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ホームヘルパーは家政婦ではない!生活援助が見直されるとどうなるのか

訪問介護の生活援助見直しに見る、利用実態とは?生活援助が見直されるとこんな大変な状況が!?

訪問介護の生活援助見直し

訪問介護サービスにおいては、身体介護と生活援助がありますね。身体介護とは、入浴介助や排泄介助という様に、身体的なケアを提供するものです。それに対して生活援助とは、調理や掃除・買物の代行というように身体的なもの以外の身の回りの事について(本来は利用者本人の出来ない部分を)訪問介護員が代行するものです。その内容から、認定を受けた本人以外の家族の用事をさせようとしたり、出来る事も内容に組み込もうとするという具合で、家政婦として利用されている実態が以前から問題視されていました。認定を受けている本人にしても本当に必要なのかという事もあり、メスを入れられましたね。

生活援助の提供について見直される事になったのですが、制度の趣旨に合った適正利用という事を考えれば当然の流れカモ。そして今回の見直しには、介護保険制度の財政悪化も影響しているものと言われていカモ

生活援助が見直された場合に出る影響とそれを被る人とは

まず、生活援助の見直しで影響を受ける人ですが、現在要介護認定の要介護度が要介護1と2の認定を受けている人で、且つ訪問介護の生活援助を利用している人です。要介護度が3以上の場合と身体介護に関する部分については、見直しの対象ではありませんから影響もありません。
そして、出る影響は負担増と認知症の発見が遅れてしまい、早期発見の機会を逃す可能性が上がる事が挙げられます。そして、個人だけでなく日本経済にも影響を与える程大きな影響が出る事が懸念されている介護離職を増やす要因にもなります。現政権ははっきりと介護離職ゼロを目指すと言ってきましたし、今もその立場は崩していませんが、もし提言通りに見直しが実行に移された場合は、介護離職を余儀なくされる人が増えるカモ。
では、それぞれについて述べていきます。

生活援助の見直しの負担増

負担増についてですが、生活援助の介護基本報酬は20分以上45分未満で183単位・45分以上であれば225単位・通院などで乗り降りの介助をしている場合は97単位が算定されています。介護報酬は地域差もありますが、ほぼ1単位10円で計算されますので、其々1830円・2250円・970円となります。介護報酬の利用者負担は所得などの要件に当てはまらない限り1割ですから、其々現在負担している金額は183円・225円・97円ですね。ですから、見直された場合に増える金銭的な負担は、現在は保険請求で賄われている分で1647円・2025円・873円です。

この負担増については、立場によって問題の論点が違うでしょう。趣旨から外れて、家政婦感覚で訪問介護の生活援助を利用していた人へ向けるとすれば、専門職である介護士の生活援助に対して支払う金額としては妥当な金額で不当に高いわけではないでしょう。そもそもそういう利用の仕方が見直しの一因にもなっているわけですから。

困るのは本当に必要として生活援助を利用している人たち

このような弊害を無くし、必要な所に必要な分の支援が行き届くように、一律で要介護1・2の認定者の生活援助を介護保険の適用外にするのではなく、個別に精査して必要な場合は、介護度に関係なく今まで通り保険適用で1割で利用できるようにしなければ、必要な所にも支援が届かなくなるカモ。結果保険料を徴収するばかりで給付はおざなりなものになります。

カモ丸は年金制度の様な国民の不信感ばかりが目立つ形ばかりの制度になり、メリットが削がれてしまう事を危惧しているカモ

このメリットの中には、認知症の早期発見という、その人のその後のQOLを大きく左右する事柄も含んでいます。何故認知症の早期発見に繋がるかというと、認知症の患者を大多数見てきた介護職員が見ると、認知症の初期症状かもしれない言動に気付きやすいからです。初期の状態で適切な支援を組み込めば、その後も自宅で住み慣れた地域と交流を保ちながら生活する事も可能ですが、要介護1、又は2の認定だった為に訪問介護を利用しておらず、発症の発見が遅れたり、発症せずに済む軽度認知障害の時点で発見される機会を奪われたとしたら、この見直しは大変な改悪ですね。

もし、提言通りに見直され上記の様な事になれば、施設に入るのか、入居系のサービスを利用するのか、自宅での生活を継続するのかという問題になりますが、現在の制度では基本的にこの状態で施設(老健は在宅生活復帰のリハビリをする施設の為、対象外。
特養は原則要介護3以上の認定が必要で空きがある保障も無い。要介護3以上の認定が必要である事から論外。介護老人医療施設は医療目的の為対象外。)を利用するのは難しいカモ。
残りは入居系か自宅かですが、入居系は利用料が高いか、安い所は初期費用が高額である傾向があり、金銭的負担が可能かどうかという問題があります。最後の自宅ですが、自宅で生活するのに必要な生活援助が利用できない状況が生まれる訳ですから、自費か家族しかありませんね。

しかし自費は高額でこちらも金銭的負担の問題がありますから、出来なければ家族が見る事になります。当たり前と言われれば、その通りかもしれませんが、皆様はいざそうなった時に見れますか?100%ではないにしても、一定数の介護離職は確実に避けられないカモ。
しかし、国の言い分もあるでしょう。

社会保障としてこのまま給付を行うには財源も必要

財務省からも見直すべきという声が上がっています。介護保険制度の始まった平成12年から見ると、認定者数はほぼ3倍になっており、認定者数が増えたという事は、当然給付費も高騰するという事です。そこで社会保障費に充てるとして、消費増税を挙げていましたが、世界経済に与える影響もあり延期されました。財源不足に直面する介護保険ですが、もし見直されると幾ら削減できるのでしょうか。

生活援助が見直された場合に浮くと試算されている金額

年間1100億円が浮くという試算が示されています。見えない削減分(高齢社会で増加する分を未然に防いでいる部分)、も合わせると莫大な金額が浮きますね。
この問題への賛否は両論のようですが、公平という見方をすれば、提言通り見直すのが良いカモ。財務省の財政制度分科会の議事録でも、社会保障費は赤字財政で将来に負担を先送りしているだけという文言が記録されています。いまさら介護業界が消えると、家族機能が低下した日本は大混乱に陥るカモ。それを防ぐには制度の維持が不可欠ですが、世代間格差を無くし負担の公平性を持った制度にする為にも、提言通りに生活援助は見直されるべきカモ。