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NG言葉!保育士がつい出てしまう子どもへの言葉かけ事例とは?

保育士がつい普段の保育でやってしまいがちな言葉かけと、子どもによりそった言葉かけの例を分かりやすく場面を取り上げて解説していきます。

毎日子どもと接する保育士さんが、慣れてくるとついつい出てしまう言葉もあるでしょう。保育士さんも人間のため、注意をしていても言葉が出てしまうときがあります。

そこで今回は、子どもの声かけでNGだと言われている内容についてご紹介していきましょう。

言葉掛けのポイントと保育現場でよくある事例

言葉は子供との信頼関係を築く上で欠かすことのできない、コミュニケーション方法の1つです。日々、多くの言葉を発する上で、「この対応は正しかったのかなぁ」と思う事は、どの保育士さんでもある事です。

実はそんな日々子どもたちに投げかける言葉で、NGワードとなる言葉や、子供たちにプラスになる言葉には共通点も多々あります。

子どもたちに使わない方がいい言葉の共通点

  • 「他の子ができている」などの比較する言葉
  • 「もうさせませんよ」などの脅す言葉
  • 「ちゃんとしなさい」などの単なる命令言葉

子供たちにプラスになる言葉の共通点

  • 子どもの気持ちを認めた言葉かけ
  • 子どもに気づかせる言葉かけ
  • 子どもの失敗に寄り添った言葉かけ

以下では、上記の共通点を踏まえた上で、良くある保育の場面を事例を上げていきます。まずはやってしまいがちな良くない言葉かけを、次に、どういった視点でみればよいかを考察し、子どもにより伝わりやすい言葉かけを紹介していきます。

保育士が聞いてほしい話を子どもたちが落ち着いて聞けない

まず初めに大切なのは、気づかせる言葉かけを意識することです。そして注意する言葉のあとには、必ず相手を認める言葉でフォローを忘れずにしましょう。

帰りの会の場面で

カモ「明日はみんなが楽しみにしてた動物園へ行くカモ」
A君「イエーイ!!動物だ!ワーイワーイ(身体を動かしながら言い続ける)」
カモ「明日の持ち物は・・・ちょっとA君?お話をまずはきくカモね!」
A君「ワーイワーイ!○●レンジャー!」
カモ「A君うるさいカモ!静かにしなさいって言ってるのが分からないカモ?!」


さて、どうでしょうか?A君は、みんなが揃う場所で張り切った気持ちが空回りしてしまったのかもしれません。そもそも興味が移り変わりやすく、一つの物事に集中できないのかもしれません。いづれにせよ、自分が良くなかったと気付かせる必要があります。

ここでの言葉かけのポイントは、保育士の聞いてほしい気持ちをA君に伝えることです。例えば以下のように悲しい表情をしながら、A君に声をかけてみましょう。

カモ「ねぇ、A君、先生とても悲しいカモ・・・嬉しい気持ちはわかるけども、大事なお話しだからしっかり聞いてほしいカモ・・」

そこできちんと話を聞いてくれた場合には、以下のように受け答えをします。

カモ「ちゃんと聞いてくれてありがとう、えらかったカモ」
カモ「みんなもちゃんと聞けててえらかったカモ」
カモ「明日の動物園楽しみカモ!」


A君と全体の子どもたちを誉める言葉がけをすると、子どもたちは嬉しい気持ちになり、先生の話を聞くことが好きな子どもたちになっていきます。

コミュニケーションとは、簡単に言うと要求と応答で成り立っています。この二つを円滑にこなせると、子どもにとっても達成感のある場面となっていきますので、聞くことが求められていることだと認識させることが重要です。

食事中嫌いなものが多く、ほとんど手をつけないとき

園児程度の年齢になると、いやいや期に突入することもあり、食べることを拒むことがあります。しかしそれは、「食べない=嫌い」ではありません。そこでまずは、どうしてその食べ物が苦手なのか聞き出してみましょう。

いただきますと食べ始めて、5分過ぎたころ…

Bちゃん「ごちそうさまでした(おかずがほぼ残っている)」
カモ「あれ?もうお腹いっぱいカモ?食べないカモ?」
Bちゃん「うん。」
カモ(さっきまで元気に遊んでいたし、顔色も悪くないしおかしいカモ)
カモ「そんなんじゃぁ大きくなれないカモ。ちゃんとここまでは食べなさいカモ」


よくあるシーンだと思います。家庭ではこう言われて育った方もいらっしゃるのではないでしょうか。家庭では良くても、保育士が他人のお子さんに指導する場合は別です。もしかするとBちゃんは食べ慣れてないものが多くあったのかもしれません。

子どもにとって、食わず嫌いな傾向はよく見られます。感触や味覚に敏感で偏食傾向のある子どももいます。もしかして、環境の変化に緊張して食べられなかったのかもしれません。つまり味が嫌で、単に嫌いで残しているとは言い切れないのです。ここでは、やさしく子どもに挑戦するよう向ける言葉が必要になります。

カモ「ほら、この人参とってもおいしそうカモ(食べる)」
カモ「みんな、一緒に食べるとおいしいカモね」
Aちゃん(じっと見ている)
カモ「Aちゃん、小さくするから、一口だけ食べてみよう?」


友達や保育士が美味しそうに食べている姿を見ると、「おいしいのかな・・?」と恐れながらも徐々に興味をもつようになります。

まずは子どもの負担にならないように、まずは一口からはじめてみましょう。今すぐに食べられなくても、子どものうちに少しずつでも食べる経験があれば、大きくなって食べられるようになったということはよくある話です。保育士も大きな目で考えていきましょう。

園の絵本やおもちゃを雑に扱うとき

なかには縁の絵本やおもちゃを粗雑に扱ってしまうような、やんちゃな子どももいます。そこでまず大切なのは、子どもに物の価値を教てあげましょう。そして先生の「ありがとう」という言葉から、やって良いことが何であるか判断させることが大切です。

紙のおもちゃで遊んでいるとき

C君「あー!飽きちゃった!ポイッ!(ぐちゃぐちゃにして投げ捨てる)」
C君「遊びにいこうっと!」
カモ(あっ!なんてことを)
カモ「C君!ちょっと来るカモ!こんなことしたら駄目カモ!」
カモ「C君はもうこれでは遊ばせませんカモ!」


自分のものは大切にしまったりしますが、自分にとってどうでも良いものは投げ捨てたり、壊しても平気な顔をしていたり。保育士はこんな場面に遭遇することが多くあるでしょう。そして5歳にも満たない子どもにみんなの物をどうやって大切にするか、教え方に頭を悩ませること多いのです。

その結果、考えに詰まった時に出るのが「もう使わせない」と言った言葉です。その場だけ子どもは怒られていることを認識して従いますが、また同じことを繰り返し、やがてその言葉にも耳をかさなくなっていきます。これは子どもが、何故良くないかが分かっていない証拠でしょう。

生まれた時からいろんな便利なものに囲まれて生きていると、もしかすると物のひとつ自体が大事だという考えそのものが薄いのかもしれません。ここでは自分以外の人が大事にしている状況を伝えます。

カモ「C君、これは前にBちゃんやAくんが大事に遊んでいたおもちゃだカモ」
カモ「BちゃんもAくんも壊れていたら悲しむよね」
カモ「だから、みんな悲しまないように、大事に使おうね」


大事なことは、次C君が大事にしている場面を見つけたら「ちゃんときれいにつかっているね、ありがとう」と、感謝の気持ちを伝えることです。そして、みんなの見本になるように紹介しても良いかもしれません。

人の物など、どうでもよかったC君の考えは、自分が誉められ認められることで、人や物に大事にすることは心地よいことだと実感することができます。

わざとではないからと言って謝らないとき

子ども同士が遊んでいる時には、不注意によって思わず事故を起こしてしまうケースもあります。本人の意思で相手を傷つけようとした場合はないとしても、相手にきちんと「ごめんなさい」と言わせるにはどうしたらいいのでしょうか。

まずは先生が子どもの言い分を頭ごなしに否定するのではなく、本人の言葉や気持ちを代弁してあげることが大切です。

外遊びのとき

Dくん走り回っていて、止まって遊んでいたEちゃんにぶつかり、こけさせてしまう
Eちゃん「えーーーん、痛いよー」
Dくん(Eちゃんをちらっと見て、走り去っていく)
カモ「こら!Dくん!なんで謝らないカモ!」
Dくん「わざとじゃないもん・・・」
カモ「わざとじゃなかったらやっていいカモ?ちゃんと謝りなさいカモ!」


この場合、Dくんは自分がぶつかったことも、泣かせてしまったことも分かっていますね。しかしEちゃんを気づかわず謝らないのは何故でしょうか。

自分がわざとではないけど、やってしまった戸惑いから、逃げてしまったのでしょうか。保育士が子どもに悪いことは悪いと善悪の判断をつけさせること、毅然とした態度で平等に子どもに接することは確かに必要です。ですが分かっているのに逃げたから卑怯だ、悪い子だと決めつけず、悪いことをした子どもの心理に寄り添う必要があるのです。

子どもは自分のしでかしてしまったことの責任を受けとめられず、怖くなって逃げてしまったかもしれません。事故によってしてしまった可能性もあります。まず子どもの気持ちを受けとめた上で、一緒に謝りに行く、一緒に責任を取る寄り添う指導が必要です。

カモ「わざとじゃなかったのね、分かった。悪いことをしたってことは分かってたんだ。」
カモ「EちゃんにDくんがわざとじゃなかったからって先生も一緒に言うから、一緒にあやまりにいこう」
カモ「きっと、ちゃんと謝ったらEちゃんも許してくれるよ」


子どもが言葉にできない、反省している気持ちを代弁することで、子どもはそれを覚え、失敗したときに素直に謝ることで責任をとる方法を習得していきます。責任感は自分のしたことを受けとめることからはじまります。集団の中で子どもたちの気持ちがすれ違いになった時にこそ、良いチャンスと思って指導に当たりましょう。

良い、悪いではなく、どんな気持ち?を大切に

しかし子どもの困った行動は、保育のヒントになることもあります。子どもは大人から見ると平気で悪いことをします。一見ふざけているだけに見える子どもの行動や言動ですが、実はそこに子どもが今困っていることの手がかりが隠れているのです。

子どもとの信頼関係は子どもを信じることからです。小さいことでも、子どもをよく誉めて、子どもの意欲につなげていきましょう。