作用を経験したことがある人であればすぐにお分かりかと思いますが、軽度なものであれば、あくびがでる、眠たいなと感じる程度です。

しかし、人によっては頭がボーっとする、めまいがする、立っていることができないなど危険な症状がでることがあります。

私の場合ですと、薬局に到着した際少し頭痛がありましたので、PL顆粒を服用したところ、30分後くらいから、頭がボーっとして、立っていることができなくなりました。一切仕事にならないので、早退させていただいたという経験があります。

添付文書には、自動車の運転や高所で作業される人が服用する場合は注意が必要ですと記載されていますが、それ以外の人でも注意が必要です。

通勤や通学で電車に乗るとき、階段を上り下りするときなど普段の生活においても注意する必要があるというわけです。

「副作用の眠気は、その名前からは想像できないくらいこわい副作用だカモ。しっかりと患者さんに説明しないと本当に危険だカモ」

睡眠薬って睡眠効果だけではないですよ!筋弛緩作用もありますが、ご存知ですか?

インパルスの堤下さんの事件は、睡眠薬が原因でした。大きな道路の中央分離帯付近で止まっている車があり、中をのぞいてみると運転手(堤下さん)がハンドルに突っ伏した形で寝ていたというものです。

のちの会見で薬を服用して10分前後の記憶がないとも話しておられました。

睡眠薬には、短時間作用型、中時間作用型、長時間作用型がありますが、短時間作用型のものは寝つきを良くするためのものです。

したがって、効果の現れ方が比較的早いです。少しずつ眠くなっていき、気付いたときには眠ってしまっているというのが、一般的な効果の現れ方です。

しかし、その時の体調や、薬の量が多い場合、意識を失うように眠ってしまうこともあります。それが今回の堤下さんの例です。

また、睡眠薬の中には、より睡眠効果を高める・睡眠導入効果を高めるために筋弛緩作用が含まれているものがあります。代表的なものは「ハルシオン」です。

筋弛緩作用とは、筋肉のこわばりをほぐす作用のことですが、もっとわかりやすくいうと脱力する、力が入らないという効果のことです。

車を運転しているときに力が入らなくなったら、どうなるでしょうか。大事故を引き起こしてしまいます。

睡眠薬の効果はとてもすばらしいものだカモ。だからこそ使い方を間違うと非常に危険。ベッドに入る直前に服用することと説明しなければならないカモ

副作用を侮ってはいけません!訴訟になることもあります
眠気を例にとって副作用をご紹介してきましたが、そもそも服用する人が副作用のことをしっかりと理解していれば、このような事件は防ぐことができたはずです。

副作用のことを理解していただくために大事なことが服薬指導というわけです。

まとめ

長年薬剤師をしていると服薬指導がおざなりになるということは良くあると思います。しかし、その結果、患者さんに重大な健康被害が発生したり、事故につながるケースもあります。

もし、副作用のことを一切説明せず、大事故が起こった場合、適切な説明をしなかった薬剤師もその責任を取られる可能性が十分あり、場合によっては訴訟にまで発展することが考えられます。

しっかりとした服薬指導を行っていただくことが、患者さんを守ると同時にご自身を守ることにもつながるのです。