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薬剤師が有給休暇を希望通りに使うために覚えておきたいこと

有給休暇は労働者の権利です。有給をしっかり使えるように、労働基準法と会社の立場の面から解説

働く人の権利としての有給休暇の取得。それは私たちのような薬局や病院に勤務する薬剤師も同じことです。みなさんは有給休暇を持て余さず消化できているでしょうか。

大変残念なことですが、薬剤師は人材不足という背景もあり薬局や病院の薬剤部はギリギリの人数で運営していることが多いです。

そのため有給休暇を申請しても、希望通りの日程が叶わなかったり、有給休暇が希望通り通っても休暇後冷ややかな目で見られることもあるでしょう。

「冠婚葬祭ではないけど、この日は前々からの予定がある。有給休暇を使いたい!」
そんなときのために、法律と有給申請に伴う会社の対応、有給休暇を取るコツなどについてお話させていただきます。

年次有給休暇について

労働基準法の第39条には次のようにあります。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

※参照 労働基準法の第39条

経営者は労働者に対して、所定の日数以上働いた場合それに応じた有給休暇を与えることが義務です。つまり有給休暇を取ることは後ろめたいことでも申し訳ないことでもなく私たち労働者の権利なのです。

また、同じ第39条5項には次のようにあります。

使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

※参照労働基準法の第39条5項

 

経営者は、基本的に労働者が望んだ時期に有給休暇を取らせてあげなければなりません。

しかし、その休暇が企業の機能を著しく妨げてしまう場合、「そのお休み、他の日にしてくださいませんか?お願いします。」と、別の日への変更をお願いすることができます。

つまり、経営者側は社員が有給休暇を使うことを却下することができないのカモ。

良く覚えておいたほうが良いカモ。

有給休暇を申請した従業員に対する会社側の応対

上記のように、経営者は社員が「有給を取りたい!」というお願いを拒むことはできません。

また、有給休暇を取得したということを理由にその社員の評価を下げることは、これも労働基準法第136条で禁止されています。

使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

※参照 労働基準法の第136条

また、有給休暇を取得する際理由を尋ねられることがありますが、これも伝えるのは義務ではありません。有給休暇であっても、休みは通常の休みと同じです。何をしようと社員の自由なのです。

したがって、有給休暇の取得の理由を原因に、経営者はその休暇を拒否できません。ただ、差しさわりのない理由ならば伝えてしまった方が角は立たないかと思います。

通院などの理由の場合は、その後の通院の際も有給休暇は取りやすくなるでしょう。

まだ会社に伝えていない転職活動などのプライベートな理由でお休みすることもあるカモ。

そんな時は無理に理由を言わなくていいカモ。

薬剤師がより有給休暇を取りやすくするために

薬剤師の主な職場は調剤薬局やドラッグストア、病院の薬剤部などです。

調剤薬局は処方箋の応需枚数によってギリギリの人数で運営していると、1人欠員が出ると致命的な人員不足に陥ることがあります。

ドラッグストア、病院も同様です。(調剤室を置いていないドラッグストアだと1人薬剤師の場合もあります!)

そういった理由で有給休暇の前例が少ない場合などは、繁忙期ではなく閑散期などに上司に尋ねてみると良いかもしれません。閑散期ならば人員が1人くらい減っても問題ないことが多いです。

また、同僚たちが有給休暇を取りやすいよう、例えば他の薬剤師が急な休みを取るときなどに嫌な顔をせず協力してあげることです。

そうしていくことで、自分が有給休暇を取る際の味方を作ることが出来ます。

それでも休みが取れないなら、転職も視野に入れましょう

それでも人員不足や経営者の方針で有給休暇がどうしても取れないのなら、転職することも視野に入れて欲しいと思います。

筆者は転職活動をした際に、有給休暇の取得率やその使い方(連休で使えるか、土日と組み合わせて大型連休も可能か、など)を重視して転職先を選定しました。

薬剤師は大変神経を使う仕事です。自分の休みが少ないことで業務の集中率が下がり、調剤ミスを起こすと周囲に多大な影響を及ぼします。

きちんと休みを取れる職場はたくさんありますので、エージェントやコンサルタントにその旨を伝え、きちんとした休みの制度を持っている会社へ転職することも選択肢に入れて欲しいと思います。

転職活動をするなら、有給休暇以外にも不満に思っていることがあればそれも伝えることをオススメするカモ。

コンサルタントさんはとても頑張って探してくれるカモ。

まとめ

いかがでしょうか。冒頭で述べた通り、有給休暇の取得は労働者の権利です。それは少数精鋭で働いている薬剤師でも同じことです。

土曜日に行われる子供の運動会への参加、平日の夕方までしか開いていない役所の窓口の利用や、平日は値段が安くて空いている宿泊施設の利用など、有給休暇を利用することで叶えることができることはたくさんあります。

有給休暇の取得は、私たちの生活をより豊かにします。有給休暇を使わせてもらえない、有給消化率の極端に低い職場の場合は転職を考えることも有効手です。

自分がしっかり有給休暇を使わせてもらえる職場であることはもちろん、同僚たちも気持ちよく有給休暇を取得できるようにお互い協力していきたいものですね。