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高齢者の微熱は危険。微熱だからって油断しないで!

高齢者は様々な要因で微熱を訴えます。各パターンについて解説します。

みなさんは、不意な微熱があった場合、どのように対応しますか?
「真っ先に病院に向かう」「そんなに高くなければロキソニンを飲んでおく」「放置する」など、若年者には様々な選択肢があり、どれも間違いではありません。

しかし、高齢者が微熱を訴えた場合、どのように対処するのがベストだと思いますか?

高齢者は、たくさんの薬を飲んでいる方が多いです。
年を重ねるにつれて、からだの色々なところが悪くなり、血圧の薬・コレステロールの薬・腰の痛みの薬…と増えていった結果です。

それだけ体の機能が、私たち若年者よりも弱っているのです。
そのため、私たちが無視してしまう程度の微熱だったとしても、思わぬ疾患を孕んでいることがあります。

特に、微熱が長く続く場合には要注意でしょう。
今回は、高齢者に対して気を付けてあげないといけない微熱のパターンについてご紹介いたします。

そもそも発熱とは?

「発熱はからだの中で悪い菌と戦っている証拠」だなんて幼いころ小児科医に言われたのを覚えていますが、実際その通りです。
風邪などでウイルスや菌などの外敵が体に侵入したとき、それらに対する防御反応として発熱が起こるわけです。

発熱は大変エネルギーを使うもので、エネルギーのある子供が高熱を出した場合はケロっとしていることが多いですが(小児科門前で勤務していた際は、38度でも走り回っている子がほとんどでした)大人が38度の熱を出すと、大変しんどいものです。

もちろんこれは高齢者にも当てはまることです。
私たち成人でもつらい38度の発熱は、高齢者には大変なことでしょう。

そもそも発熱するというエネルギーが少ない高齢者では、若い世代が高熱を出すケースだったとしても、熱すら上がらない可能性があります。
そうして現れるのが「よくわからない微熱」なのです。

高齢者の微熱が怖いという理由はここにあります。
本来は高熱を出さなければならないケースなのに、それが無いというのは恐ろしいことです。

高熱が出れば、たとえ子供でも大人でも高齢者でも真っ先に受診をしますが、微熱ではそうとも言い切れません。
高齢者の微熱は、普段から自身でも注意するよう伝えておきましょう。

「確かにおじいちゃんおばあちゃんが高熱ってあまり見ないカモ…。重い病気が隠れていたら心配カモ。」

「腰が痛い」「肩が痛い」おじいちゃんおばあちゃんに注意

冒頭でも述べた通り、高齢者はたくさんの種類の薬を服用していることがあります。

多くは微熱に関連の無いものですが、その中に腰の痛みの薬があったらどうでしょうか。

ロキソニンやカロナールは、解熱にも使用されている薬のため、発熱があったとしても、それらの服用によって熱を下げてしまいます。

もし解熱鎮痛薬を服用している高齢者が微熱を訴えた場合、その微熱は本当は高熱かもしれないという可能性を念頭においてください。

高熱の場合、気管支炎や肺炎の可能性も考えられます。
随伴症状についてしっかりと聞き取り、できる限り受診勧告をした方がよいケースと言えるでしょう。

「糖尿病の患者さんに血圧の薬のβブロッカーを使うと低血糖の症状をマスクしてしまうのと同じように、高齢者への解熱鎮痛薬は高熱をマスクしてしまう危険性があるのカモ。」

平熱や、他に症状が無いか聞き取ること

突然ですが、みなさんの平熱はどのくらいでしょうか?
36.5度前後が平均と言われますが、35度の方もいれば37度の方もいるでしょう。

高齢者においてもそれは同じで、「何度で微熱と言うか」という判断材料が必要です。
在宅などでフィジカルアセスメントを行える場合は、血圧などだけでなく必ず体温も測るようにしましょう。

平熱より+1度前後の場合は、微熱と言えるでしょう。
平熱を医療スタッフと患者さんで共有出来たらより良いですね。

また、微熱があった場合、他にどんな症状があるか聞いてみましょう。
咳の症状があれば肺炎など呼吸器系の疾患、下痢の症状があればノロウイルス、微熱程度の発熱でなかった場合にはインフルエンザ…など、他の症状から予測できる疾患が多くあります。

最近飲み始めた新しい薬が原因になることもあるため、服薬状況もしっかり確認しましょう。

「私は35.5度が平熱、母は36.5度が平熱。37度の熱でも、この2人では症状が違いそうカモ。」

認知機能の低下も伴ってわかりにくいので、高齢者の急性症状には注意!

高齢者の微熱は、意外な原因で起きていることが多くあります。

上記の原因に加えて、高齢者は認知機能が低下しているケースも多くあります。

そのため、発熱の原因や服薬状況で心当たりがあっても、覚えていないということもあり得ます。

そのため、いったいどんな治療をしているのかを客観的に理解するために、お薬手帳の携帯は大変大きな意味を持つと考えます。

ドラッグストアで買ったロキソニンでさえも記録してもらうよう、啓蒙活動をすべきでしょう。可能なら、覚えているうちに症状もメモしてもらうのがいちばんです。

微熱と言えども、抵抗力の弱っている高齢者からの必死のサインかもしれません。
普段から検温などを促し、異常があったらすぐに伝えるように指導していきましょう。

読んでいるウチに、最初は「記事の読者」という感覚でしたが、途中“介護・ケアをしている人に向けて”発信されていると感じました。
*どう直すという事ではなく、単なる感想です。