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介護業界でよく耳にする残業代の未払い(サービス残業)

介護業界でサービス残業が多い理由は何故なのか。事態を憂慮した国は新たな施策に出た

残業

サービス残業とは残業したのにもかかわらず、残業代が支給されない残業を指し、基本的に労働基準法に違反するものです。事業者は従業員に残業をさせた場合は、当該時間に関して125%の賃金を支払い、残業が休日であった場合は150%の残業代を支払わなければなりません。これに違反した場合は罰金刑に処せられる場合があります。

今までは罰金だけで済みましたが、サービス残業が常態化している事業所が多く、離職率を高めている一因になっている事態を憂慮した国は新たな法律を制定しました。その内容は労働法関係で罰金刑以上の処分に処せられた事業者の指定を取り消す事が出来る・労働保険料の滞納処分を受け引き続き滞納している者というものです(但し執行を終えるまでの間若しくは執行を受ける事がなくなるまでの間の者の新規指定や指定の更新)。

では何故介護の事業所ではサービス残業が常態化しやすいのでしょうか。

収益を取り返す事が出来ない

介護サービスでは、介護を行った対価に自己負担分の料金を利用者からもらい、公費負担分の料金を保険請求しています。
つまり、小売業の様に、”今日の売り上げがあまり良くなかったから、明日頑張って売り上げを伸ばそう。それで、今日の売り上げを取り返そう”ということができません。空室があり、取り逃した収益は永遠に取り返すことが出来ないということカモ。

必要な経費がある程度定められている

介護の事業所では、設備基準(居室やその他部屋の面積や、カーテンは防炎のものを使用する事等)や人員基準(受け入れる高齢者何名に対して何名の人員を配置しなければならないかの基準)が定められており、違反して運営すれば減算や指定の取り消しになるので、違反せずに守りながら運営する必要があります。この為、職員教育をして人員を育成さえすれば、3名必要な所が1名或いは2名で済ますことが出来人件費を抑えられるという運営の仕方は採れないという事カモ。事業者が勝手に運営の仕方を決められない為収益増加・改善の為にはどこかにしわ寄せを発生させる必要に迫られやすいカモ。

事業者から見たときに無駄に見える経費

これは人件費でしょう。設備投資や光熱費・借入金の返済・内部保留など目に見えやすい形の経費よりもただ人を雇っている為に掛かる経費であるからです。しかもその雇わなければならない人数や職種は決められているので、勝手に人数は決められず大きな割合を占める事になります。

残業代の未払い(サービス残業)まとめ

地域の介護サービス市場を独占しているような田舎且つ大規模な社会福祉法人でもない限り、上記の3点は経営者から見ると経営を圧迫する悪い要素でしかありません。

会社あっての従業員という考え方をするか従業員あっての会社という考え方をするかは経営者次第です。しかし、あまり駒のように扱いサービス残業が多すぎるような事業所は人が定着せず良いサービスを提供することが出来ません。
サービス残業は当たり前ではなく違法行為である認識を持たなければなりません。それは分かりつつ甘んじている部分もあると思います。でも、介護職員自身が声を上げないと、介護業界で根強いサービス残業が多い実態は変わりません。ひいては離職に繋がり、離職した穴埋めの為に結局は自身の首を絞めるのですから、良いことは一切ありません。職員のモチベーションの低下にも一役買っているカモ。

事業者側も指定の取り消しが意味する事を考えれば、残業代も少しは払う気になるのではないでしょうか(そもそも事業者が払う払わないを決めるのではなく支払い義務があるもので少し語弊がありますが)。