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デイサービスで求められる人材はどんな人?デイサービスの勤務経験者による徹底解説

デイサービスで「求められる人材」について、勤務経験者が紹介します

介護業界で働く方の中には、デイサービスへの転職や就職を視野にいれている方も多くいます。

しかし、いざ求人案件をみてみると、さまざまな施設の情報にこのように感じる方もいるのではないでしょうか?

「どれが自分に適しているのかがわからない…」
近年デイサービスは、施設ごとに独自のサービスを見出しながら、利用者の獲得を目指しています。

そして、デイサービスの多様化が進めば、それぞれで「求められる人材」も異なることとなります。

そこで今回は、各形態で求められる人材がどう違うのか、解説します。

デイサービスには様々な形態の事業所があります。

自分に合った職場に巡り合えるよう、事業所ごとのポイントをお伝えします。

全てのデイサービスに共通して求められるスキル

デイサービスは、在宅介護をしている人が安心して預けられるように、ニーズに対応しながら形を変えてきています。
そのため、種類によって求められる人材も少しずつ変わります。
ただ、全てのデイサービスで同じように求められるスキルもあります。

接遇スキル

デイサービスには、比較的介護度の低い元気な利用者が多く、重介護者が多い特養などの施設に比べると直接的介助の負担が減ります。
その分、コミュニケーションを丁寧に行うこと「接遇(せつぐう)」が大切になります。

また元気な人から身体的に悩みを抱えている人や認知症を抱えている方まで、さまざまな方が来所するので、対人トラブルが起こる可能性が高いです。

常に利用者を観察し、丁寧な声かけ・対応ができる人材が求められるでしょう。

視野の広さと課題分析能力

介護職員が頻繁にやり取りするのは利用者だけではありません。

デイサービスでは、利用者家族への配慮もとても重要になります。

まずは、利用者やその家族のニーズをきちんと把握しなければなりません。

ニーズとは利用者やその家族が単純に事業所から行ってもらいたいと望んでいるものではなく、専門的見地で分析した、その方が真に必要としている介護サービスのことです。

利用者とその家族の間で、介護サービスへの希望内容が食い違っているケースもしばしばあります。

また自立支援の観点から本来その方には必要のないサービスや介護保険サービス上提供が禁止されていることまで求められる場合があります。

ですので、良好な関係を築き両者の気持ちを汲み取った上で丁寧に説明し理解を得たうえでケアを提供するという視点が求められるでしょう。

目の前の仕事だけでなく、利用者の家庭環境や家族にまで目を向けられる、視野の広さはとても大切です。
施設側の都合で危険だからと車椅子ばかり乗せてしまうことは、利用者の家族の希望にそぐわず、またADLの低下の原因にもなるため、トラブルに繋がりかねません。
 

多様化するデイサービスと求められる人材の変化

デイサービスは、利用者ニーズや介護保険制度の改定に合わせて年々変化しています。

それに伴って、求められる人材も施設によって多少変わります。

今回は以下2点のデイサービスの分類から「求められる人材」を見ていきます。

  • 規模の違い
  • 利用者ニーズの違い

デイサービスの規模

デイサービスの規模は、前年度の利用者数によって決まります。

通常規模以上の施設は、都道府県によって管理されますが、年間利用者数が300名以下の小規模施設は、市町村で管理されることになっています。

※事業所を運営しているのは各々民間事業所であり、指定権者が都道府県もしくは市町村になります。誤解を招かないよう表記を訂正しました。

管理主体 種類 規模(前年度利用者数)
市町村 地域密着型デイサービス 300名以下
都道府県 通常規模型デイサービス 301名~750名
大規模型デイサービス 751名~

利用者ニーズで変わるデイサービス

前述にもありますが、デイサービスは利用者ニーズに応じて変化しています。

以下は利用者のさまざまな状態に対応してできたデイサービスです。

多様化するデイサービスのかたち

  • 認知症対応型デイサービス
  • リハビリ特化型デイサービス
  • 療養デイサービス

それでは各デイサービスで求められる人材について解説していきます。

大規模型・通常規模型デイサービス

1日の利用定員数が20名以上のデイサービスで、都道府県の管理・指導のもとで民間事業者が運営しています。

大きなフロアに椅子・テーブルなどのスペースがあり、午前~夕方まで入浴・食事・レクリエーションなどをしながら過ごす形態の事業所が多いです。
利用者の身体機能はさまざまですが、要介護度はある程度軽い方が多い傾向にあります。
そのため、介護技術においては基本的なスキルがあれば問題はないといえるでしょう。

求められる人材やスキル

コミュニケーション能力と対応力
これは、介護業界全体にいえます。

 特に規模が大きな施設であれば、このスキルに加えて以下の能力も求められるため、日ごろから利用者の関係に注意する必要があるでしょう。

  • 利用者をまとめる力
  • 人間関係のトラブルがあった場合の対応力
  • 他スタッフとの連携能力

幅広い人が楽しめるレクリエーションの企画力
大規模型デイサービスでは、行事を中心に様々なイベントが行われます。

 個性あふれるイベント企画をするのも職員の仕事の一つであるため、飽きさせない工夫が大切です。

 特に高齢者は認知症の方も多いため、季節感のあるレクリエーションを考えることが求められます。

 また以下のようなアピールポイントがある方も、重宝されるでしょう。

  • 楽器や料理、踊りなどの特技がある
  • 外部ボランティアと繋がりが多い

さまざまな設備を扱えるスキル
中規模以上の施設では、さまざまな設備が完備されていることが多く、便利ではありますが、その分設備への対応力も求められます。
例えば、浴室1つとっても、以下のように、どのような身体状況でも安心して利用できる設備が整っています。

  • 大浴場
  • 個室浴
  • リフト浴
  • 機械浴

新人職員がリフト浴や機械浴が扱えるようになるには時間がかかるため、過去に経験があると仕事がしやすいですし、施設側からも魅力的な人材だといえるでしょう。

多くの利用者がいるから、職員が手薄になりがち。転倒などの事故が無いように気を付ける必要があります。

地域密着型(民家型)デイサービス

地域密着型デイサービスは、基本的にその事業所のある市町村の住民が利用の対象です。

1日の利用者定員数が18名以下のデイサービスで、市町村の管理・指導のもとで民間事業者が運営しています。

アットホームな雰囲気で親しみやすいことが特長で、広いスペースは必要としません。

またこのデイサービスは、一軒家を改築していることも多く、俗に「民家型デイサービス」と呼称しうたい文句としている事業所もあります。

家のように安心して過ごすことができる反面、まだまだバリアフリーが行き届いていないこともあるため、身体の状態によっては利用が難しい場合があります。

逆に完全にバリアフリーではない分、必然的に移動時に身体を動かす機会が増えるため、日常生活動作の中でリハビリができるというメリットとして捉えている方も少なくありません。

※誤解を招かないよう表記の訂正および文章の追加を行いました。

利用者ニーズで変化する地域密着型デイサービス

地域密着型デイサービスは、通常型デイサービスよりも利用者に寄り添い、親身になって対応できる事がポイントです。
また利用者ニーズに合わせて多様化しており、今後もさらに新しい種類ができることが予想されます。

地域密着型デイサービスの主な種類

  • 認知症対応型デイサービス
  • リハビリ特化型デイサービス
  • 療養デイサービス

同じ地域密着型であっても、利用者ニーズが違えば、求められる人材も多少異なります。
まずは、共通して求められるスキルについて紹介します。

共通して求められる人材やスキル

トラブルを未然に防ぐ対応力
地域密着型デイサービスでは、利用者数が少ないため、人間関係のトラブルへの解決が難しくなる可能性があります。

スタッフの数も少なく、苦手な利用者ができても距離を置くということが難しくなるため、通常規模型以上のデイサービスよりもコミュニケーションを慎重に行う必要があります。

以下の2点を兼ねそろえた人材は重宝されるといえるでしょう。

  • 普段から利用者の変化に敏感になれる観察力
  • トラブルを未然に防ぐ対応力

安心感や親しみやすさを感じさせる人材
地域密着型デイサービスは、アットホームな雰囲気を求めて利用する方が多くいます。

そのため職員には、安心感や親しみやすさが求められます。

業務の忙しさを優先し、殺伐とした対応をしてしまうと、施設全体のイメージが悪くなります。

採用側は、温かみのある雰囲気を作れる人材に魅力を感じるでしょう。

マルチな業務への対応力
前述にもありますが、地域密着型デイサービスのスタッフ数は多いとは言えません。
事業所によっては、複数のポジションをこなせるようなマルチな活躍を求められる場合もあるでしょう。

例えば…

  • 介護職でも、事務作業がこなせる
  • 管理職や生活相談員でも、介護業務に入れる など

それでは、各利用者ニーズ対応のデイサービスについて解説しましょう。

前述と合わせて、ぜひ参考にしてみてください。

認知症対応型デイサービス

認知症の方のみが利用できるデイサービスです。

通常規模のデイサービスでは人数の多さゆえに対応が遅れてしまいがちということで、地域密着型デイサービスとして誕生しました。
認知症の人が、住み慣れた地域で親しみのある職員に囲まれながら、安心して利用できるデイサービスであり、主に下記サービスを提供しています。

  • 食事
  • 排泄
  • 入浴
  • 機能訓練

求められる人材やスキル

認知症対応に特化した人材
認知症の方が利用するデイサービスなので、家族は『ここならトラブルなく利用できるはず』と安心して預けます。

しかし設備が整った施設であっても、認知症利用者は集団生活が苦手な場合が多いです。

施設から出て徘徊するなど、利用中にトラブルを起こす可能性が十分にあります。

そのため、認知症対応型デイサービスでは、認知症の方に対する適切なコミュニケーションを取りながら、上手に信頼関係を築くことが大切です。

そこで、以下のような人材、特には重宝されるでしょう。

  • 認知症対応にある程度経験・知識がある方
  • 研修にも積極的に参加している方
  • 認知症に関する資格を取得している方

ちなみに、認知症に関する資格は以下のようなものが存在します。

  • 認知症ケア専門士
  • 認知症ライフパートナー
  • 認知症ケア指導管理士

認知症の利用者は、利用の定員が少ないからと言って油断できません。常に寄り添って対応できる体制を整えておく必要があります。

リハビリ特化型デイサービス

通常型デイサービスと違い、機能訓練に重点をおいてジム感覚で利用できる、近年注目されているデイサービスです。

機能訓練を中心に日課が組まれており、中には通常のデイサービスで行われている入浴や食事の提供が無く、午前・午後に定員が分かれている所もあります。

後述する通所リハビリテーションという別種類のサービスを連想させてしまう名称の事業所まであります。

介護施設という抵抗が無く利用できるため、入浴・食事のサービスは不要でも身体を動かしたいという、要介護度が高くない高齢者の方でも利用しやすい形態の事業所になっています。

サービスの流れ(例)

  1. 利用者をお迎え
  2. バイタルチェック
  3. 準備運動
  4. 個別に機能訓練を行う
  5. 皆さんとお茶をして休憩
  6. 自宅まで送る

求められる人材やスキル

接遇能力の重要度が高い

最も重労働と言われる入浴介助や食事介助がないか、もしくはある程度自立している利用者が多いため、体力に自信のない方でも仕事がしやすい施設です。

ただ、利用者は比較的元気で自立度の高い生活を送っている高齢者です。

通常のデイサービスよりもコミュニケーションの面できちんと配慮できる方が求められるでしょう。

デイサービスの中でも、より接遇のスキルが重要視される施設だといえます。

他の施設よりも介護をすることが少ないから、身体的負担感は少ないでしょう。しかし、利用者の自尊心を傷つけることがないように気を付けないといけません。

療養デイサービス

常に看護師の観察が必要な方のためのデイサービスで、医師や訪問看護ステーションと連帯してサービスが提供されます。

難病を有する重度要介護者や、がん末期患者が対象で以下を目的として実施されました。

  • 利用者の自宅における自立した生活の実現
  • 自宅にこもりがちな利用者の孤立感の解消
  • 心身機能の維持回復
  • 家族の介護負担の軽減

求められる人材やスキル

自己判断をしないという判断力
利用者は常に医療職の観察が必要な方なので、とっさの時は自己判断をせず、看護師等に迅速に相談し対応することが重要です。

また、ちょっとした変化も命に関わる可能性があるので、利用者の些細な部分にも気が付く「観察力」、さらにそれを看護師に伝える「連携意識」のある人材が求められます。

看護の知識があれば尚よし

療養デイサービスでは、利用人数にもよりますが、基本的に看護師と介護職員の割合は、1.5:1の配置となっています。

そのため、看護師の方は重宝されますし、介護士でも、病院での勤務経験がある方は採用されやすい傾向にあるでしょう。

独自のサービスに力を入れたデイサービス

一般的なデイサービスであっても、独自のサービスに力を入れている施設は多く存在しますし、これからも増えていくと考えられます。

例えば…

  • 総合型
  • 趣味重視型
  • 運動重視型
  • お泊りデイ

このように、デイサービスは以下に重きを置いて変化しています。

  • 利用者のライフスタイルの向上
  • 家族の要望

力を入れている独自のサービスが自身の趣味や得意分野であれば、採用側からもほしい人材といえるでしょう。

ただ、あくまでデイサービスで重要なことは、「接遇」と「視野の広さ」です。いくら得意であっても、この部分が欠けてしまっては、喜ばれるサービスは行えません。

通所リハビリテーション(デイケア)

これはデイサービスとは異なり、主治医が「日常生活のリハビリテーションが必要」と認められた方が利用できるサービスです。

ただ通所型という点で共通しており、通常型デイサービスと同じく、食事・入浴・排泄介助のサービスを受けることができるので、少し説明しておきましょう。

通所リハビリテーションは、別名デイケアと呼ばれます。

介護老人保健施設や病院などに併設され、理学療法士などの専門スタッフが勤務し、リハビリを重点に置いてサービスを提供します。
医療施設と併設されるため、緊急時に専門スタッフが対応できる安心があります。

求められる人材やスキル

リハビリの専門知識や資格

デイケアは、基本的にデイサービスと1日の流れは同じです。

ただリハビリに特化した施設なので、高齢者の機能訓練やリハビリについて勉強したい人が向いている職場だといえるでしょう。

体力も重要

一日の流れは通常のデイサービスとほぼ同じです。

ただリハビリがプラスされているため、スケジュールがバタバタしがちという特徴があります。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は次の3つを一体的に提供できる、地域密着型の介護サービスです。

  • 通所(デイサービス)
  • 訪問(ホームヘルプ)
  • 泊まり(ショートステイ)

基本はデイサービスをメインにサービスを提供しますが、利用者の状況に合わせて訪問や泊まりを組み合わせて使えるのが特徴。

従来はいずれかのサービスと個別に契約していましたが、利用者の状況は一定とは限らず、サービス選択の自由度が求められるシーンも多いものです。

このように、小規模多機能型居宅介護で働く場合、様々な介護サービスの仕組みを知りながら、多角的な経験・スキルを身につけることができます。

居宅ケアマネと関わるケースも多く、目指す人にとって学びの多い職場といえるでしょう。

求められる人材やスキル

総合的な介護力を身に着けたい人にうってつけ

小規模多機能型居宅介護は多くの介護サービスに携わるチャンスがあるため、介護力を高めたい、知識や経験を培いたい人に最適です。

またデイサービスは昼間、ショートステイは夜間、といった具合に、担当ごとに時間を固定して働ける職場も多いので、時間を固定して働きたい人も選びやすいでしょう。

利用者は基本的に在宅で生活できるレベルの方々になるため、介護度は低め。そのため、比較的体力への負担が少ないのもポイントです。

なお小規模多機能型居宅介護は資格不要・経験不問で採用するところが多く、これから介護業界に転職しようと考えている人にも適しています。

どんなに忙しくても焦らず落ち着いて対応できる力と、日々こなせる体力はとても大切になってきますね。

まとめ:多様化するデイサービス、自分の能力を活かせる職場を見つけよう

デイサービスへの転職を希望する方は、まず施設介護との違いを理解しておくことが大切です。

利用者にとってデイサービスは生活の一部であり、息抜きになっています。

利用者の生活を背景に、どのような支援を求めているのかを考えながら接していくと、デイサービスで働くやりがいや面白さを感じることができるでしょう。

そして、それが介護士としてのスキルアップにも繋がることとなります。

自分に合う職場選びを

今後転職を考える上で、デイサービスが多様化に伴い「自分にはどの職場があっているのか」という適正が分かりにくくなっていくでしょう。

またハローワークは求人案件の現状が分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか?

そんなときは、一度「介護士転職エージェント」に相談してみるといいでしょう。

業界専門の転職アドバイザーから、転職先の最新情報や適切なサポートを受けることが可能なので、転職失敗のリスク軽減に繋がります。

介護転職のプロからのアドバイスを受けると適性が分かって安心だし、自分の適性に合った施設が見つかるかもしれません。