介護施設の差し入れは必要?喜ばれるものは?
介護施設を利用している方のなかには、日頃お世話になっている職員さんたちに差し入れをしたいと思うことがあるかもしれません。
こういった時には、どのようなものが喜ばれるのでしょうか。施設ではこういった差し入れなどのお断りをするところもありますが、この場合はどうすれば対応すれば良いでしょうか。
目次
介護施設への差し入れは必要なのか
施設でお世話になっている職員や、他の利用者に対して「感謝の気持ちを伝えるために贈り物・差し入れをしたい」と思う人がいるともいます。
しかし、原則として差し入れ・手土産などは贈る必要はありません。
介護施設を利用するにあたり、利用者またはその家族は一部ではありますが、サービス利用料を負担している、文字通り「利用者」です。
それ以上に何か物品をサービス提供側に贈る必要は無いからです。施設としても、差し入れや手土産を辞退するケースがあります。
但し「お世話になっているから」と差し入れをしたくなる気持ちは十分に分かります。では、どのような点に気をつければ良いか、以下注意点を記します。
介護施設の差し入れはどんな物が喜ばれる?
介護施設では、利用者やその家族からの差し入れをもらうケースが少なくありません。
対応は受け取るのか、そうでないのか施設によって対応が違います。特に公的な施設においては、差し入れをお断りするようになっているところが多いようです。
でも、利用者の家族として、感謝の気持を表したいと思った場合は、どうすればよいでしょうか。
介護職員への差し入れ・手土産の例
1づつ個別包装されたもので、日持ちのするお菓子が良いでしょう。また、そのフロアで働く人数分以上のものが入ったお菓子が良いと思われます。
あまり豪華なものは向きません。「本当に最低限のもの」で、職員が負担にならない程度のものが良いです。
施設利用者への差し入れ・手土産の例
同じ施設に入所する利用者にも感謝の気持ちを示すために、差し入れ・手土産を進呈する場合があります。
基本としては、上記介護職員への差し入れ・手土産の例と同じにはなりますが、施設利用者へ個人的にお菓子などを渡すのは注意した方が良いです。※詳しくは後述
利用者の方には食べ物以外に、季節を感じさせるお花などリビングに置いて飾るものが良いかもしれません。どちらにしても、余り高額にならない程度のものが良いです。
差し入れ・手土産に向かないもの
生菓子など、すぐに消費期限の持たないものは避けましょう。
また、高額なお土産や・金券など、もらう側が恐縮してしまうようなものは避けましょう。もらう側によっては、他意・下心があると疑われる可能性があります。

差し入れを渡す側も、もらう側も負担にならないような程度のものが好ましいです。
介護施設の差し入れがダメな理由は?
介護施設のなかには、「職員への差し入れ・利用者への差し入れを原則禁止します」としているところがあります。
こちらとしては善意・ほんの気持ちを表す差し入れになりますが、受け取る側の考え、施設としての考えというのがあります。
利用者への差し入れが禁止される理由
- 差し入れしたものを自己管理ができない
- 偏った栄養状態になったり、肥満に繋がったりするため
- 自分の部屋にこっそり隠して腐ってしまい、それを食べることがある
- こっそり1人で食べた時に窒息の恐れがある
などになります。
特に個室のあるタイプのある介護施設などでは、利用者間・家族間のこういったやりとりが密室に近いスペースで行われるため、施設が把握しにく、上記のようなリスクが起きないとは限りません。
個室には冷蔵庫が無い場合が多く、また、利用者は年齢のためかすっかり忘れてしまうことがあり、腐ったものを食べてしまうケースがあるようです。
また、特定の利用者にだけ差し入れをするのは注意が必要です。「私だけもらっていない」など、他の利用者からの不信を買うことにつながるからです。
職員への差し入れが禁止される理由
- 差し入れをすると待遇が良くなると思われるため
- 差し入れする・しないで、利用者対応に優劣ができないようにするため
- 家族の方と個人的に特別な感情が起こらないようにするため
などがあります。
施設職員としては、差し入れの有無で利用者への対応が変わることはありません。
しかし、家族としては「差し入れたのだから、対応が良くなって当然」と思う人がいるかもしれません。こういった無用なトラブルを未然に防ぐ理由で、施設によっては差し入れを禁止するところがあります。
一定のルールを設けている施設も
禁止といっても全ての差し入れを禁止しているわけではなく、ある一定のルールを設けて差し入れを許可しているといったところがあります。
施設によって定めているルール例を示します。
- 面会の時に家族の方と一緒に食べることは良い
- 残ったものは持って帰る
- 事前に職員に言って職員に手渡し、おやつの時間になったら、通常のおやつに加えて、これが出される
大切なことは、あらかじめ施設職員に対して差し入れに関する相談をすることです。
職員へ差し入れする場合、利用者へ差し入れする場合、それぞれの対応を、事前に職員に相談・確認をすると良いのではないでしょうか。

施設によっては、差し入れを断られるケースがあります。差し入れ・手土産は事前に職員に相談のうえ、差し入れるようにしましょう。
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職員と利用者に贈る差し入れ・手土産の具体例
基本的には差し入れやお中元、お歳暮といったものなどはお断りしているところが多いのですが、実際には受け取ってくれる場合があります。
では、どのようなお菓子が好まれるのでしょうか。
個別包装された甘い物(日持ちのするもの)
介護職員のなかには、女性が多いので甘いものは好まれると思われます。1つずつ分けられた個別包装で、クッキーなどが無難で良いです。
休憩時間などで1人ずつ食べることができるからです。
一般的に高齢者の方が喜ばれるものとしては甘いものは好まれます。特に小豆の商品などは非常に喜ばれるようです。
水ようかん・ゼリーなど
賞味期限のことを考えて、贈答用などの水ようかんなどは甘くて喉越しが良く、一つの選択肢だと思います
夏場、冷やして食べるようなゼリーは手軽に食べられるので喜ばれるでしょう。喉越しが更にマイルドなムース類なども食べ易く良いものですね。
男性の方は甘いものが苦手といった方もおられますが、大抵の場合は甘いものが好まれるようです。

職員の差し入れは個別に分かれたものが基本よく、簡単に食べられる甘いお菓子などが良いです。
感謝の気持ちを伝えることが大切
贈り物・差し入れを贈ることがだけが、感謝の気持ちを表す方法ではありません。
介護施設で働く職員さんや、他の利用者に対して、家族として感謝の気持ちを伝えることが大切です。
現に、介護職員の仕事のやりがいのなかには、利用者やその家族から「ありがとう」と感謝されることがあります。人に感謝される仕事をしていると、職員のモチベーションにもなります。
何かを贈ることだけに固執せず、施設を訪問した際には、職員や利用者に対して「いつもお世話になっています、ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えましょう。
介護施設の差し入れについてのまとめ
差し入れ・手土産の受け取りは、施設によって対応が変わります。
職員への差し入れは、一定のルールを設け、これに則って受け取るケースがあるようです。
利用者間・家族間の差し入れは、様々なトラブルの原因となるため、禁止しているケースがあります。
特に食事制限をしている利用者の場合は、甘い食べ物などが病状に影響するため、施設側としては致し方ない対応であるといえます。
公的な施設のなかには、原則として差し入れをお断りしますといったところがありますので、差し入れをする時は事前に職員に相談して差し入れをするといった事が一番安心で良いでしょう。
お世話になっている方々に対して、感謝の気持ちを形にして贈りたいという気持ちは当然のことです。
しかし、相手の置かれている状況や気持ちを考えて、贈る側にも贈られる側にも負担や不満の無いものにするのが大切です。