当サイトには広告・プロモーションが含まれています。

介護職員のキャリアパスとは?介護施設の教育システムを考えよう

介護士の質が問われる現代。介護員の質をいかに担保するかが大きな課題になっています。

介護は人の命をあずかる、非常に専門性の高い仕事です。

介護福祉士の資格をとるための要件として実務者研修が必須になりましたし、質を高める取り組みが行われています。

しかし、介護施設は万年人手不足であるのが現状であり、介護の専門性や知識のない新人職員が働くことで、思わぬ事故を招くケースが多くあります。

また、経験者である中堅職員が施設に見切りをつけて辞めてしまうことで、経験不足の人材が入職し、業務に慣れない職員が増えたことによる事故が多発しています。

未経験者でもいいから人手不足を解消したいという現場の焦りが事故を招いているのです。

こうしたことを防ぐため、介護業界に入ったばかりの新人教育システムの徹底と指導者の育成、または、優秀な経験者に長く勤めてもらえるよう、中堅職員・管理者職員の研修を充実していく必要があります。

では、教育システムがどのように行われているのでしょうか?その内容と、教育システムを成功させるポイントをご紹介します。

今話題!キャリアパスの必要性とは?

最近では、新人を教育する、新しい人材を集めることも介護職では大切ですが、キャリアパスの必要性も話題になっています。

そこで、そもそもキャリアパスとはどういったものなのか、そしてその必要性などをお話しします。

キャリアパスとは

まずキャリアパスとは、簡単に言うとキャリアを積む道筋のことを言います。

一般職員が、専門職や役職などに就くまでの道筋を明確に示すものと理解してください。

職員側から見ると、自分のスキルやキャリアアップにはどういった流れで進むといいのか、道しるべにもなります。

また、キャリアパスは管理職側から見ると、職員にはどんな経験を与えスキルを磨く必要があるのかなど、わかりやすく示すものになり、指導の指針にもなるのです。

キャリアパスの必要性

キャリアパスは、職員にとっても施設側にとってもメリットが大きいです。

特にメリットとして、次のようなものがあるので参考にしてください。

職員 施設
・目標が明確になり向上心が沸く
・スキルアップにつながる
・達成感が生まれる
・昇給、昇格
・職員に求めるスキルを明確にする
・サービスの質の向上
・職員の定着

キャリアパスは、職員の向上心をアップさせると共に、目標を明確にすることによって達成感も生まれます。

また、施設にとっても職員がキャリアアップすることによって、新人や後輩への指導力も向上し、ゆくゆくはサービスや施設全体の向上につながるのです。

人材不足だからこそ、人を育てる仕組みを確立させることが必要になります。

マネジメント職か?専門家か?どちらを目指すか目標を立てよう

では、どうすればキャリアアップができるのでしょうか。

キャリアアップを目指すためには、資格を取ることが最もわかりやすい方法でしょう。

しかし、将来どんな立場になりたいかによって、とるべき資格・経験などは違います。

マネジメント職か専門職か、将来目指す立場によってキャリアパスは異なるので、それぞれについてご紹介します。

マネジメント職に関するキャリアパス

一般的な介護職であれば、次のように介護福祉士を経てマネジメント職に就く道筋をたどる人が多いです。

  1. 一般介護職員(介護福祉士)
  2. チームなどのリーダー
  3. 管理者
  4. 副施設長
  5. 施設長

役職によって異なるものの、マネジメント職では人事考査したり、利用者の入所契約に立ち合うなどといった、介護施設の中では裏方に徹し、陰から職員を見守り指導する立場になります。

必要な資格としては、どのような施設で働きたいかによって異なります。

一例ではありますが、特別養護老人ホームの施設長と、介護老人保健施設の管理者に必要な資格は次のようになるので参考にしてください。

特別養護老人ホームの施設長 ・社会副事業に2年以上経験がある
・社会福祉施設長資格認定講習会の受講
・社会福祉主事であること
のいずれかに該当する者
介護老人保健施設の管理者 ・都道府県知事に認められた医師
・都道府県知事に認められた人
のいずれか

マネジメント職は、職員が働きやすいよう、そして利用者にベストなケアを行えるように施設の環境整備をする力が必要です。

施設としても、マネジメント職を目指す職員に、チームの指導や教育、ケアの向上などといった経験をさせていきましょう。

また、組構マネジメントや、サービスマネジメントなどといった研修の導入も必要です。

専門職に関するキャリアパス

介護のプロを目指すのであれは、資格を順に取得していくのがいいでしょう。

何も資格がない状態からのキャリアパスは次のようになります。

  1. 介護職員初任者研修
  2. 介護職員実務者研修
  3. 介護福祉士
  4. ケアマネジャー(介護支援専門職)

一つ一つキャリアを積むことで、介護職のプロに近づくでしょう。

また、施設では、認知症ケアなどスキルを磨き高度な知識を得ることができる研修を用意し、個々の技術を向上させることも大切です。

介護の教育を受けない新人介護職員は事故や質の低下を招く

新人を育成するための教育システムはとても大切です。

しかし、介護施設ではそのようなシステムがきちんと導入されていないところがあります。

“介護は先輩の動きを見て真似よ”というように、業務をしながら覚えてくださいという、あいまいで一方的な古い施設の体制が、新人介護職員の不安をあおり、知識不足を招きます。

基本を知らない新人職員は知識がないまま中堅職員になってしまうのです。

そうなれば、事故はもとより、施設の質の低下を招きます。まずは施設内でしっかりと教育システムを確立しなければなりません。

施設介護職員は資格なし・未経験でも仕事ができるというところが多いです。施設側としては雇いやすいけど、その分しっかりとした教育体制と、資格を取得させるためのバック体制を整備する必要があります

介護施設、人材育成はどのようにして行われる?

介護の人材育成には主に二つあります。

  • 外部講師による教育プログラム(OFF-JT)
  • 施設の内部で行われる教育プログラム(OJT) 

これらの特色のメリット・デメリットを含めた内容を詳しくみていきましょう。

外部講師による教育プログラムのメリット・デメリット

介護施設が所属している団体が主催しているものや、民間企業の研修担当が主催しているものがあります。

メリットとしては、施設内で研修準備をする必要がないため、施設内職員の時間と労力を抑えることができます。

また、福祉用具の扱い方など施設内の専門職の範囲外である知識や、外部講師によるコミュニケーション能力、接遇マナーなどは、施設内に良い刺激を与えます。

デメリットとしては、その施設の色に合った研修を行えるか分からない不透明さがあります。

外部講師は頼まれた要望に応えることがほとんどです。施設内の現状に合った研修が本当にできているのかという、柔軟性に欠ける点です。

話が一方通行になり、知らない外部講師に質問することが難しいと感じる職員も。

施設の内部が提供する教育プログラムのメリット・デメリット

施設の内部が提供する教育プログラムは、施設内の専門職、例えばベテラン介護士、看護師、ケアマネージャーなどが専門性を生かした研修を独自で考えて提供します。

メリットとしては、現状にある新人職員・中堅職員の目線に合った研修を細かく分析できます。

一緒に働いているからこそ感じとった問題点をピックアップし、研修内容に盛り込むことができる利点があります。

また、主催者が施設内職員だということもあり、疑問点を質問しやすいといった点があります。

デメリットとしては、研修を開催するにあたって労力と時間を割かねばならないということです。

自身の仕事が終わって準備をする職員がほとんどですので、その労力は計り知れません。

施設管理者はそのような主催者に対するバックアップをしながら、研修が積極的に行えるような施設体制を整える必要があります。

接遇マナーの外部講師の先生の講座はとても勉強になったよ!他の施設がどのように取り組んでいるかは施設内の職員ではなかなか補えないものがあります外部講師による新しい知識も、施設によって必要になります

教育システムを充実させるポイントは?

そもそも教育は、新人や一般職員だけが対象ではありません。

人を育てる管理職も、人を育てる教育を受ける必要があります。

そこで、施設として、教育システムを充実させるためにはどういった取り組みが必要なのか、2つのポイントをご紹介するので、参考にしてください。

目標到達点を明確にする

新人教育や中堅・管理者教育で大切なことは、何を?いつまでに?どのレベルまで達成させるかを明確にすることです。

施設の“理想の介護士像”がはっきりしていると、目標がさだまりやすいです。

介護プリセプター(指導者)が管理するチェックリストやスケジュール表にチェックをしながら、管理者が教育の進歩状況を確認します。

施設長には教育システム担当者を決める責任義務があります。新人、指導者、管理者、施設長がそれぞれ状況を確認し合うことで、一体となって教育システムを充実させていくことが大切です

外部研修(OFF-JT)と内部研修(OJT)のバランスをとる

外部研修と内部研修のバランスをとり、有意義な教育システムを作りましょう。

外部研修では、コミュニケーション法やマナー講座など、施設内の中にはない新しい知識が入り込むため、施設内職員にとっていい刺激を与えます。

内部研修では実際に介護現場での実践をしながら、介護プリセプター(指導者)が丁寧に指導します。

管理者が介護プリセプター(指導者)の指導力を上げるための指導を行います。

新人社員・指導者・管理者がそれぞれをバックアップできる教育システムの構築が大切です。

具体的なコツ!新人教育で心がけるポイントは?

新人教育において、気をつけるべきポイント4つについてご紹介します。

新人職員は、独り立ちした職員とは違い、教育方法を間違うと最悪は事故や離職などといったことも起こりやすいので気をつけましょう。

新人それぞれに合った個別の目標設定を

十人十色というように、新人それぞれ持っている能力や成長スピードが異なります。

人手不足が起因し、早く独り立ちしてほしさに教育スピードを上げてしまうと、ミスや事故の原因にもなります。

そのため、個々に応じて目標を設定し教育していく必要があるのです。

不安感を抱く新人へのサポートを忘れないこと

新人はみんな不安を抱えています。

毎日新しいことを学び、人間関係にも気を使い、独り立ちした職員が何気なくやっていることも、ストレスに感じていることもあります。

それだけ気を張っている状態なので、何気ない一言で傷ついてしまうといったことも多いです。

できるだけコミュニケーションをとっていく、面談で落ち着いて悩み相談や指導内容、そして施設としての意向などを伝え、意思の疎通を図ることが大切になります。

10分でも5分でも、新人と話す時間を作りましょう。

面接の時点では分からなかった部分・出なかった部分を認識すること

面接では、その人の人物象まで把握することはできません。

資格を持っているから、福祉学校を出ているからと過大評価をしてしまい、いざ一緒に働くと「思ったよりもできない」と過剰に不満を感じてはいませんか?

そういったマイナスのギャップをもっていると、無意識のうちに新人に対しての指導も強くなってしまいがちです。

できるだけマイナスのギャップを持たぬよう、先入観にとらわれず“新人”としての指導を心がけることが重要になります。

採用の合否を出す前に、一度体験見学として施設に来てもらうことを、採用試験として取り入れてみるのもおすすめです。

「見る」より「慣れろ!」がポイント

新人も最初は戸惑い、不安に思うかも知れませんが、見る・聞くよりも実践が何よりも人を成長させます。

見るだけ、説明を聞くだけでは、仕事の流れ注意点、重要性などを見逃してしまう確率が高くなります。

数日は仕事の流れなどを説明しながら教えその後実践させていくと体で覚えるため、自分のものとして覚えるのが早くなるのです。

見るより慣れろ、はじめはハラハラとして落ち着かないこともありますが、静かに見守り実践させることが新人を早く独り立ちさせるコツになります。

必要な部分は手助けをし、見守る教育も行いましょう。

独り立ちしてからが本番!その後に行うべき指導とは?

独り立ちした職員は、ここからがスタートになります。

新人がある程度独り立ちするには、2週間から1ヶ月程度です。

しかし、まだ働き始めて1ヶ月なのです。

そこで、独り立ち後に気をつけるべき指導についてお話しします。

独り立ち後によくある不安

独り立ちをした職員がよく不安に思うのは、次の3つです。

  • 周囲となじめているか(ほかの職員との関係性)
  • 人(先輩)によって言ってること、やり方が違う
  • 専門用語がまだ理解できず、話についていけない

我武者羅に仕事を覚えようと進んでいた新人も、仕事に慣れてきたことで回りが見えるようになります。

周囲に溶け込めているか、嫌われていないかなど気になり始めるころです。

また、専門用語が理解できない、先輩によってやり方が違うので何が正しいかわからないなど、不安を抱えるケースも多いようです。

これらの不安を乗り込めなくては、仕事に対しての意欲を失くし離職につながるケースも少なくありません。

そこで、次にご紹介するケアをしてあげることが大切になります。

習熟度をチェックしよう

独り立ちしたからと言って、完璧にできる職員なんていません。

そこで、独り立ちした新人がどの程度できているのか、教育者は観察し判断する必要があります。

そこで、次の表を参考に達成度を測ってみましょう。

達成度 内容
レベル1 仕事内容を理解している
レベル2 TPOを考えた行動ができる
レベル3 理解した仕事を体現することができる
レベル4 人に仕事や内容を教えることができる
レベル5 アドバイスや意見など、よりいいシステムなどを考案で切る

もし、独り立ちした新人がレベル3に達していないようであれば、まだ教育が必要だということになります。

介護施設の教育システムを充実させるために

介護施設ではその忙しさを理由にして、新人教育をおろそかにしている施設ばかりでした。

私も新人の頃は、最初こそオリエンテーションがあったものの、あとは現場職員に聞いてと現場に放たれて、そこからは先輩の仕事ぶりを見よう見まねで真似て仕事をする日々。

毎日がとても不安だったのを覚えています。

現在私が働いていた施設も新入社員には必ず先輩職員が担当する教育システムが導入されましたが、パート職員には教育システムがないなど、課題も残っています。

慣れない職員や教育が不十分な職員が多い施設では、必ず事故がおきています。そのような施設は必ず評判を落としていますし、介護士の質も問われます。

そうならないためにも、しっかりと教育システムを導入し、より良い人材を育て、いつまでも優秀な人材が長く仕事を続ける環境整備が必要です。

そして、教育システムが充実している介護施設はとても質が高い施設だと言われていますし、働く環境としても安心できますよね。

安心して働ける環境について補足

介護士の転職をサポートする専門のサービスとして「介護士転職エージェント」というものがあります。

介護業界に詳しいアドバイザーが、ご希望の条件にあう施設を提案してくれます。

介護専門の転職サポートサービスだからこその情報量を保有し、色々な施設との繋がりも密であるため、常に最新の情報を得る事ができます。

教育システムが充実している施設で働きたい方は、無料登録を行い、一度ご相談してみるのもいいかもしれません。

>エージェント一覧はコチラ

教育システムが充実している施設を探せるのは助かります。無料で登録できるのもうれしいですね