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医局から転職する?医局安泰論の本当のところ

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医局と”民間”の医局の併用の使い分けこそ重要に!

全国医学部長病院長会議が怒った!2017年5月26日に行われた記者会見をご存知でしょうか?順天堂大学学長が長を務める、この会議は「医局」を狙い撃ちした「全国市長会」に反論をぶち上げました。

いったいなに?実は、全国市長会は「市立病院」「市民病院」といった市営病院に専門医が集まらないのではないか…という疑念を持ち、裏で専門医を抱え込んでいるのは大学病院の医局である!と批判を行ったのカモ。

医師不足の影響で、地方都市の市立病院には優秀な医師が集まらず、医局人事を叩いたという訳です。

これに対して、順天堂大学の新井学長(病院長会議長)は「卒後2年の研修医だけでは一人前ではなく、3年から5年の勉強と研修は必要」と発言。専門医を育てなければ、医療改革はできない…と市長会を再批判しています。

ここでは医局を擁護する意見が大きく、市長会は医局によって医師が集まらない地域の中核病院の現状を訴えて水掛け論になっているのカモ。

※参照 m3.comニュース

医局には古い体質のイメージが…

医局と言えば、毎年会費を払い続けて医師が先輩医師の辿った地方の中核病院への勤務を連綿と行う…というイメージがあるでしょう。

中には3年おきに病院を替え、医局からの異動話があれば、そのまま次の赴任先へ…ということになり、引っ越し先も手配済みで自分のキャリアに見合った給与をしっかり受け取れる、といった便利さもあったカモ。

ですが、昨今は研修医制度は変わって、医師が自分から行きたい病院を選び、マッチングシステムで研修先を指定される…という自由度が加わりました。

東京の医大を卒業して福島の被災地で研修医として働く若手医師、あるいは九州の医大から都内の病院を研修先に選ぶ医師など、その動きは非常にダイナミックになっています。

むろん、金沢医大のように、開業医の子息が入学する割合が高いところは、卒後に医局に残る割合は半分程度といった特徴も見られます。

ただ、地方の医大の場合は古い体質がそのまま地方の医療を支える側として、しっかり残っているケースも少なくないカモ。

医局は必要。もし医局がなければどうなる?

医局は悪だ、医師を抱え込んでいる…といった批判が少なくないのも事実。しかし、大学医学部の多くは医局肯定論者と言えます。理由は日本の医科大学の分布に言えるでしょう。

北海道から沖縄まで全国にある医学部のほとんどは実は西日本に集中しています。

東京には医大が多いじゃないか、という人がいますが、人口割合が多いことを考えると、関東圏は特に医学部進学者が少ない。2010年の国勢調査のデータですが、人口1,000人あたりの医学部進学者の割合は鳥取県が17.95人であるのに対し、埼玉県は1.79人です。

※参照 ハフィントンポスト~なぜ東北に医学部新設?

実は、西日本には東日本よりも国立と公立の医科大学、医学部が多く地元の高校生が進学する割合が圧倒的です。そのため、医局システムが非常に発達しており、大学教授を中心にピラミッドが形成されるカモ。

それは医師の均一的なスキルアップには役立ってきましたが、もう少し突っ込んだ医療改革の芽を摘み取ってきたのも事実。

医局があったからこそ、地元中心の医療が続けられてきたのだ…という意見が大勢なのは、こうした大学関係者の声が基になっているのです。医局がなければ地方の中核病院はガタガタだった…と言う訳なのカモ。

大学そのものが医局。だから大学医学部が強い自治体なら医局は安泰

医局は悪…と言い切れるでしょうか?答えはノーというのが日本の医学会の現状です。それは、日本の医学部を支えているのは健康保険制度にほかなりません。

全国どこでも健康保険証さえあれば、診療報酬制度の下で3割程度の窓口負担による受診が可能カモ。ところが、アメリカでは基本的に自由診療。

イギリスの場合は無料の健康保険制度はありますが、初診日の半年後に受診することが前提です…これに比べて、日本の医療制度は都市部でも地方でも広く浅く保険料を支払った中から医師に給与が振り分けられます。

その医師たちを滞りなく地方の大病院へ送り届けることで、面倒な医師不足を解消してきた…というのが医局の考え方で、それは間違っていないのです。

医師とすれば、医局に会費を払っていさえすれば研修医制度でも指定された病院へ派遣され、その後の勤務医生活も面倒な手続きなしに次々と進路が待っていたわけカモ。

これを「居場所論」と言い換えても良いでしょう。満足さえすれば、問題ないのが医局人事だったのです。

まとめ

医局には功罪があるが、自由度のある転職との共存が現在の形だ!

医局そのものを悪呼ばわりするのは実に簡単。でも、実際にはどんな組織でも功罪があるわけで、医師の世界が特別、という訳ではありません。

大事なのは自由度や、組織の良いところも生かすべしということです。

医局の力云々は一般患者には全く関係のない話。医療を志す方なら、自分の理想とする医師像がどこを向いているのかをしっかりしていればどちらに属しても問題ないということなのです。

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