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CRA未経験の薬剤師はCRAに転職できるか?

CRAをめざすためには仕事内容を理解しておきましょう

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CRAとは開発部の職種の一つです。治験は日米欧が合意した方法により行います。この合意をGCP(Good Clinical Practice)と呼びます。GCPにしたがって、日本特有の手続きなどを定めたものが「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」です。

この省令ではCRAはモニターと呼んでいます。モニターの行う仕事はモニタリングと呼び「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」では

「治験等が適正に行われることを確保するため、治験依頼者若しくは自ら治験を実施する者又は製造販売後臨床試験依頼者より指名されたモニターが、治験等の進行状況を調査し、本基準並びに治験実施計画書(又は製造販売後臨床試験実施計画書)及び手順書にしたがって実施、記録及び報告されていることを保証する活動である。」

と定義しています。

CRAの仕事内容

具体的には治験実施施設の契約などの開始準備作業、治験実施中の重篤な有害事象発生時の期限までのデータ回収、担当施設における治験の進行管理、治験報告書のデータが原資料(カルテの記載など)を正確に記入しているかのチェック(SDV:Source Date Verification)を行い、治験の終了のために必要な手続きをすることになります。

専門性が必要なのは重篤な副作用発生時のデータ回収、担当施設における治験の進行管理です。重篤な有害事象については、治験担当医師が見逃していても、データ回収が終わったときに報告しても、特にGCP違反にはなりませんが、モニタリングに対する意識が低い治験と厚生労働省が審査の段階で質問が出る場合があります。

症例登録があった場合には検査時期ごとにモニタリングを行うことになります。また、症例報告書に治験担当医師が記載した内容に関して、妥当性を議論する場合があります。腎臓の薬の場合に動物試験から第1相試験までは血小板低下の報告がなかった場合で、血小板低下が発生した場合に腎生検の針刺し事故の可能性を議論できるかです。(これは実話です。)

CARの年収

CRAの年収は、およそ400万円から500万円となっています。製薬会社の場合には収入は景気にあまり左右されません。治験を始めてから薬価収載になるまでは10年かかることから、開発業務は先行投資です。そのため、優秀であれば30歳代で1000万円を超えることも可能です。

CARの仕事量とやりがい

仕事量は治験の開始時、終了時は書類作成業務が立て込みます。ただし、このような作業専用の事務を導入している製薬会社もあります。原則土日は休みです。ただし、治験担当医師との面談時間は、治験担当医師の忙しさが左右します。

最近では治験を行うことが治験担当医師にとっては実績と認めることが多くなり、かなり自由になるようになってきました。しかし、外来日では外来終わりといっても、科によっては昼過ぎの場合もあれば午後3時を回る場合もあります。

重篤な有害事象が発生する薬剤では、担当施設から自分宛にすぐ連絡がつくように会社が支給した携帯電話の番号を関係者に公開する必要があります。死亡例の場合にはその連絡があった場合にはすぐに施設を訪問する必要があります。

薬剤の効果を直に感じることができるというやりがいがあります。予後6か月の患者さんが治験薬の投与によって3年以上生存したときには一種の感動を覚えます。

CRAを希望する場合の面接で気をつけること

前職で何をやっており、CRAをなぜ希望したかを理路整然と述べることが必要です。また、質問に関しては、質問の内容を確認してから答えるスキルも必要です。

治験担当医師の質問に関して、質問内容を正確に理解し、自分が答えることのできないものは、すぐに関連部署に連絡して答えるのが必要か、次回の宿題としていいのかをどの程度できるのかどうかを見ているからです。

また、モニタリングを行うのは治験担当医師が多くなりますので、敬語やビジネスマナーが身についているかは面接時にチェックを受けます。

CRAの仕事上の特色

仕事の報告書(モニタリング記録)は新薬申請の場合に原資料としてチェックを受ける場合があります。そのため、報告書は当日、遅くとも翌日までに作成する必要があります。

多くの製薬会社では治験管理システムを導入しています。文書でだらだら書く必要がなく、選択肢を選べば報告書が出来上がりますが、問題がある場合には文章を書く必要があります。

そのため、ノートパソコンを持ち歩く必要があります。スーツが基本ですが、内勤の場合にはカジュアルな服装を認めている場合もあります。

製薬会社が求めるCRAの求人像

CRAの求人は現在のところ増加傾向にあります。また、CRAの仕事のうち事務(治験実施施設への申請書の作成、提出、治験届の提出と作成、治験終了記録の作成、提出)と情報収集について分ける方向にあります。

また、製薬会社は常に新薬を治験に持って行くことができない場合も存在することから、CRAに余剰が出る場合があるので、CRA業務をアウトソーシングする場合もあります。

未経験でもすぐに仕事ができるのは事務の仕事です。治験実施施設により様式の差はありますが、内容に関してはGCPの規定があります。

情報伝達に関しては薬剤師の知識が役に立つので、未経験でもCRAとして転職できる可能性はあります。製薬会社は教育に力を入れています。時期的には3、4月の転職であれば新人の研修で必要なものをピックアップして受講するように指示が出ます。この場合には研修費用に関して新人研修の人材と費用でまかなえることから、製薬会社はメリットがあります。

実際の仕事でCRAが不足になった場合には、未経験者が採用される場合がありますが、すぐに現場に出されることから、経験不足が目立ってしまいます。

まとめ

薬剤師が製薬会社のCRAに転職を希望するためには、まずCRAの仕事の内容を理解してください。

CRAは製薬会社と治験担当医師をつなぐ窓口になります。つまり、担当医師にとっては製薬会社を背負ってモニタリングに来ているという意識があります。そのため、仕事がうまく行けば昇進,が早い職種です。

調剤薬剤師の場合は薬剤に関する知識があるので、CRAが未経験でも、比較的早めに仕事を任されることがあります。しかし、それは入り口の広さだけです。疾患を早期に治す、命を救う仕事であることにやりがいを見いだすことのできる人が昇進、昇給していきます。