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介護職を辞めた人はどんな仕事をしている?

この記事の監修者 笑和(社会福祉士・介護福祉士)
笑和 福祉系大学院を修了。社会福祉士・介護福祉士。医療、介護、福祉、年金や健康保険などの社会保障全般を得意とするライター。 続きを読む
介護職員・介護福祉士として施設等で務めている人が、何らかの理由で退職・転職する例は少なくありません。
理由は一人ひとり違い、退職・転職に至るまでの経緯は様々ですが、あまりにもストレスが溜まっていたり、どうしても自分にはこの仕事が合わない等考えている人もいるはずです。

どんな仕事をする?

主な退職理由

では、具体的に退職・転職をする理由にどのようなものがあるか紹介します。

職場の人間関係

介護職員・介護福祉士の退職理由として最も多い理由です。

介護老人福祉施設のような大きな入所施設の場合は、退職まではいかなくとも、部署移動等を通じて何らかの手段が打てます。

一方でグループホーム等の比較的小規模の施設では、閉鎖的な環境で限られた人間関係になりがちで、関係がうまくいかずに退職を選ぶ人がいるようです。

運営方針に不満

施設長や理事長等が掲げる理念や、運営方針に不満がある場合です。

または、掲げている理念や方針が高すぎて、現場ではそのようなサービス提供ができずにストレスになるケースもあります。

福祉は選ばれる時代なので、経営サイドとしては長期的・短期的収益を上げるのを現場に強いる施設も少なくありません。それに現場がついていけない例です。

給料が安い

介護職員・介護福祉士の平均給与が、全産業の平均と比べると低いという統計結果が出ています。

仕事の割には待遇が悪いといった声はよく聞かれ、退職の理由とするケースが多いです。

身体的負担

若いうちは良かったけれども年齢を重ねて段々と無理が効かなくなった。

特に入所施設の場合は、身体的負担が重なり病気になったり、夜勤に入った際に疲れが取れにくい・・・結果、退職を選ぶというケースです。

介護職の経験を活かした仕事とは?

実際に介護職員・介護福祉士を退職した後、同じ業界・関連業界で仕事をするケースと、別の業界にチャレンジする例があると思います。

まずは、関連業界ではどのような職種があるか紹介します。

介護に関連する業界へ転職する

福祉用具販売員

主に要介護高齢者(介護が必要な高齢者)が、介護保険制度を利用して福祉用具を利用する際に、その方にあった福祉用具を選定・提案する役割です。

福祉用具の販売店等で接客したり、福祉施設等への営業が主な仕事内容となります。適切な福祉用具の利用を促進するために、必要に応じて助言等を行います。

看護師、保健師、リハビリの資格(理学療法士等)、社会福祉士、介護福祉士の資格を持っている人は、「福祉用具に関する知識があるとみなされる」ため、福祉用具販売員の資格を新たに取る必要はありません。

介護事務

介護福祉施設において事務職として勤務するケースです。

主な役割は一般的な事務・電話対応、介護保険請求の事務などです。

介護職員だったけれども、身体的に難しくなってデスクワークへ転職する場合は、介護のことを知っていることで転職に有利になるかも知れません。

介護事務については、事業所によって求められる役割が違うため、求人内容は一律とは言えません。

介護事務としての求人は少なめですが、タイミングである場合はチャレンジする価値はあるかもしれません。

介護に関連しない業界へ転職する

サービス業

サービス業といっても色々ありますが接客、販売などの業種になると思います。

「人と接する」といった所が共通点ですので、比較的仕事としてもスムーズに馴染むことができるのではないでしょうか。

接客などでしたら飲食業、販売でしたら服飾関係やスーパーなどといったものになると思われます。比較的求人も多くある為チャレンジしやすいと思われます。

営業

民間企業に勤務して営業職に就くというケースです。

客に自社のサービスや商品、情報の購入を促して契約を取り付ける仕事です。

転職して最初は慣れない環境で難しさを感じるかも知れませんが、慣れてて仕事をこなしつつ営業で成績を出せば、介護職時代よりも多くの給料が見込めます。

人と接する仕事が好きだという人、自分の力で成績を上げて多くの給料がほしいという方には向いているのかもしれません。

一番求人が多く、人と直接接する仕事としては接客、販売の仕事がスムーズに見つかりやすく転職しやすいです。

介護職を辞めた人はどんな仕事をしているの?

介護職を辞める理由や年齢によって、その後の転職先の範囲が変わります。

例えば、20代で退職した場合と、50代で退職した場合とで、扱える求人の量や範囲に違いが出るのは仕方の無いことです。

また、退職の理由が「人間関係のストレス」だった場合、次の転職先は人とあまり関わらずに済む業界を求める人がいるかもしれません。

若くして退職した場合は

20代~30代前半で退職した場合はについて説明します。

若いというのが武器に

若くして介護の仕事を退職した場合は、人材不足の今であると、色々な業種への転職が可能だと感じます。

一般企業の事務職等は求人に対する求職者の数が多い傾向にあり、倍率が高いので希望どおりに就職することが難しいかも知れません。

但し、これまでの介護職員の経歴を評価してくれる企業等があれば、タイミング次第では、年齢に関係なく正社員で採用されることがあります。

また、一般企業事務が未経験でも、若いという理由だけで採用の可能性は高くなります。

派遣・パートタイム

派遣契約、パートタイム労働の場合は、もっと採用される可能性が高くなります。

しかし、こういった雇用契約の場合は給料が低い傾向にあるため、生活がかかっている人には向きません。

まずは、企業が求める人材がどのようなものなのか、充分な情報収集と検討、そして自己分析(自分の強みは何か等)が必要です。

営業職

男性介護職員が退職・転職する場合、営業職になる人がいます。

新卒で介護業界の仕事しかしたことがないという人でも、これまでの身体的負担に耐えてきたガッツを買われて採用されるケースがあるようです。

結果、営業先で丁寧で温かい接客をすることが好評で、成績がグングン伸びたという人もいるようです。

介護の仕事も、営業の仕事も、人と接する点、信頼関係を築くという点では共通点があるかもしれません。

ただし、営業職にも扱う商品は様々なので、どういった商品を売ろうとしているのか、どういった営業方法をしているのか、充分に調べる必要があります。(ルート営業、企画営業、など色々あります)。

販売業・接客

飲食業の接客、スーパーやアパレルなどの販売員など、接客・販売業務などは比較的求人が多く、人当たりの良い接客が求められる両業界へ転職する人もいます。

商品を運んだり、お客様へ食品をサービスしたりなど、体を動かすことがあり、介護職で培った体力をフルに使える仕事として、転職に選ぶ人がいるようです。

ある程度、歳を取って退職した場合は

例えば50代で介護職員を退職して、別の業界へ転職する場合を紹介します。

先述の若い人の転職と比べて、合致する求人の量が少なくなり、範囲も狭まるため、別業界への転職はあまりお勧めしません。

やはり、自分が長年培ってきた介護技術、コミュニケーション能力を発揮するために、同じ介護業界でも別の施設に転職した方が現実的です。

しかし、もう介護業界はうんざりだという人には次のような業界があることを説明します。

警備員

年齢の制限がそこまで厳しくなく、老若男女問わず多くの人が働ける業界です。

定年退職した後に警備会社で新たなチャレンジとしてスタートする例があるほどです。
また、派遣会社に登録して警備員として派遣されるケースもあります。

清掃員

ホテルや学習塾など、様々な建物をきれいに保つ仕事です。

人々の営みには環境が大事なので、この環境整備を行う仕事は、AIやロボットの登場があっても、暫くの間は無くならない仕事でしょう。

介護の仕事で培った、利用者の生活場面における環境整備が役立ちます。

軽作業(梱包・仕分け)

軽い運動の代わりになって、作業的にも自分でできそうというイメージで転職する人がいるでようです。

梱包や仕分け作業だけに留まらず、軽荷物の配達業に転職する人もいます。

但し、この場合は腰に悪影響が出る恐れがあるので、充分に注意が必要です。

正社員以外で、派遣労働者やパートタイムであれば、年齢に関係なく住んでいる近くで事務職とし働くことはできるでしょう。

転職のために、教育・訓練を受ける

介護に仕事に携わり、もっと医療的な知識・技術を身に付けたいと思い、新たに教育を受けて資格取得を目指す道があります。

教育訓練給付制度

厚生労働省は労働者の中長期的なキャリア形成を応援するため、「教育訓練給付」という制度を設けており、同省の指定する講座であれば、教育にかかった費用の一部が支給されるというものです。

次に説明する専門実践教育訓練と比べ、支給される金額や割合は低いですが、在職でも訓練を受けられる手軽さがあります。

また、一部通信教育も対象としています。詳しくはHPをご覧ください。

住環境コーディネーター

専門実践教育訓練での教育訓練給付金・教育訓練支援給付金

一定の要件を満たす雇用保険の被保険者また、被保険者だった人が、厚生労働省の定める訓練を受講し終章した場合、本人が教育訓練施設に支払った経費の一定の割合額が支給されるというものです。

看護師やリハビリの専門職種(理学療法士等)の養成講座も、一部対象になっていますので、勤務先を辞めて2~3年間は学校へ通って資格取得を目指し、新たに取った資格を生かして就職活動を行うことができます。

詳しくはHPをご覧ください。

次に、実際にこの教育訓練給付制度を利用して資格を取得し、転職したケースを紹介します。

介護職から看護師へ Aさんのケース

介護福祉士養成施設を卒業後、病院に就職して介護業務に従事していたAさん。男性で20代、介護職員の給与待遇に不満を持っていました。

自身のキャリア形成を考えて、また交際していた女性(看護師)の勧めもあり、一旦介護の仕事を退職し、専門実践教育訓練を使って看護師を養成する学校へ入学しました。

3年をかけて通学し、座学・演習・看護実習を通して、知識・技術を身に付け、目標だった看護師国家資格にも合格。

看護師として別の病院に就職し、介護職員の頃と比べて高い給料を貰えるようになりました。そして、看護師の道を示してくれた彼女と結婚することになりました。

介護職から言語聴覚士へ Bさんのケース

理学療法士と作業療法士

福祉系大学を卒業後、老人ホームで介護業務に従事していたBさん、女性。

約8年間が経ち、自身のキャリアのことを考え始め、専門実践教育訓練のことを知ってこれを利用し、資格を取得するために退職しました。

新たに目標にしたのは言語聴覚士。実は、彼女自身が吃音を抱えていて、小さな頃から言語聴覚士に興味関心があったのでした。

2年間の言語聴覚士養成施設に通い、国家資格にも合格。自身の経験を生かして、吃音の患者、嚥下障害の患者さん、発語の遅い児童などのリハビリテーションに携わっています。

「嫌だから辞める」という短絡的な辞め方ではなく、もっと戦略的に「10年後に××な状態になっていたいから辞めて、今から●●を始める」といった辞め方が理想的です。

介護職の経験を活かした転職についてのまとめ

介護職の経験を活かして別の仕事に転職する場合には、少なくとも次の3点を十分に考える必要があります。

 
 ・自分はどんなことに向いているか
 ・どういった働き方をしたいかと
 ・近い将来、どのようになっていたいか

今、勤めている施設での介護業務に不満があり、もっと良い介護がしたいと考える人であれば、同業他社に転職するという選択が最も良いでしょう。

医療系の資格を取って給料を上げ、キャリア形成を目指したいのであれば、教育訓練給付制度を利用して、看護師やリハビリの資格をとって働くといった選択肢があります。

身体的な無理が効かなくなったり、ワークライフバランスを考えたりして、家庭との両立優先したいということであれば、正社員ではなく嘱託やパートタイムとして、事務職や接客、販売で仕事を見つけると良いでしょう。

転職について仕事を選ぶ時の手段としては、ハローワークに相談したり、インターネットの求人サイトを利用したり、派遣会社に登録したりといた手段があります。

 
事前にその業種や仕事について十分に調べてみて、実際にどういったものか詳しく知ったうえで転職を検討することが大切です。

介護職として仕事をしてきた経験は決して無駄にはなりません。

 
人の気持ちを考えて、よく観察して行動し、課題を解決するといった介護職としての経験は、他の業種で共通するところがたくさんあります。
 
転職で入社試験を受験するときには、これまでの介護職の経験をPRしましょう。希望の仕事に就くことができることへの第一歩です。

まずは自分が、介護職以外でどんな仕事をしたいと思うか、実際にその仕事をするうえで、必要とされるものがあるのかを調べることが大切です。仕事の職種によっては向き、不向きの個人差があります。

実際に介護職から他の仕事をしている人について

現場レポート 

実際に介護職を辞めて違う仕事をしている人はどういったきっかけで仕事をしているのでしょうか、紹介しましょう。

“私の主人の知り合いの女性の方2人は訪問介護の仕事をしていたそうです。2人とも現在別の企業ですが事務パートとして仕事をしている40代の方です。

辞めたきっかけについては1人ついては不明ですが、もう1人は訪問介護先で利用者の方のトラブルで精神的に疲れたとのことです。

結果的には誤解が解けたのですが、同じ思いを繰り返したくないといった思いから訪問介護の仕事を辞めたそうです。2人とも介護職員初任者研修の資格を取得している方です。

1人についてはフルタイムです。ほとんど1人で事務を行います。(ですから電話応対なども行います。)※営業所のため、総務的な業務は他の部署で行っているそうです。

もう1人の方については、事務職のパートの方が他に複数いるようで、メーカー内でいくつかある事務的な内容のうちその一部について行っているそうです。

このように、パートタイム勤務であれば、事務職でも転職は可能と言えるかもしれません。

ただし、一人事務職の場合、急な休みが難しいかもしれませんね。