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薬剤師が介護と仕事との両立を目指すには…

薬剤師が介護と仕事との両立を目指すためには、何をすべきかを分かりやすく説明します。

家族の介護は、薬剤師として活躍する方にとっても無縁なテーマではありません。自身の両親はもちろん、配偶者や、その家族の介護に関わる可能性も考えられるのではないでしょうか。

ここでは、「介護」と「薬剤師としての仕事」との両立に焦点を当てて、家族の介護が必要になった時の覚悟や準備、利用できる制度、さらには正社員として働き続ける事ができなくなった際の選択肢などを紹介します。

いつかは必ず通る道カモしれません。「いざ」という時に賢く・冷静に動き出すためのヒントを紹介するので、今後の参考にぜひご一読ください。

家族への介護は、愛情や気合だけでは太刀打ちできない!?

介護問題は、「自分の家族なんだから、きっと上手くこなせるはず!」という自信だけでは乗り越えられない重大なテーマです。

いくら「大丈夫だろう」という確信を持っていた方であっても、いざ介護をする立場になると、戸惑うことや頭を抱えてしまうような問題にぶち当たるとも珍しくはありません。

そもそも介護経験がなければ、

「何をするべきか?」
「どのように世話をすればいいのか?」

という根本的な疑問から逃れることはできませんし、くわえて金銭的・時間的な困りごとにも突き当たるでしょう。

次第に問題は深刻化し、「こんなハズではなかったのに…」という事態に陥ってしまうリスクも考えられます。いくら家族や身内の事であっても、介護に挑むのであれば相応の覚悟を固めておくべきなのではないでしょうか。

「介護の問題」と向き合う覚悟とは…

重要なのは、ここでいう「覚悟」は単なる心構えではない…というポイントです。介護の問題と向き合うためには、感情や憶測だけでは乗り越えられない!と理解した上で、改めて真摯に問題点と向き合う姿勢が重要なのではないでしょうか。

「介護=家族のうちの誰かが犠牲にならなくてはいけない」という、ネガティブなイメージを持っている方も多いでしょうが、決してそうだとは断言できません。

介護を受ける側も、また施す側も、双方にとって余裕が持てる介護生活を目指すためには、事前にしっかりと情報収集を行い、具体的なプランを練っておく事が必須です。

そのためには、一人で抱え込まず、周りを巻き込む事も大切なのではないでしょうか。

まずは周囲に知らせる事、そして相談したり、情報収集を行うなどして、家族の問題を一人で抱え込まない事が大切カモ。以下では、介護は求められた「いざ」というシーンで、真っ先に相談するべき2つの相手についてお話しします。

まずは職場へ相談するべし

たとえ
「仕事を辞めたり、収入が減ってしまうなんて絶対に嫌だ!」
「介護を理由に退職するつもりなんてない!」とお考えであっても、職場へ相談しておく事が重要です。

以下(『介護休暇、介護休業の制度を理解しておこう!』)でも紹介しますが、介護が必要になった場合、介護休業や介護休暇、また給付金などの制度も存在します。

このような制度を活用するためにも、また介護問題へ挑む負担を少しでも軽くさせるためにも、まずはお勤めの職場へ相談しておきましょう。

兄弟や家族との話し合いは必須

介護に関わる兄弟や家族と手を取り合って、話し合いの場を作ったり、情報収集を進めましょう。

まずは話し合いで、医師との連絡を取ったり、重要な事を決定したりする立場の主介護者(キーパーソン)を決めてください。とはいえ、この人に介護の全てを押し付けないよう配慮する事も大切です。

たとえば在宅で介護を行う事にした場合は、家事やお世話の役割分担を決めておくことで、一人当たりの負担を軽減させる工夫につながります。

また、自治体や民間による介護システムに関する情報を集めたり、親類や近所の方へ相談し協力してくれる存在を増やしたりする事で、介護の問題を身内メンバーだけで抱え込まないで済む環境を整えておくと良いでしょう。

「介護休業」、「介護休暇」という制度を知っておこう!

出産や子育てなどの事情で休暇が取得できる…ということは広く知られていますが、身内の介護のために休みが取れることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。

以下では、身内の介護が必要になった時に利用できる「介護休業」、「介護休暇」という制度について簡単に説明します。

※ここで紹介する制度は、すべての労働者に適応されるわけではありません。また、企業や会社が独自に支援制度を設けていることもあります。

より詳しく自分に当てはまる制度や支援を知るためには、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ問い合わせたり、職場の就業規則をチェックするなどして確認してください。

「介護休業」とは

要介護状態にある家族の世話などをするために、一定期間会社を休むことができる制度です。従業員がこの休暇を申し出た場合、事業主は拒否することはできません。対象となる家族一人当たりに、最大で93日まで取得することができます。

(要介護状態とは、負傷、疾病、身体上・精神上の障害によって、2週間以上の常時介護を必要とする状態のことを指しています。)

「介護休暇」とは

要介護状態にある家族を医療期間への送迎したり、買い物へ付き添ったり…という時に取得するもので、対象家族一人につき年間で最大5日まで、複数の場合は年間で10日まで取得することができます。

「介護休業給付金」とは

介護休業や介護休暇を取得している間、会社には賃金の支配義務がありません。そのため、介護休業を申請した労働者には、雇用保険から収入の67%を上限に支給される給付金が存在します。

介護離職は年間で10万人!収入半減のリスクも大きい!

上記で紹介した介護休業や介護休暇といった制度は、家族の介護が必要なシーンでぜひ活用したいシステムです。しかし、いずれも日数に制限があるため、一時的なものでしかないでしょう。

育児とは異なり、介護は「いつまで」と期間を明確にすることができません。

平成24年の総務省による「就業構造基本調査」では、身内の介護や看護のために離職したという方(介護離職者)が年間でおよそ10万人も発生していることが分かっています。

※参照

さらに介護をきっかけに離職や転職をした場合、そのあとも正規の社員として働き続けることができる割合は、男性の場合で3人に一人、女性の場合は5人に一人しか存在せず、介護がきかっけで収入が半減してしまうケースも珍しくはないのです。

もちろん離職する前に、受けることのできる制度や支援などを活用して、介護と仕事との両立を目指すことは大切です。しかし、それでも困難な時には、働き方を見直して負担の軽減を図ることも重要なのではないでしょうか。

パートでも好待遇な「薬剤師の旨味」を生かした転職を目指そう!

薬剤師は、正社員にこだわらずとも高収入が期待できる職業でもあります。派遣やパートへ切り替えても、一般的な職業より高い時給で収入を得るケースも珍しくはありません。

もしも、今お勤めの会社で可能なのであれば、思い切って働き慣れた職場でパートへ切り替える…という選択肢もあるでしょう。それがだめなら、パート・派遣など、時間に余裕を持って務めることができる働き口へ転職する事も、手段の一つです。

薬剤師の就職・転職シーンでは、長らく人手不足の売り手市場が続いています。「介護の合間を賢く使って、収入を得たい!」という希望を叶える、魅力的な選択肢と出会う事も難しくはありません。

ぜひお持ちの国家資格を活かして、パートでも好待遇な薬剤師としての旨味を活かした転職活動に踏み出してみてはいかがでしょうか。

介護と仕事とのバランスを見直してみて!

ここで紹介した事をまとめると、薬剤師が仕事と介護とを両立させるためには、以下3つのポイントが重要です。

  • 職場や家族などへ相談し、介護問題を抱え込まない事
  • 介護休業などの制度や支援などを把握し、負担の軽減に役立てる事
  • 仕事との両立を目指すのであれば、パートへ切り替えるなどの方法でバランスをとる事

いくら「気合が入っているから!」と言っても、1日は24時間しかありませんし、自分の体は1つだけです。限られた時間と体で、仕事と介護との両立を目指すには、「頑張るから」、「愛情があるから」といった感情論だけでは不可能だと言っても過言ではないでしょう。

仕事を続けながら介護にも取り組むのであれば、あらかじめ物理的に余裕が持てるプランを立てて、無理のない介護生活に備えておく事が大切なのではないでしょうか。

そのためには、働き方や雇用形態などを見直して、ライフ・ワーク・バランスを保つ事も重要です。