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専門看護師とは?高水準な看護はもちろん、患者だけでなく家族や社会へのマネジメント・コーディネートも担う看護師のプロフェッショナル

専門看護師へのハードルは高い!一方でニーズは高く年々増加傾向に

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看護師の中でも最上級のエキスパートとして注目を集めているのが専門看護師です。解決が難しい健康問題を持つ患者への高度な看護だけでなく、その家族や社会、集団に対しての看護ケアも提供できる資格になります。当然、より深い知識と技術を持った人材でなければ勤まりません。

今回は「専門看護師とは何か」について解説していきます。

専門看護師の分野と役割

まずは専門看護師が受け持つ分野と各分野における期待される役割を把握しましょう。

専門分野

専門看護師が受け持つ専門分野は以下の11領域になります。

  • がん看護:がん患者とその家族に対するQOLに基づいた高水準の看護を提供
  • 精神看護:精神疾患患者への高水準な看護。またリエゾン精神看護の役割
  • 地域看護:産業、学校、行政、在宅ケアのいずれかの領域における高い水準の看護。地域の保健医療福祉の発展貢献
  • 老人看護:高齢者が利用する施設におけるQOL向上のための看護
  • 小児看護:子どもたちの健やかな成長・発達のための看護と他医療スタッフとの連携
  • 母性看護:女性と母子に対する専門看護
  • 慢性疾患看護:生活習慣病の予防や管理、療養支援など
  • 急性・重症患者看護:緊急性、重要性の高い患者に対する集中的な看護の提供と家族への支援、医療スタッフとの連携
  • 感染症看護:施設や地域での感染予防と適切な対策、研究
  • 家族支援:患者を含む家族のセルフケア機能を高め、主体的に問題解決できるように支援する看護
  • 在宅看護:在宅療養の患者とその家族が効果的な在宅療養を続けるための支援。ケアシステムの構築や既存のサービスとの連携など

役割

専門看護師は専門看護分野における以下の6つの役割を果たさなくてはなりません。

  • 実践:個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する
  • 相談:看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う
  • 調整:必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う
  • 倫理調整:個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる
  • 教育:看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす
  • 研究:専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う

要するに優れた看護能力を持ち、患者だけでなく家族とも積極的に関わり、必要に応じて他サービスとの連携も行うのが専門看護師の役割と言えます。

一般的な看護師よりもより幅広い知識と技術が必要不可欠で、役割の中に連携が含まれているだけに、優れたコミュニケーション能力が必須です。

専門看護師の現状

専門看護師は1997年に日本看護協会が定めました。歴史だけ見ればそこそこ年数が経っていますが、資格保有者は2016年でおよそ1400人程度。看護師全体でみるとほぼ取得されていない資格と言えます。

しかし年々資格保有者は増加していますし、これから専門看護師の資格を取ろうと動く人も増えています。

賃金処遇目的ならやめておいた方が良いかもしれない

専門看護師を取得するにはかなりの時間と労力、そして費用が必要です。もちろん資格を目指す理由は人それぞれでしょうが、賃金処遇目的で専門看護師を目指すのは現状厳しいと言わざるを得ません。

大幅な賃金アップには繋がっていませんし、病院や施設によっては全く手当がつかないところも少なくありません。

今後の課題

賃金処遇の問題だけでなく、そもそも専門看護師だから雇用が優遇される、ということもあまりなく、全体的な知名度、重要性が十分に認知されていないのが現状です。つまり組織的位置付けが不明瞭と言えるでしょう。

現場で働く人なら分かると思いますが、看護師に求められる専門性の高さ、特定の分野に特化した知識や技術は必要不可欠。より良い看護を提供するためには絶対条件とも言えるかもしれません。

実際、ここ数年の間に医療機関や専門分野によって認識を変えるところも増えてきていて、専門看護師への待遇をかなり優遇しているところも少なからず登場しています。

専門看護師資格を取得し、これを活かして働くためには理解ある環境で働けるかが肝になりそうです。

それでも増える理由

このように厳しい位置付けにある専門看護師ですが、目指す人が年々増加し続けている理由、資格を取得するメリットは何でしょう。

やはり一番大きいのは「患者や家族のためにできることを増やしたい」「自分の知識や技術が足りないばかりに苦しい思いをさせていることに我慢できない」といった看護師としてのあり方を考えたときのベストな選択として専門看護師を目指したいと考える人が多いことです。

もちろん中には「今は特別視されていないけれど、将来性のある資格だと思って」と考える人も多いです。そしてそれは間違いではないでしょう。

終わりに

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誰でも簡単になれるわけではない専門看護師。現状としては厳しい部分もありつつ、やはり看護分野における最上級のエキスパートの証明となるこの資格は看護や医療の現場で働く人の最終目標とも言えるのではないでしょうか。

専門看護師になることにより、看護だけにとどまらず、現場の人材育成・マネジメント、他機関との連携・コーディネート、研究活動など実に様々な役割が求められるようになります。

専門看護師を融資ているからこそ責任のあるポスト…例えば看護師長に抜擢されるケースも少なくありません。大いにやりがいを感じられる役割が求められるようになります。