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ハリのある生活のポイント!高齢者介護におけるレクリエーションの基本を学ぼう

この記事の監修者 池田 正樹(介護支援専門員 介護福祉士 社会福祉主事)
池田 正樹 山形県出身。大学卒業後、約14年間福祉の最前線で活動している。介護支援専門員、通所介護・有料老人ホームの生活相談員、認知症対応型共同生活介護の介護員、福祉用具専門相談員、訪問介護管理者等を経て、現在は在宅の要介護者を支援する介護支援専門員として勤務。障がい者・児の資格もあり、福祉全般に幅広く経験・知識を持つ。 続きを読む

介護施設でのレクリエーション

介護施設での仕事内容は身体介護・生活介護が主ですが、もう一つ大切な仕事があります。それは、利用者に対するレクリエーションです。

介護施設で働いたことがある人なら一度は経験されていると思います。

施設によってレクリエーションの行い方は様々。毎回同じレクリエーションを提供している所もあれば、独自のレクリエーションを提供している所もあります。でも、経験が浅いとどんなレクリエーションをどんな利用者に行っていいかわからないかもしれません

職員が企画して行うので、バリエーションを知らなければ同じような内容ばかりになってしまいます。

ここではまだ経験の浅い人向けに、どんなレクリエーションがあるのかを紹介しましょう。

なぜレクリエーションをするの?

まず始めにレクリエーションとは何かについて説明します。

レクリエーションと言うのは、日々の仕事や勉強と言った日常生活の疲れを休養や楽しみで癒すことを意味します。

介護施設でレクリエーションを行う理由は、単純に疲れを取るという目的だけではなく、重要な役割があります。

ここからは、介護施設でレクリエーションを行うその重要性について詳しく解説していきます。

脳や心身の活性化

例えばクイズ、パズル、折り紙と言った頭や言葉や指先を使った遊びをすることで脳へのトレーニングになり結果、脳の活性化が期待でき、認知症の予防や進行を食い止めることができると言われています。

また高齢者になると身体機能が衰えてきてしまいますが、体を動かさなければその筋力はより衰えていく一方です。

ちなみに、このような過度に安静していることで身体の機能がより衰えることを廃用症候群と呼びます。

介護施設でのレクリエーションで、軽い脳トレや運動を楽しみことで、高齢者の脳や心身機能低下を防ぐことができるのです。

コミュニケーションの活性化

高齢者になり、身体機能が衰えて来ると外出する機会も自然と減ってきます。

そのような結果、一人暮らしをしている老人が引きこもりやうつと言った病気になる可能性が高くなるのです。

また高齢者の認知症の原因のひとつには、他者とのコミュニケーション不足という調査も挙げられています。

逆にコミュニケーションの活性化ができればそれは脳への活性化にも繋がることになります。

介護施設でのレクリエーションには、遊びを通じて他者との関わりや繋がりの楽しさを感じてもらいコミュニケーションの活性化を増進させる目的もあるのです。

QOL(生活の質)とADL(日常生活動作)の向上

脳や身体機能が活性化し、他者ともコミュニケーションが取れるようになってくると来るとQOL(生活の質)が上がります。

QOLとは、Quality of Lifeの略で「生活の質」を意味し、生きていく上での満足度をあらわす指標のひとつです。

現在の介護でどれほど生活に満足して、生きる上での楽しみや喜びを得ているかという概念は、非常に重要な考え方です。

また一方で、身体機能の向上を目指すリハビリテーションの意味も含めたレクリエーションは、ADL(日常生活の動作)を高める目的があります。

ADLとは、Activities of Daily Livingの略で、Aがアクティビティー(動作)、DLがデイリーリビング(日常生活)を意味します。

日常生活を送るための動作とは主に「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」動作のことです。

満足しながら楽しく生き続ける、このQOLとADLを高めるためにレクリエーションは欠かせないものになっているのです。

注意が必要なこと

介護施設でのレクリエーションは、重要性が高いということについて説明しましたが、注意すべき点もあります。

高齢者自身がレクリエーションを拒否する場合があるということです。

老人ホームに入る方というのは、要介護度が異なるわけで、レクリエーションでは前述した通り、折り紙や合唱などをした場合、園児のような扱いに感じ取られて、自尊心が傷つけられたと感じてしまい拒否される方もいるのです。

実のところ認知症になった場合でも自尊心がなくなるわけではないため、レクリエーションに抵抗を感じてしまうのです。

ほとんどの施設は、高齢者への方への配慮ができていると思いますが、施設を希望する場合、必ず見学訪問するはずですのでその際に、レクリエーションはどんなことをしていて入居者の好みに合っているかどうかなどしっかりと確認しておきましょう。

体を動かす、体操レクリエーション

介護施設のレクリエーションには色々と種類がありますが、ここからは、高齢者でも無理なく楽しめる体を動かすレクリエーションについて幾つか紹介していきます。

体を動かすと言うのは、身体機能の維持や増進、リハビリだけでなく、ストレスの解消にも効果があるため脳やコミュニケーションの活性化にも繋がります。

 風船ゲーム

風船ならば軽いので、体に当たってもダメージを受ける心配もなく身体への負荷も少ないので高齢者でも安全に遊ぶことができます。

風船や紙風船は、ボールの代わりにもなるので色々な球技に見立てたゲームにもなりリハビリ効果には最適です。

下記にて幾つか風船を球技に見立てたゲームをご紹介します、アイデアや工夫次第では他にも楽しめるでしょう。

項目 内容
バレー バレーボールと同じで、風船を相手の陣地に入れれば得点です。対戦形式にしなくても風船を回しあうだけでも楽しめます。
バスケット 箱などをゴールとして用意し、離れた位置から風船を投げ箱に入れるゲームです。対戦形式にしなくても楽しめます。
テニス うちわや新聞紙折りたたみラケット変わりに使用し、風船を打ち合います。車いすに座ったままでも楽しめます。

 じゃんけんゲーム

グー、チョキ、パーの順番で手の体操や、ひとりのスタッフを相手に参加者全員で「じゃんけん」などコミュニケーション能力を上げることができます!

スタッフが出したじゃんけんに負けるようにして出さなければいけなかったり、両手を使ったりバリエーションも豊かにすると盛り上がります。

 カラオケ大会

カラオケ大会で、好きな歌を歌ってストレスの発散にもなります。

皆で歌ったりすればコミュニケーション能力も上げることができます。

また歌に簡単な振りを付けたりすれば、軽い体操みたいになって体を動かすことにもなります。

頭の運動をするレクリエーション 

次に、頭の運動を使ったレクリエーションを紹介します。

頭の運動とはクイズやオセロなど身体の自由があまり利かない方でも、楽しむことができるレクリエーションが揃っています。

頭の運動は、前述の脳の活性化、コミュニケーション能力の活性化にも繋がります。

なぞなぞゲーム

テレビを見る高齢の方には、クイズ番組が人気です。

そのためなぞなぞは、盛り上がります。

答えは何だろう?と考えるわけなので脳を使います。

これが認知機能の低下にも繋がりますので脳トレになぞなぞはとても最適です。

 しりとりゲーム

 塗り絵

絵を描くのは難しい場合があるかもしれませんが、塗り絵なら十分に楽しめます。

これは、単純に手や指を動かすだけでなく、形の認識や色鉛筆の配色の選び方など脳を使うレクリエーションにとなっています。

楽しみながら脳の向上化が期待できるのです。

レクリエーションを楽しんでもらう6個のコツ

レクリエーションにはどういったものがあるのか紹介してきました。

しかし、高齢者の方にレクリエーションを心から楽しんでもらうには、とりあえずやってみましょうではなくちゃんとコツがあります。

そのコツさえ押さえれば高齢者の方にレクリエーションを存分に楽しんでもらえるはずなので1個ずつ紹介していきましょう。

ルールを厳格にしない

まずルールによる勝敗より楽しんでもらってリラックスしてもらうのを目的としているのでルールを厳格化しないように気を付けましょう。

特に対戦スタイルのゲームは、多少ルールを緩くするなどの気配りをするようにしましょう。

必ず正規のルールにこだわりすぎたりする必要はありません、ルールが難しすぎたり厳しいペナルティがあるようでは、参加する側は、心から楽しむことができません。

参加することが楽しくなれるようなルールで、またやりたいと思ってもらえるようなゲームを目指しましょう。

個人戦にしない

1対1になるような場面は作らないように心掛けましょう。

負けてしまった人が傷ついてしまい、もうやりたくないと思ったりトラブルが生まれてしまうかもしれません。

なのでチーム戦にすれば、勝っても負けても気持ちの共有ができて、コミュニケーションの活性化に繋げることができます。

敬意を以て行う

高齢者に接する時、人生の先輩であり敬意は決して忘れてはいけません。

子どものような扱い方をしてプライドを傷つけたらレクリエーションを楽しいと感じてもらえないでしょう。

これはレクリエーション時に限ったことではないので、必ず高齢者への敬意を忘れることなく接していきましょう。

無理強いしない

もし高齢者の方がレクリエーションに参加したくないという場合、無理やり参加させるようなことはせず、本人の意思を尊重するようにしましょう。

気分的な問題もあったりするので無理強いさせてしまうとレクリエーションを嫌いになってしまう可能性もあります。

存分に楽しい時間を過ごして活性化してもらうためのレクリエーションなので無理強いさせてはいけません。

好みや個性を知る

人にはそれぞれ好みや個性と言ったものがあります。高齢者の方も体を動かすのが好きな方、物を作るのが好きな方とそれぞれです。

1人1人の好みを知っていくのは大変なことではありますが、知ることで今日は体を使ったボール遊び、今日は折り紙で物作りなどレクリエーションの内容も充実させることができます。

多くの介護者が楽しめるように内容に片寄りがでないよう配慮していきましょう。

安全性への最大限の配慮を

レクリエーションを行う際に最も配慮しなければならないことがあります。それが、参加者の安全です。

例えば物作りをする時にハサミや画びょうなど使ったりすることもあるでしょう。

体を動かす時も変に息切れしたりしてないか、大量に汗をかいてないかなど目を離さず、見る必要があります。

安全面だけは最大限の配慮を行うようにしましょう。

今は本だけじゃなくて、インターネットもあるからいろんな方法で調べられます。利用者のADLレベルに合わせて、利用者が楽しんで継続できるものを選びたいですね

まとめ

レクリエーションには、「コミュニケーションの促進」「脳の活性化」「身体機能の向上」「生活の質を高める」という効果があります。

今回ご紹介したレクリエーションは、特別な道具を使わずに実施できるものばかり。

介護施設で仲間と楽しむのはもちろん、自宅でも取り組んでみてください。

大人数で行う際は、盛り上がりすぎると興奮して急に立ち上がろうとしたり、他の利用者ともめ事になったりする危険もあります。

内容を考えるときは、危険予測も含めて企画するようにしましょう。

緊張していたり、いやいや行っていたりするとその空気は伝染するものです。

その逆もまたしかりで成功の最大のコツは“一緒に楽しむ”ということです。

楽しい時間を介護士も一緒に共有するという姿勢が大切なのかもしれませんね。