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カロナール細粒が品薄!インフルエンザの猛威に耐えられるのか?

品薄で入手しにくいカロナール細粒の現状と今後の見通しについて解説します。

※出典:東京デンタルショー2009

2017年10月現在、「カロナール細粒」「アスピリン原末」の品薄状態が続いていることについてご存知でしょうか。

特にカロナールの原薬は「アセトアミノフェン」という成分で、小児や妊婦に比較的安全に使用できる、解熱鎮痛薬のエースです。

カロナール細粒の他には、アンヒバ坐剤(アセトアミノフェン含有の坐薬)なども現在供給停止状態が継続しています。

この原因は、アセトアミノフェン・アスピリンの原薬メーカーの「山本化学工業」からのアセトアミノフェンの供給が停止していることです。

山本化学工業が製造についての公的手続きを怠ったため、原薬が出荷停止になってしまっている状況です。

今後、私たちが働く現場にも大きな影響をもたらすことが予想されます。

私たち薬剤師は、この状況をどのように乗り切ればいいのか、これからの時期特に需要が高まるカロナール細粒を中心に、解説します。

代替品は?日本のアセトアミノフェン製剤は山本化学工業以外の原末も使っている!

先ほど述べた通り、カロナール細粒の20%・50%などの原薬が山本化学工業から入荷しています。

しかし、カロナール錠各種や、カロナール坐剤、カロナールシロップは他の原薬メーカーからの入荷のため、供給は問題なく行えています。

錠剤・シロップ剤が服用可能のお子さんはカロナール200mgやカロナールシロップへ変更したり、アンヒバ坐剤を使用している施設はカロナール坐剤を検討したりと、打開策はいくらかありそうですね。

他のアセトアミノフェン製剤ではコカールが有名ですが、こちらも細粒は山本化学工業より原薬を入手しているため、今後は注意が必要です。

しかし、山本化学工業のアセトアミノフェン出荷停止を受けて、これらの製剤も品薄になる可能性はありますので、情報収集を継続して行いましょう。

普段使っていない製剤だと、製剤中のアセトアミノフェン量が異なってくる場合があるから、注意した方がいいカモ。

医師へ現状と在庫を伝えること

処方医は、備蓄用として安易に処方してくることがあります。普段は問題なかったとしても(保険適応上は大問題ですが)、今回のようなカロナールの品薄状態の際は大問題です。

小児科の門前薬局などにお勤めの方は特に、医師との情報共有が重要です。

「今回の騒動の原因(メーカーからの資料を持参するのが確実です)」「自施設に備蓄しているカロナールはどのくらいなのか」「このくらいの処方ペースだとどのくらい持つのか」を伝えましょう。

冬に向けて需要が高まることが予想されます。重い容態の子供が苦しまないように、軽症の子や保護者からの要請での処方には応じないよう、医師に申し出たほうが良いでしょう。

筆者の施設の近隣の開業医の先生は、普段カロナールやアンヒバを5回分ずつ処方していましたが、今回の事態を受けて3回分までに処方を抑えたり、解熱剤の処方自体が減りました。

不要な処方が多かったとは言いませんが、そこまで高熱でなければカロナールを使用する機会が無いことも見受けられます。

「本当にこの子にカロナールは必要か?」そう考えながら調剤を行いましょう。

本来は予防的な投薬には保険は使えないカモ。そこも覚えておいたほうがいいカモ。

患者さん宅に在庫を抱えていないか?

医師が必要以上に処方しているケースでよくあるのが、患者さん宅にカロナールの在庫がたくさんあることです。

特に熱がなくても、保護者から「もし熱が上がった時のために備蓄が欲しい!」という申し出があった場合、医師も「少しくらいなら」と出してしまうことがあります。

品薄状態の現状でのその行為は許せませんが、今まで処方された分が自宅に残っている可能性があります。

カロナールは体重で投与量を決めますので、かなり昔のものですと効果は期待できませんし、カロナール細粒の場合は品質にも問題が生じることがあります。

直近の体重変動を確認して、前回投与量と噛み合う場合は、アンヒバ坐薬くらいなら在庫を利用してもらう手段も考えましょう。

診察時に医師から在庫を聞いてもらうのがスムーズですので、現状の在庫を医師に伝えるタイミングで、お願いしてみるのがいいかもしれません。

小さいお子さんのいる家庭では、冷蔵庫にカロナール坐剤やアンヒバ坐剤を備蓄していることが多々あるカモ。

こういう時だけでなく、普段から坐剤の残薬について確認をしておいたほうがいいカモ。

供給再開の目処は立っています!

品薄状態が続き、現在は出荷規制がかかっているカロナールですが、山本化学工業の再稼働のめどが立っていますので、11月より順次供給が再開する見込みです。

今までと同程度の供給になるにはまだ時間がかかるかもしれませんが、市場からカロナール細粒が消える!なんていう事態は防げそうです。

しかし、供給のめどが立ったからと言って油断は禁物です。10月現在、すでにインフルエンザの患者さんがあらわれており、2017年度はインフルエンザのワクチン供給が間に合っていない状況です。

インフルエンザにかかった小児が解熱剤で使用できるのは、アセトアミノフェンのみです。

品薄の現状では、インフルエンザが猛威を振るった場合間に合わない可能性があります。

安定供給が行われるようになるまでは、上記の通りしっかりと対策を取り、業界全体で協力して、カロナールの節約を行いましょう。