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IT技術者の今後の需要は?日本におけるIT技術者不足の理由を確認してみましょう!

IT技術者不足

現代はITの時代です。今や携帯電話やパソコンは1人1台が当たり前であり、全世界で瞬時の通信が可能です。

ITの発達は、私たちが持っていた世界に対する概念そのものを変化させました。例えば携帯電話を通話程度しか利用しないお年寄り世代と、スマートフォンやタブレットやパソコンで使って仮想世界を体験できる若い世代とでは、世界に対する認識は大きく異なるといえるでしょう。

人類が享受する利便性は、ITの発達により大きく向上しました。さらに製造業や流通業における生産性を向上させ、技術の革新による効率化を実現したのです。工場の作業工程は機械により自動化され、一部の工場では、熟練した職人の技術を特殊な機械が忠実に再現しています。

機械の特徴は生産能力の高さであり、生産工程の自動化によってこれまでは難しかった大量生産が可能になりました。工場の様子の変化からも、技術革新のスピードの速さが実感できるはずです。

ITの発達による技術革新や効率化は、商品を安く大量に消費者に供給することを可能にしました。しかし、その一方で多くの雇用が失われる原因になっています。さらに、ITの発達は人気商品の流通にも影響を及ぼし、たとえば、人気商品を特定の人間が買い占めてしまうという事例が発生しています。

ITの発達や技術の革新は、本来は人々の生活を豊かに、そして便利にするためのものでした。ところが逆に多くの人の仕事を奪い、生活を圧迫する現象が発生しているのです。このような矛盾は時代の流れなのかもしれません。

100年前のイギリスでは、労働に馬が使われていましたが、その後、産業革命により自動車や機械が使われるようになったため、労働馬は姿を消すことになりました。これと同じことが現代でも起こりつつあるのです。

IT革命は、人の価値観をかつてのイギリスにおける産業革命と同様に劇的に変化させています。すでに、様々な分野においてIT革命は普及期を終え、すでに成熟期へと進んでいるといえるでしょう。

ここ数年においては、モバイル端末の発達が顕著です。時間や場所に捉われずに、ビジネスを遂行することを可能にしたモバイル端末は、オフィスワークの概念を大きく変化させました。更に2016年には、IT業界を大きく成長させるモノのインターネットであるIoT(モノのインターネット)が黎明期を迎えるとされています。

IT業界は、現在需要が増大し続けており、慢性的な技術者の不足に悩んでいます。多くの人の雇用を奪う間接的な原因となったIT業界が、逆に人手不足だという皮肉な状況が発生しているのです。

IT技術者の不足には、様々な要因が複合的に関連しています!

IT技術者の深刻な不足については、単純にこれだという原因を特定することはできません。様々な要因が複合的に関連した結果であり、それぞれの要因をしっかりと分析して、複合的に判断することが必要になります。

人口の減少により、労働者の数そのものが減少しています!

日本は現在、人口の減少局面に入っており、これに伴って労働者の数そのものが減少しています。いわゆる団塊の世代が定年退職を迎え、一方で次世代を担う新卒世代の人口は限られているため、人材の絶対数が不足しているのです。

現在も成長を続けるIT業界や、2020年の東京オリンピック開催を控えてインフラ整備が進む建築業界では、人手不足の状況が特に深刻です。業績が好調にもかかわらず人手が足りないという状況は、これらの業界に共通する悩みとなっています。

IT企業は新しい時代の3K職場なのでしょうか?

かつて、バブルの時代には「給料が安い」「汚い」「きつい」職場は3Kと呼ばれていました。建築業などの日本の高度経済成長を支えた職場がこれに該当し、当時の若い世代から嫌われたのです。

バブルがはじけてからは、このような風潮は目立たなくなりましたが、近年においてはIT業界が「給料が安い」「帰れない」「きつい」という現代の新3K職場とされています。

新3K職場という言葉にはネガティブなイメージが強いのですが、現在のIT業界における収入の額は決して安くはないですし、残業時間についても極端に多いとはいえないでしょう。

ただし、IT業界は新しい業種であり、様々なベンチャー企業が厳しい競争を繰り広げているため、仕事がきつくて家に帰れないことがあるようです。さらに、一部には仕事を受注するために低単価で請け負う企業があるため、結果として業界全体の仕事単価が低下して、労働者の給料が安くなるという悪循環が発生しています。このような様々な状況の積み重ねにより、IT業界は新3K職場と呼ばれているのです。

IT業界における厳しい競争を勝ち残る企業は一握りです。競争に敗れた企業で働いていた人たちは、IT業界はブラックな業界だと記憶するでしょう。そのような印象はインターネットを通じてSNSなどで拡散され、就職を控えた学生にも伝わります。現代の学生は、ブラック企業を強く警戒していますので、IT業界は新3K職場として敬遠されてしまうのです。IT技術の発達がIT企業の人材不足を助長しているのは、なんとも皮肉な状況だといえるでしょう。

IT技術者の地位向上が日本の課題です!

生産性と効率を高めるIT技術は、人類最高のテクノロジーですが、現代の企業においてはまだまだ無駄が多いようです。IoTやモバイル端末の発達により、自由な場所で働くことができるのにもかかわらず、社員をデスクに拘束するワークスタイルを続ける企業や、交通費や時間をかけて出席者を集め、数名しか発言しないような会議を開く企業が多くなっています。

IT技術者であれば、連絡事項をメールで伝達することや、インターネット経由でテレビ会議を開くことを考えるでしょう。しかし、日本の企業では、社員が顔を合わせることによるコミュニケーションを重視するため、効率化や生産性を重視するIT技術者の考え方は組織に馴染まないのです。外資系企業に優秀なIT技術者を奪われてしまうのは、このような日本式のワークスタイルが大きく関連しています。

さらにIT業界においては、建設業界や広告業界のような「下請け」「孫請け」が数多く存在します。大きな予算が動くプロジェクトでは、大企業が利益の多くを独占し、一方で、下請けや孫請けとなる企業はわずかな報酬で仕事を請け負うため、末端で働くIT技術者の収入は限られることになります。いくら頑張っても報酬が少なければ、やる気を失ってしまうのは当然だといえるでしょう。

近年では、マンション施工時のくい打ち偽装が建設業界で大きな問題となっています。この問題の発生には、建設業界における下請けや孫請けの構造が影響しているようです。IT業界が優秀な技術者を確保し、さらに新しい技術者を養成するためには、業界全体の報われない構造を改革することが必要になります。

日本とアメリカのシステムエンジニアやプログラマーの平均給与を比較すると、物価の違いを考慮しても約2倍の差があります。アメリカではITエンジニアの地位が高く、このことがMicrosoftやAppleやGoogleなどのベンチャー企業が大きく躍進する原動力となっているのです。日本においても、今後はIT技術者の地位向上が急務とされるでしょう。

世界のこれからのありかたを意識してください!

「21世紀は魔法の世紀である」と筑波大学の研究者・落合陽一氏は断言しています。現代社会においては技術の発達により、これまでは不可能だった様々なことが可能になりました。昔の人たちからしてみれば、現代人は魔法使いのように見えるでしょう。AIや量子コンピューターのテクノロジーは、今後もさらに発達し、未知の領域に人類を連れて行くことになります。

これからの時代の中で、私たちの意識は、さらにリアルを超えていくでしょう。すでに肉体を意識が凌駕しつつあり、私たちはリアルな自分とは別の意識を持って、フェイスブックやツイッターなどのSNSの中であれこれと様々なやり取りを行っています。

現在、仮想空間内における活動はSNSなどの一部に限られていますが、今後はVRやARの技術の発達により、音や触覚などが認知できるもう一つの肉体を、仮想空間の中で持つことができるかもしれません。そのような世界を目指すことは、時代の流れによる必然だといえるでしょう。私たちの認識する世界は、リアルな世界を超えて広がり、バーチャルな世界の中に新しい住みかを見つけることになります。

ただし、そのような世界の到来のためには、IT技術者の仕事が欠かせないといえるでしょう。世界をAIが勝手に構築するのではなく、あくまでもIT技術者の仕事がバーチャルな世界を広げていくのです。今後においてIT技術の需要はますます増加して、より高い技術が求められることになります。さらにIT技術者としての仕事が一般化することにより、より多くのIT技術者が必要とされるのです。

20世紀の世界は建設業界により構築されてきましたが、今後21世紀の世界はIT技術者によって構築されることになります。IT技術者の需要はさらに高まることが予想されます。

IT技術者のグローバル化やボーダレス化が進行しています!

経済産業省では、日本におけるIT技術者の不足を深刻に捉え、IT技術を先行したアジア各国の学生を日本国内に積極的に受け入れる準備をしています。IT技術者のグローバル化やボーダレス化が進行しているのですが、日本国内においても、まだまだ改善を検討する余地が残されているのではないでしょうか。

現在のIT業界は「新3K業界」「ブラック業界」と呼ばれており、日本人の新卒者からも敬遠されています。外国人は状況にシビアですから、実際に働いてみて割りの合わない職場だと感じたら、すぐに見切りを付けて去ってしまうことになります。実際に、介護の現場などでは技術を習得した外国人実習生が、その後日本で就職することなく帰国してしまう事例が頻発しているのです。IT業界においても、内側からの改善や改革が必要だといえるでしょう。