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マスクをかけて説明する薬剤師をどう思いますか?

医療従事者はマスクをすることが推進されています。それは患者さんと話をすることで病気がうつることを回避することです。しかし、薬剤師さんが説明するときにマスクをしているとどう感じるでしょう。

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厚生労働省の「個人、家庭及び地域における新型インフルエンザ対策ガイドライン」では感染していない人のマスク着用は科学的根拠がないことを明らかにしております。

そのなかで咳を直接浴びないようにするなど距離を置く方が感染する可能性が少ないことが明らかになっています。

病院における医療従事者のマスク着用に関するガイドラインでは、飛沫予防策が必要な感染症をもつ患者と接する場合には医療従事者はマスクを着用するべきといわれています。

マスクをしていることで人へ与える影響を調査

慶應医科大学では薬剤師さんが服薬指導をする際にマスクをしているとどのような影響を受けるかを検討しています。2013年の論文と2015年の日本薬学会第136回ポスターの内容を概説します。

文献では服薬指導時にマスクをしているかどうかでの印象の変化、薬学会の報告では普通のマスクと口元が見える透明タイプの人とどちらに相談しやすいかどうかを調べました。

服薬指導時の印象は説明する人によって違うカモ

人による印象のバイアス(統計を行うときに、想定していない影響を与える因子をいいます)を除くために、服薬指導は影像で行いました。マスクをしているのを影像a、そうでないのを影像bとしました。

実験方法は影像aを見た後質問表に記入し、その後影像bを見た後にまた同じ内容の質問表に回答しています。(統計的にいうと、どちらを先に見るかは、ランダム化すべきでしたね、同じ内容を聞くのでバイアスが入るかもしれません)

質問表は尺度として、以下のように分類してまとめています。

  1. ポジティブな結果
  2. 否定的応答
  3. 秘密漏洩
  4. 自己評価の低下
  5. 問題の維持
  6. 自助努力による充実感

調査結果

結果としてマスクをつけていない場合には、ポジティブな結果や自己評価の低下(上昇)、問題の維持(質問が解決した)で優れているという結果が出ました。

マスクをしている場合には、自助努力による充実感(自分で色々調べて確認する気になった)が優れていました。

外の環境の指標では質問者の性別、年齢、マスク使用頻度、来局頻度等を検討すると年齢とマスクの使用頻度が影響を受けていました。

この試験方法は完全な二重盲検クロスオーバー比較法が可能であるのに、その方法がとられていません。考察にはそれを行わないと結論のエビデンスは低いものとなっています。

結論としてはマスクをしているときは服薬指導の際に積極的な問いかけが必要ということです。

口元が見えるマスクで調査した場合にはどのように変化するのか?

では普通のマスクの代わりに口元が見えるようなマスクではどうかを検討したのが日本薬学会での報告です。口元が見えれば相談しやすくなるのではないかという仮説の元ほぼ同じ実験を行ったものです。

今回は服薬指導ではなく、OTC薬剤についてその薬剤師に相談しやすいかという質問表になっています。

結果としては、表情がつかみやすい口元が見えるようなマスクが信頼できるという結果となりました。特に聴覚障害者の場合には口元が見えなければ質問できないという問題があることから、口元がみえるマスクが推奨されています。

マスクをする場合には口元が見える物の方がよい

最近は花粉症やインフルエンザのシーズンなどでは日本では特にマスクの着用が多くなっています。

しかし、普通のマスクをかけることは薬剤師に対してマイナスの印象をもつことがあるので、口元が見える形の透明マスクがよいようです。

透明マスクは特に飲食店ではすでに広く使用されていることから、医療関連者でも広がる可能性が高いと思われます。