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物流業界の給料、平均すると450万円前後の年収になることが多いカモ?


月給20万円でボーナスはあるの?から、年収1000万円超まで!

物流業界の給料

物流業界は、あまり目立たない業界です。大変大きな、世界的な大企業であっても、一般の人にはほとんど名前を知られていないことなどがよくあります。

その理由はひとつ。この業界にはBtoCを事業とする企業が少ないからです。代わりに物流業界に多いのは、BtoBを行う企業です。

BtoCとは、business to consumer (またはcustomer)を略した言葉です。「一般消費者を顧客とする事業」のこと。

一方、他の企業をお客様とする業態はBtoBと呼ばれます。business to businessです。物流業界には、このBtoBを主ななりわいとする企業が多いため、なかなか一般の人々に広く名前を知られるということがありません。

それでも、物流業界は、規模としては大変大きな業界です。そのため、表立っては目立たなくとも、会社は本当に数多く存在します。手がける仕事も色々で、企業の規模もさまざまです。

また、収入の面でも、社員の平均年収がびっくりするほど高いエリート(?)企業、そうでない企業、と、こちらもやはりさまざまです。

大きな変革期を迎えつつある物流業界の年収

ちなみに現在、物流業界は大きな変革期にあるといわれています。

主な要因はIT化、そして国際化です

単に「物を運ぶ」仕事を請け負うかたちから、クライアント(顧客企業)の物流を高度に戦略化させていく、コンサルタントのような役目を担う存在に、物流業界の各社は脱皮しようとしています。

そのためには人材が必要です

たとえば別の業界でIT戦略を担当してきた人、コストマネジメントを経験してきた人などが、それまで馴染みのなかった物流企業に請われ、転職の扉を開くということが、これからますます増えていく可能性が高まっています。

そこで、物流業界ではどのくらいの収入が望めるのか、この記事では、ざっとおさらいをしていきたいと思います。

特に注記や説明のある場合を除いて、非現業の従業員(すなわち総合職などのオフィスワーカーです)について、数字などを挙げているものと考えてください。

海運業界

海運業界

日本の海運業界といえば、日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社が、売上規模でシェアの大半を占めることがよく知られています。また、これら大手3社は、大変給料の高い会社であることでも有名です。

「東洋経済ONLINE」による、「平均年収が高い『トップ300社』ランキング」(2017年3月)によると、大手3社の数字はこうなっています。

日本郵船 1,050万円(従業員の平均年齢39.7歳)
商船三井 1,056万円(同39.6歳)
川崎汽船 945万円(同38.1歳)

※参照:平均年収が高い「トップ300社」ランキング | 就職四季報プラスワン

さらに、「準大手」などと紹介されることが多い、新日鉄住金系のNSユナイテッド海運も上記300社にランクインしており、842万円(同39.9歳)。

また、中堅ながら、不動産での事業下支えなどが注目されることの多い飯野海運は、956万円(同37.3歳)となっていす。ただし、後者は現業従業員のものが混じっている可能性もある数字です(その場合、比較的高額な船舶職員の収入が影響してくるはずです)。

ほかにも、海運業界には、一般に名前の知られていない会社がたくさんあります。さらに、自らは船を持たずに、海上輸送を中心にロジスティクス(物流の一元管理)を担う会社や、同じく荷主と船社との仲介を行う会社などもあります。いくつかの求人情報から、年収と職務内容の例を挙げてみましょう。(2017年7月調べ)

年収550万円(40歳の例) 配船、入出港手続きなど、海上輸送管理業務
年収500万円(入社3年目の例) 荷主への船社紹介、海上輸送プランの提案
年収480万円(31歳の例) 外航船の運航管理
年収400万円(業界経験者の転職採用時の例) 輸出時の海上輸送プランの提案

いかがでしょうか。これらは昨今、低収入とまではいえませんが、大手3社などとの差が大変大きいということはできるでしょう。

陸運業界

陸運業界

海運業界に比べると、陸運業界は、一般の人々により身近といえるでしょう。普段、われわれの多くが利用者のひとりとなっている宅配便事業者が、ここに含まれてくるからです。

とはいえ、下記を見て下さい。こうして主だった会社をざっと十数社並べてみただけで、やはり「知られざる名前が多い物流業界」と、いう感じはしてくるのではないでしょうか。以下は、ほぼ近年の売り上げ規模順です。

  • 日本通運
  • 日本郵政
  • ヤマトホールディングス
  • SGホールディングス(佐川急便)
  • 日立物流
  • セイノーホールディングス
  • 山九
  • センコー
  • 近鉄エクスプレス
  • 福山通運
  • 鴻池運輸
  • 日新
  • ニッコンホールディングス
  • SBSホールディングス
  • トナミホールディングス

なお、公益社団法人 全日本トラック協会が公表している全国のトラック運送事業者数は6万2千637(平成27年3月末)とのこと。つまり上記は、会社の規模はともかくとして、数の上ではひと握りというよりも、ほんの「ひとつまみ」といった方が正確な、ごくごく少数の顔ぶれです。

さて、そこで、さきほど海運業界のところで出てきた、東洋経済ONLINEの「平均年収が高い『トップ300社』ランキング」をひもといてみましょう。

すると、上記の顔ぶれのうち、同ランキングに社名を確認できるのは、山九(さんきゅう)1社のみ。平均年収は793万円(従業員の平均年齢39.7歳)となっています。ちなみに順位は286位です。

では、他の会社はどんな様子なのでしょうか。以下のような数字が近年のものとして挙がってきます。

ヤマトホールディングス 700万円台~800万円台
日本郵政 700万円台後半程度
近鉄エクスプレス 700万円台後半程度
日立物流 700万円台中盤程度
日本通運 600万円程度
センコー 500万円台中盤程度
鴻池運輸 500万円程度
福山通運 400万円台前半程度

このように見るとわかるとおり、東洋経済ONLINEのランキングに登場している山九は、一般にはまったくといっていいほど無名な会社ながら、従業員の給料面では陸運業界内においては図抜けた存在です。重量物やプラント設備の輸送、据え付けをトータルで手掛けるといった、特別な分野での強みを発揮していることがその要因のひとつといえるでしょう。(なお、それぞれの発信によっては、山九の従業員収入がもっと低く紹介されているケースも見られます)

次に、求人情報から、中堅・小規模の各社の数字を拾ってみます。(2017年7月調べ)

年収550万円(管理職の例)
年収520万円(35歳・総合職の例)
年収400万円(37歳・営業の例)
月給約19万2000円以上(事務職の例)

陸運業界での年収は、「中小の企業規模で400~500万円がボリュームゾーン」とする見方が多いのですが、おおむねそれを裏付けるものといっていいでしょう。

倉庫業界

倉庫業界

倉庫業界もまた、一般の人々の暮らしからは遠く、馴染みが薄いといえる業界です。営業倉庫に荷物を預けるニーズが、個人に生まれることは通常ほとんどないからです。ただし、2002年に「トランクルーム認定制度」がスタートして以降は、国土交通省への登録倉庫業者が、BtoB業界ならではのややイカつい(?)社名のまま、一般向けのトランクルーム事業を行なうようなケースも見られています。

ちなみに、倉庫業者が営む営業倉庫には、大きく分けて普通倉庫と冷蔵倉庫があります。通常は倉庫業というと、普通倉庫がイメージされますが、むしろ誰もが知る社名といえば、冷蔵倉庫業界の方に存在しています。同業界のトップ企業・ニチレイの名前は、スーパーなどの冷凍庫に並ぶ冷凍食品を通じて、一般に広く浸透しているといっていいでしょう。

なお、このニチレイのように、倉庫業界のプレイヤーについては、陸運業や港湾運送業、食品関連事業など、関係する他業界の仕事と重ね合わせての事業を営んでいるケースが多く見られます。

そのため、たとえば同じ「倉庫業界ランキング」であっても、一方の最上位辺りにランクされている「上組(かみぐみ)」が、別のランキングには見当たらないなど、誤解や混乱が生じやすい状況も見られます。ちなみにこの場合、後者は上組を倉庫業者ではなく、おそらくは港湾運送事業者として扱っているため、そのような違いが生まれてくるというわけです。

そんな上組も含め、倉庫業界のビッグネームとしては、おおむね以下のような企業が挙げられます。( )内に重要な“兼業”を記しました。

普通倉庫

  • 三菱倉庫
  • 住友倉庫
  • 三井倉庫ホールディングス
  • 上組(港湾運送)
  • 日新(国際物流)
  • 日本トランスシティ
  • 澁澤倉庫
  • ヤマタネ(米卸売)
  • 伊勢湾海運(港湾運送)
  • ケイヒン
  • 安田倉庫

冷蔵倉庫

  • ニチレイ(冷凍食品)
  • 横浜冷凍(食品卸売)

いくつかの会社の平均年収を挙げてみましょう。

三菱倉庫 700万円台後半程度
住友倉庫 700万円台前半程度
三井倉庫ホールディングス 700万円台前半程度
伊勢湾海運 700万円台前半程度
日本トランスシティ 600万円台後半程度
ニチレイ 600万円台後半程度
澁澤倉庫 600万円台前半程度
ケイヒン 500万円台後半程度
上組 500万円台前半程度

このように、陸運業界のビッグネームと比べると、わずかですが、高低にバラけた感じが少なく、一定水準への集まりのよい印象が得られます。

続けて、中小・地場クラスの倉庫業者の従業員収入を求人広告から拾ってみます。(2017年7月調べ)

年収580万円(入社6年目の例) 物流センターの運営管理
年収450万円(32歳の例) 物流管理
年収430万円(35歳の例) 総合職
月給23万円以上 倉庫管理
月給22万円以上 倉庫管理と営業

なお、広告の内容から想像されるこれらの仕事は、おそらくは倉庫と隣接するオフィスでの半現場勤務的な業務です。現場作業員やアルバイトの管理などを任されるシーンも多くなるポジションでしょう。

以上、物流業界の中核となっている3つの業界、「海運業界」、「陸運業界」、「倉庫業界」について、その主だった顔ぶれと、さらに中小の会社も併せての従業員の収入例を挙げてきました。

「港湾運送業界」と「航空貨物輸送業界」

航空業界

ちなみに、物流業界には、ほかにもその重要な部分を担うものとして、「港湾運送業界」と「航空貨物輸送業界」があります。

さらに、後者や海運業界に大きく絡んで、「フォワーダー」と呼ばれる、一般にはますます馴染みのない仕事をしている企業が多数存在しています。

このうち、港湾運送業界については、代表する会社のうちの2社が、さきほど倉庫業界のところに登場しています。「上組」と「伊勢湾海運」です。

また、航空貨物輸送業界の方では、国内においては「日本貨物航空(NCA)」、「ANA Cargo」、「JALカーゴサービス」といった名前が挙がりますが、実は、こうした貨物航空会社が顧客から直接、貨物の運送を請け負うということは、通常ありません。

航空貨物の場合、さきほど述べたフォワーダーが、一旦、各顧客からの注文を集めた上で、それらの運送を貨物航空会社にまとめて委託します。

なぜならば、航空貨物といえば、その多くは国際航空貨物ということになり、通関手続きなど、いわゆる貿易事務に関する手間や、国外の事業者とのやりとりなどがとても複雑です。

そのため顧客側としては、国際航空貨物については、フォワーダーにワンストップで扱いを任せてしまう方が、この際、圧倒的に便利というわけです。

また、同じ仕事を海上輸送で行う会社もあります

たとえば、この記事で最初にふれた海運業界のところで、「自らは船を持たずに~荷主と船社との仲介を行う会社」もある旨、紹介しましたが、こうした会社が各顧客から小口貨物を集めて大口貨物にした上で、船会社に運送を委託する場合、そのことすなわち海上輸送においてのフォワーダー業務であり、これを行なう会社は海上輸送におけるフォワーダーと呼ばれるべき事業者です。

ちなみに、航空貨物を扱うフォワーダーを「エア・フレイト・フォワーダー(Air Freight Forwarder)」、海上輸送を扱うフォワーダーを「NVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier・非船舶運航業者)」と、呼び分けることもあります。さらには、空・海、どちらも手がける会社も少なくはありません。

そして、実はこれらフォワーダーこそが、物流業界のもう一人の主役であり、しかも、陰の重要な主役です。そこで最後に、フォワーダーについての紹介を付け加えておきましょう。

フォワーダー

日本の大手フォワーダーとしては、以下のような会社が挙がります。

  • 日本通運
  • 近鉄エクスプレス
  • 郵船ロジスティクス
  • 阪急阪神エクスプレス
  • 西日本鉄道

これらは「フォワーダー大手5社」などと、よく括られます。このうち日本通運と近鉄エクスプレスについては、さきほどこの記事の中で、陸運業界の主要な会社のひとつとしても登場しています。つまり、手がける業務の関係から、2社は陸上運送の会社と見られることが多いということです。

また、郵船ロジスティクスは、やはりその業態から、よく倉庫業者と並んで、売上ランキングなどに名前が挙がります。

さらに西日本鉄道については、もちろん鉄道会社としての顔の方がよく知られており、同じく阪急阪神エクスプレスも、発足は航空代理店ながら、その社名から何か鉄道に関連する業務を行っているかのようなイメージが、一般には持たれがちであるのかもしれません。

すなわちフォワーダー業界は、こうしてトップ5社の社名を並べただけでも判るように、海運業界や陸運業界、倉庫業界にさらに増して、一般からはその存在が見えにくい業界です。

しかしながら、さきほどふれたように、通関業務をはじめ、煩雑な手続きが増える国際物流の場面においては、フォワーダーは欠かせないプレイヤーです。

その数はどのくらいになるかというと、フォワーダーの全国団体である「一般社団法人 国際フレイトフォワーダーズ協会」の正会員となっている企業をひもとくと、2017年7月現在、484社にのぼります。

その名簿を見ると、海運、陸運、倉庫、港湾運送…と、物流にかかわるあらゆる業界の大手・中堅企業、あるいはそれらの関連会社などが、一堂に集結しているといった様子です。

上記大手5社のうち、4社の平均年収です。

近鉄エクスプレス 700万円台後半程度
郵船ロジスティクス 700万円程度
日本通運 600万円程度
西日本鉄道 500万円台前半程度

さらに求人広告から、フォワーダー業務を行なうとするいくつかの会社のデータを拾ってみましょう。(2017年7月調べ)

年収530万円(入社8年目の例) 航空・海上・複合一貫輸送、さらに通関にかかわるデスクワーク
年収500万円(入社3年目の例) 海上輸送のフォワーダー業務
年収400万円(入社4年目の例) 地方空港を拠点とした、航空・海上輸送のフォワーダー業務

「物流業界の給料事情」について、巨大なこの業界を形づくっている、内部の各業界のデータなどをざっと採り上げ、紹介してみました。ぜひ参考にしてください。

物流業界についてカモとKで語ってみた

最後のフォワーダーっていう業態の存在、知らない人が本当に多いカモね。トラックを走らせたり、鉄道を運営したり、倉庫を貸したり、一見別々の仕事をしているようにも見える多くの企業が、実はフォワーダーとして、同じ大きな土俵の上にも立っている…、なかなか気づきにくいことだよね。

物流、中でもとりわけ国際物流においては、各輸送手段を組み合わせての複合一貫輸送や、それにともなう煩雑な手続きをひとつの窓口が引き受けることの合理性が大いに生きてきます。また顧客も、当然ながらにしてそれを求めます。なので、そのようなニーズに応えるために、ある程度成長した物流業者であれば、むしろ必然として、自らフォワーダーとしての能力を持たざるをえなくなるのではないでしょうか。

つまり、フォワーダーが必要とされるのは、大抵は国際物流の場面で、だよね。と、いうことはそこで仕事をするには、外国語を話せたり、メールに書いたりができなければいけないね。

そのとおりです。なのでフォワーダーの求人広告には、おおむね英語や、その他外国語の能力に関する条件が見られます。

う~ん。尻込みしちゃいそう…

ただし、現場からはこんな話もよく聞こえてきますよ。「外国語を流暢に話せたり書けたりできても実務能力に乏しい人、一方、外国語能力は乏しくても実務をちゃんとこなせる人、比べると、結局後者の人の方がのちのち結果が出せる」。特に、物流にかかわってのやりとりでは、外国語といっても、ある程度決まった文言を使うことが多いですからね。多くのケースでこれは事実といえるでしょう。

そうか。でも、そう聞かされてみると…その話って、英語や外国語の必要な多くの仕事でよくある話だよね。

そうですね。なのでこれって、人間の仕事の本質なのかもしれませんよ。仕事ができること、すなわち、「仕事を通して学んで成長できる」ということ。

事前の準備ばかりが完璧なこと、ではないのカモ!だね。