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保育士の一日(年長さん)では何が大事?子どもたちの「仲間意識」が育つ機会をどんどん作ろう!

行事や設定保育を乗り越えて大きくなっていく年長児!みんなで力を合わせることの大切さを知る!

仲間意識が強くなる年長児は、集団で活動することが多くなります。

保育士は「仲間同士で行動すること」を一日の流れに多く取り入れ、その中で「協力する気持ち」や「思いやり」を育てていきます。

みんなで何かを成し遂げるという経験は、「ひとりではできないことも複数ならば達成できる」ということの発見。それが日常でも活かされて、友だち同士で協力し合うことができるようになるかもしれませんね。集団で活動したことによって、年長さんの毎日も更に豊かなものになるでしょう。

今回は、年長児の担任保育士の一日をスケジュールに沿って見ていきます。

どのように「仲間と行動する機会」を取り入れ、「協力心」や「思いやり」を育てていけばいいのでしょうか。

保育のポイントも一緒にご紹介します。

一日の流れを見てみましょう!年長児クラスのスケジュールはこんな感じ!

年中さんと同じような予定ですが、保育の内容によっては設定保育の時間が長くなります。年長さんだけの行事や活動も多くあるので、担任保育士は準備に忙しく責任も重くなります。

年長児・スケジュール例

午前

7:00 登園、自由遊び
8:30 体操など
9:00 排泄、手洗い
9:30 朝の会など
10:00 設定保育、自由遊び
11:30 昼食

午後

12:30 自由遊び
13:00 お昼寝または自由保育(設定保育)
15:00 おやつ、自由遊び
17:00 順次降園

年間行事では年長児クラスがメインになるので、出し物や競技の練習、または製作などを行う時間も長くなります。

保育士は子どもたちのストレスがたまらないよう、活動の合間に自由遊びを取り入れながら行事を乗り越えるようにしましょう。

年長児クラスの担任保育士は何をするの?スケジュールに沿ってご紹介!

園生活にもすっかり慣れて、生活習慣や活動も堂々と行っています。気持ちにも余裕があるので、友だちや年齢が下の子どもたちを気にかけることもできますね!保育士は「他者と関わる機会」をあえて作ることで、思いやりを育てるきっかけにしていきます。

年長児クラス・担任保育士の一日

出勤

朝の受け入れ時に挨拶をすることは、年長さんにとっては既に習慣化していますね。それでは、友だち同士ではどうでしょうか。朝は「おはよう」と声をかけ合うことを勧めてみましょう。

あくまでも、ルール化するのではなく自然に挨拶することが大事。子どもの負担にならないよう、保育士は静かに見守るようにします。

自由遊び

年長さんは、小さいクラスや保育士にとって頼りになる存在!ではありますが、危険行為をする可能性はゼロではないので油断はできません。保育士は気をひきしめて、年長さんの動きもしっかり把握しましょう。

体操、軽運動

定番の体操や運動をしたら、年長さんだけ残ってレベルアップした運動を取り入れてもいいですね。この時間に、マット運動や跳び箱、縄跳びなどを行う保育園もあります。運動を通して、個人差を認め合い、お互いを応援する気持ちを育てることができます。

排泄、手洗い

排泄では、トイレットペーパーの使い方など他者を意識したマナーを伝えていきます。手洗い場を汚してしまった時の対処についても、そのままにしておくことで「誰がどう困るか」を考える機会を作り、意識を高めていきます。

設定保育、自由遊び

その日の計画に則って設定保育を行います。早く終わった子どもは自由遊びをします。夏は水遊びやプール遊び、冬は雪遊びなどが「設定保育」になることがあります。

天候によって、設定保育の予定が変わることもあります。たとえば雨の日が続いた後に晴れた日は、予定を変更して外遊びをするなど、保育士は柔軟に対処します。

昼食

給食当番を交替で行っている保育園もあります。保育士は安全を第一に「給食当番の仕事」を決め、複数の園児が交替でできるようにします。

挨拶も給食当番にしてもらいましょう。子どもたちなりに責任をもって任務をまっとうしますよ。

お昼寝または自由保育(設定保育)

年長児のお昼寝については、園によって考え方が違います。年長さんの体力や活動内容を考慮して、各園で「お昼寝の有無」を判断しています。主なパターンは下記の通りで、ほとんどの保育園はいずれかを実施しています。

  • 一年間お昼寝がある
  • 年長児はお昼寝なし
  • 年の半ば頃(9~10月)よりお昼寝なし
  • 正月休み明けからお昼寝なし
  • 年度末(2~3月)はお昼寝なし

年長児の担任保育士は、自由保育または設定保育を行います。休憩時間のみ、他の保育士が交替します。

おやつ、自由遊び、降園

保育士は「下の年齢の子どもと関わる機会」を作ります。おやつを一緒に食べたり、ゲームをしたり、きっかけを作ることで関係性が自由遊びにも活かされますね。年中児・年少児の面倒を見ることで「思いやり」が育っていきます。

年長さんの設定保育で配慮することは?

年長さんだからこそ「設定保育」が日常に活かされます。

ひとつの活動を通して他の活動に発展させることはもちろん、生活や人間関係までつなげていくことができます。

保育士はどんな「きっかけ」を作っていけばいいのでしょうか。

下記のポイントも読んで参考にしてみて下さい。

【言葉】みんなの前で発表する機会を作る

自分が経験したことや見聞きしたことを、みんなの前で話す機会を作り、他の子どもは真剣に話を聴くようにします。自分が話したことに共感してもらうことで自信がついてくるかもしれません。

同じ経験をした者同士で活動したり、同じテーブルで給食を食べたり、保育士が「関わりのきっかけ」を作ることで、交流の幅が広がっていきますね!

【環境】数は身のまわりにあふれている

身のまわりにあるものを数える経験を増やします。ひとりで数えるだけでなく複数で数えるようにすると、数に興味がない子どもも自然に覚えていきます。

子どもたちの環境は「数」にあふれています。カレンダーを見て「今日は何日?」と聞いたり、「赤い紙を3枚ずつ配ってね」など子どもが数えて配布するようにしたり、保育士は常にきっかけを作ることを意識することが大切です。

【協力】みんなで力を合わせて作り上げる

年長児は共同制作に挑戦したいですね!仲間と一緒に何かを作り上げることは、お互いの話を聞く「きっかけ」になります。保育士は子どもたち同士の話し合いを見守り、必要に応じて少しだけ助言をするのがベスト!介入し過ぎると保育士が中心になってしまうので要注意!タイミングや距離感がポイントになります。

年長児の担任ならではの仕事!特に忙しいのはどんな時期?

どのクラスでも行事を控えると忙しくなります。特に「年長児だけの行事」では、担任保育士に大きな負担がかかるので大変です!

お泊まり会

多くの保育園は7~8月にお泊まり会を行います。年長児の担任は、1カ月ほど前から準備にとりかかります。当日必要なものはもちろん、保護者への説明などに使うリーフレットを作成することもあります。

七夕や夏祭りなど、他の行事と共に準備を進めていくので特に大変です。

作品展

年長さんだけの行事ではありませんが、一番大きいクラスなので頑張ることが沢山あります!
作品展のテーマを決めて共同制作に取り組んだり、日々いろんな種類の展示物を作るので、担任保育士はその準備に大変な手間がかかります。

三月

卒園に向けて忙しいのが3月です。作品の整理、卒園式の計画、練習、プレゼント作りなど、年長さんがやらなければいけないことはいっぱい!保育士はこれらの準備に加え、書類の作成など事務作業もあるのです。園児の成長をしみじみと喜んでいたいのに、忙しさでそんな暇がないほどです。

年長児の担任が注意することや成長の手助けとして何をするか大事なポイント4つ!

年長さんの担任保育士は「集団の中の子ども」と「個人としての子ども」の両方を意識したいですね。本人が活き活きと毎日を過ごすために何が必要か、下記のポイントについて改めて考えてみることも大切ですね。

集団をどう見守るか

クラス全体で何かをする時、または4~5人のグループで行動する時、ひとりひとりがどんな様子でいるかを把握することが大切です。

発言がほとんどなくても、子どもはグループの一員としての意識を持っているもの。何かを決める時は「全員の気持ちが大事」であることを伝え、リーダーシップをとっている子どもには自分だけで決めることがないように言葉をかけましょう。

保育士の介入や助言は「タイミング」と「距離感」と「言葉の選び方」がポイント!年長児の担任の課題でもありますね。適切に行うのがベストな配慮です。

保育士との信頼関係

年長児は口喧嘩が多くなり、それぞれの理屈をぶつけ合い、時には泣きながらのバトルも見られます。年中さんの頃とは違い「お互いの言い分」も複雑になっていて、表面的に聞いただけでは事情が把握できないことが多くなってきます。

保育士は、時間をかけてお互いの言い分をじっくりと聴くようにします。どちらの気持ちも尊重した上で、「もう一回話してみようよ」と改めて相手に伝えることを提案してみます。

自分の言い分を受けとめてもらったことで、子どもの気持ちが落ちつきます。この安心感の積み重ねで「保育士への信頼」が育っていきます。

表現したいという気持ちを大切にする

子どものイマジネーションを邪魔しないよう、保育士は「言葉」に注意することが大事!子どもが想像したことを受け入れ、のびのびと表現できるように配慮していきましょう。

子どもが表現したものを保育士の価値観で評価すると、子ども同士で批判することにつながります。どんな気持ちで表現したかに重点を置くことで、子どもは「受け入れてもらった安心感」でますます自分を発揮するでしょう。

年長児だからこそスキンシップをする

年長さんはもうすぐ一年生!心身共に成長し、大人っぽさすら感じますね!そんな時期だからこそ大切にしたいのはスキンシップ!赤ちゃんじゃなくても抱っこはOKであることを伝え、「大人でも抱きしめてほしい時があるんだよ」と話してあげましょう。

抱っこが困難な場合は、膝の上に座るようにして抱きしめます。スキンシップは心の栄養!年長さんにももちろん必要です。恥ずかしくて抵抗する子どもには無理強いをせず、握手などのスキンシップをします。

まとめ

保育園時代に培った「思いやり」「親切心」「協力する気持ち」は、小学校に行ってすぐに活かされるものではありません。それでも、子どもの根っこにあるものは消えることなく生き続けます。

新生活に慣れ、友だちや先生に愛情をもち始めた時にきっと芽を出すでしょう。保育士はその「いつか」のために、心をこめて丁寧にひとりひとりと関わっていくのです。