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調剤ミスを防止する方法とは?ロラゼパムとロフラゼプなどについて

調剤ミスで件数の多いものは、似た名前の医薬品を間違えるという取り間違いではないでしょうか。どのようにすれば調剤ミスをなくすことができるのでしょうか

薬剤師のみなさんが、もっとも恐れなければいけないものは、調剤ミスであり、日々いろいろな工夫を凝らして、調剤ミスが起こらないようにされていると思います。

しかし、調剤ミスは薬剤師にとって「永遠のテーマ」といっても過言でないくらい、残念ながらなくなることはありません。

調剤ミスといっても、いろいろな種類の調剤ミスがあります。

散剤や水剤においては、計量する分量を間違える計量ミスや測りとる薬剤を取り間違えるというミス、錠剤や分包された薬剤をとり間違えるピッキングミス、数を間違える計数ミスなどがあります。

もっとも多いものが、ピッキングミス・計数ミスといわれています。

調剤ミスとして認知されるものは、患者さんに薬をお渡しした時点、つまり薬局から薬がでた時点で調剤ミスとなります。

調剤ミスとしての件数は少なくても、調剤中に起こるミス(いわゆるヒアリ・ハット)は比較的多いと思われます。

この調剤中のミスをどれだけ少なくできるかということが、調剤ミスをなくすことにつながります。

調剤中の調剤ミスをなくすために、どのような工夫をされていますでしょうか。どのような工夫がより効果的なのでしょうか。

調剤ミス撲滅のために、一緒に考えてみましょう。

間違えやすい(ピッキングミスしやすい)薬を確認しましょう。

ピッキングミスを防止するために、まず必ずしないといけないことは、ご自身が勤務されている薬局において、似たような名前のお薬があるかどうかを把握することです。

把握しているだけで、より注意力が増すためにピッキングミスに有効です。

代表的な似た名前の薬を一覧にしていますので、確認してください。

商品名 薬効 商品名 薬効
ロフラゼプ酸エチル 抗精神薬 ロラゼパム 抗精神薬
スピロペント 喘息治療薬 スピロピタン 抗精神薬
ノイロビタン 総合ビタミンB剤 ノイロトオピン 消炎鎮痛剤
グリミクロン 糖尿病治療薬 グリチロン 肝疾患治療薬
クレメジン 腎不全治療薬 クレスタン 抗がん剤
プレドニン 副腎皮質ホルモン プレマリン エストロゲン製剤
テグレトール 抗てんかん薬 テオドール 喘息治療薬
ザンタック 胃酸分泌抑制薬 ザイロリック 高尿酸血症治療薬
プロスタール 抗がん剤 プレタール 抗血液凝固薬
プロビタン 抗精神薬 フラビタン ビタミンB剤
メチコバール ビタミンB12剤 メルカゾール 抗甲状腺薬
トレドミン 抗精神薬 レンドルミン 抗精神薬
アレロック 抗アレルギー薬 アレリックス 利尿剤
アベロックス 抗生物質 アシロベック 抗ウィルス薬
カプトリル 高血圧治療薬 チーカプト 胃酸分泌抑制薬
フォリアミン ビタミン剤 フォリロミン 貧血治療薬
フォリアミン ビタミン剤 フォリクロン 胃腸機能調整薬
フォリアミン ビタミン剤 フォリメジン 胃腸機能調整薬
フォリアミン ビタミン剤 フォリロント 利尿剤
ウルソ 胆汁分泌薬 ウルソニン 利尿剤
マイスタン 抗てんかん薬 マイバスタン 高脂血症治療薬
フェロミア 貧血治療薬 フェロミック 下痢治療薬
エピナスチン 抗アレルギー薬 エピレナート 抗てんかん薬
トーワミン 高血圧治療薬 トーワラート 高血圧治療薬
ニザチジン 胃酸分泌抑制薬 チザニジン 筋弛緩薬
アルプラゾラム 抗精神薬 アルプレノール 高血圧治療薬
エノキサシン 抗生物質 エノシタビン 抗がん剤
アロチーム 高尿酸血症治療薬 アロチノール 高血圧治療薬
カルバン 高血圧治療薬 カルバマゼピン 抗てんかん薬
スルピリン 消炎鎮痛剤 スルピリド 胃腸機能調整薬/抗精神薬
メトリジン 昇圧剤 セチリジン 抗アレルギー薬
似た名前の医薬品は非常に多く存在しているのだカモ。しかも後発品の場合、「成分名」+「会社名」のように商品名がつけられているものも多く、さらに間違えやすくなってしまっているのだカモ。

一昔と違い薬剤師さんには、より高い注意力が必要になっているのだカモ。

間違えないためにできる工夫とは?

カセッターの位置を工夫しましょう。

みなさんが勤める薬局では、カセッターはアイウエオ順に並んでいますでしょうか。すべての医薬品をアイウエオ順でならべることで、誰でも簡単にすぐにピッキングしたい医薬品を探し出すことができます。

特に勤務歴が短い人にとってはわかりやすくて良いと思います。しかし、その反面、似たような名前の医薬品が前後や左右に並んでしまいますので、ピッキングミスを誘発してしまいます。

したがって、オススメしたい方法としては、疾患や部位ごとにカセッターをまとめてはどうでしょうか。
例えば、糖尿病治療薬、抗てんかん薬、胃腸関係などのようにある程度の大きな範囲でまとめる方法です。

これを行うことで、疾患と医薬品を紐付けすることができ、簡単に知識を習得することができます。

また、万が一、患者さんに間違った医薬品が渡ってしまった場合でも、同じような効果であるため、健康被害の発生及び程度が少なくて済むというメリットもあります。

もちろん、調剤ミスしても問題ないといっているわけではありません。

カセッターに注意シールを貼りましょう。

実践されている薬局も多いと思いますが、似た名前がある場合は、それがすぐにわかるように目印となる注意シールを貼りましょう。

できるだけ目につきやすい色(原色など)を採用すると良いと思います。原色とすることで、目に飛び込んできますので、非常に有用です。

間違った医薬品のカセッターへの返却は、まとまった時間に行いましょう。

ピッキングミスの原因で意外と多いものとして、そのカセッターに間違った医薬品が入っているということがあります。

カッセターの医薬品を取った際にその医薬品自体をよく見ずに、処方箋を見て次の医薬品のことを考えながら、計数し輪ゴム止めをするということがよくあります。

この方法は非常に効率がよいので、よく行われていると思います。

しかし、確かにそのカセッターからとったはずなのに、調剤した覚えのない医薬品が、カゴに入っているという経験をお持ちの方は多いと思います。

この原因は、カセッターに間違った医薬品が混入していたためと考えられます。

これを防止する方法は、医薬品補充時や間違えてピッキングした医薬品をカセッターに返却する際に注意するしか方法はありません。忙しい時間にそれを行うことで間違うリスクが高まってしまいます。したがって、医薬品補充や医薬品を返却する際には、比較的薬局業務が落ち着き、まとまった時間に行うことが良いです。

誰でもそうだが、忙しいときに行うとミスをする確率は高くなるものだカモ。さらなるミスを生まないためにも、落ち着いた時間にやることが良いと思うのだカモ。

また、ピッキングミスをした医薬品を、1つのカゴにいれてとりあえず保管しておくことが良いと思うのだカモ。

まとめ

調剤ミスを防止する方法はこれら以外にもたくさんあり、いろいろ工夫を凝らされていると思います。しかし、どれだけ工夫を凝らしても調剤ミスは起こりえてしまいます。

なぜなら調剤は人間が行うため、いくらかの人為的なミスは発生してしまいます。

調剤ミスを起こさないために大事なことは、調剤ミスをしないという意識を各人がもつこと、そしてその意識を薬局全体で共有することではないでしょうか。