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薬剤師の転職市場はどうなっている?将来性はあるの?

薬剤師飽和時代を迎えても困らない薬剤師とは?

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国家資格に裏打ちされ、社会的地位も給料も高い薬剤師は、高齢化社会の到来を前に、安定した職業だと考えられていました。そのため、2004年ころから薬科大学が数多く新設され、2006年にはより専門性を高めることを目的に、薬学部6年制に移行しています。

その結果、毎年7,000~9,000名の薬剤師が国家試験をパスして、新卒として働き始めています。そのせいもあってか、近年は「薬剤師が飽和している」という意見もみられるようになってきました。

そこで気になるのが、薬剤師の転職市場です。薬剤師の就職・転職を取り巻く環境がどうなっているのか、仕事として将来性はあるのか、自分に有利な転職を勧めるために何をすべきかについて、お話ししたいと思います。

薬剤師は不足している?それとも飽和状態?

2016年の第101回薬剤師国家試験合格率は、出願者数16,658名、受験者数14,949名、合格者数11,488名で合格率は76.85%でした。

新卒だけでみてみると、出願者数9,625名、受験者数8,242名、合格者数7,108名で合格率は86.27%となっています。前年と比較しても、薬剤師国家試験の受験者数は増加しており、人気職種であることに変わりはないようです。

このように薬剤師数が年々増え続けていることから、2008年6月に厚生労働省は、薬剤師の需要と供給について「薬剤師需要の将来動向に関する検討会」を開催し、2005年から2028年までの薬剤師の供給数は毎年増加し、2018年までに383,012名、2028年には437,342名になると試算しています。

一方、薬剤師の需要予測は2015年で261,469名、2028年で278,704名と、供給数を下回っており、将来的には就職や転職が難しくなると予測されています。では、2016年の薬剤師の転職市場がどうなっているかというと、決して薬剤師が飽和状態になっているわけではありません。

近年は、調剤薬局とドラッグストアチェーンの出店ラッシュが続いているので、薬剤師の転職は売り手市場です。また、地方では薬剤師不足が続いていること、超高齢化社会を迎え、薬剤師に求められる仕事が変化していることも、求人が多い理由と考えられます。

薬剤師として有利な転職を実現するために必要な条件とは

とはいえ、薬剤師の将来性を考えると、現在の転職市場に安穏としているわけにはいかないでしょう。というのも、超高齢化社会に突入し、医療費の負担が増加し続けている現代の日本は、在宅医療やセルフメディケーションの推進に舵を切っています。そのため、薬剤師が求められる仕事内容も多様化することが予想されます。

薬剤師は国家資格ですので、ブランクがあっても再就職しやすい職種ではありますが、薬剤師を一人前に育てるのには3~5年の時間が必要で、人材育成のための体制が整備しきれない病院や企業ほど、即戦力を求めるようになります。

そのため、きちんとした教育を受け、現場に対応できるスキルと人間性をもった薬剤師でなければ、中途採用してもらえない状況に変化していくことが予測できます。今後、自分に有利に転職活動を進めていくためには、在宅医療や介護の知識のほか、英語力など、調剤業務のスキルにとどまらない付加価値が求められることになります。

職場ごとの将来性についても考慮しよう

そしてもう一つ、考えておくべきことがあります。それは、薬剤師には多様な転職先があり、職場によっても将来性が変わるということです。調剤薬局は在宅医療のキーポイントとしての将来性がある反面、ルーティンワークが多くなり、それが苦痛という人も少なくありません。

ドラッグストアでは幅広い業務に従事できますが、薬剤師本来の業務の割合が少ない職場です。病院は管理薬剤師を目指すにはよい職場ですが、多忙で体力の維持が心配という人も多いです。

そうした職場ごとの特徴を踏まえて、自分のキャリアプランや将来像を実現できる職場の見極めも、転職の際には考慮する必要があります。そして、自分が希望の転職を果たすためには、まず自分のスキルと人間性を磨くことが大切です。