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ハローワークの職業訓練、転職に有利なの?意味ないの?


職業訓練の落伍者にならないための大事なヒント!

職業訓練

就職率アップのために国が設けている制度として転職のとき、ハローワークを利用する人は多いです。その目的はもちろん「転職先を探すため」ですし、「失業給付をもらうため」という人もいます。

この2つになることが多いのですが、加えてもうひとつ…

「職業訓練を受けるため」

に、ハローワークに足を運ぶ人も多いのです。

ここではそんな「ハローワークの職業訓練」に注目して解説していきます。

ただし、実はこの件、普通に制度の紹介からしていくと、途中でよくわからなくなってしまいがちです。とても複雑な制度になっています。

「ハローワークの職業訓練」って呼ぶこと自体、本当は的を射ていないんだ。ハローワークは主に窓口であって、訓練の実施機関じゃないからね

そこで、いきなりですが、あえてこんな話題から始めてみましょう。

ハローワークの職業訓練って、受けても無駄っていう人がたくさんいるけど本当なの?

職業訓練

本当なのでしょうか?ハローワークの職業訓練なんて、受けても無駄だって言う人が、実は多くいます。なんだかショックですね。なぜムダだと言われるのでしょうか?

具体例を挙げてみましょう。まずは、訓練を受けた人達からの声から。

「訓練校でプログラミングを習ったけど、とても実務では使い物にならないレベルだった。講師の質も低かった」

「受講し、資格を取ったけど、結局は経験者じゃないってことで、求人に応募しても相手にされなかった」

「若い人じゃないと訓練を受けても意味がない。年配者は結局、若い人に負けてしまい、企業に採用してもらえないから」

「講義中の私語が多いなど、訓練校自体がひどい環境だった。独学の方がマシだった」

「訓練校に通っていた分、無職の期間が伸びたため、むしろ応募先が心象を悪くしたようだ」

「ブラック企業を辞めて通ったのに、訓練校から就職を勧められたのがその会社だった。こんな会社を斡旋するのかと呆れた。当然断った」

う~ん…みんなのがっかりした気持ちが胸に響くね。
「職業訓練を受けたことで、かえって時間を無駄にした」。そんな理由で後悔している人が、どうやらたくさんいるようだ。

一方、求職者に教える側の人達からも、こんな声が聞こえてきています。

「スキルを身につけるのはいいけれど、それが自分に合っている仕事なのか、初めに考えたほうがいい。自分に合わない、やりたくもない仕事のスキルを中途半端に身につけても、就職後、続かないと思いますよ」

「ちゃんと現場で通用する技術を身につけてもらいたいので、訓練はキツいものにならざるをえない。ですが、そのため落伍者がたくさん出るのが現実です」

「そもそも、無料でスキルを身につけようなんて思っている自体、心構えとしてどうなんだろうか?」

「給付金の延長目当て、手当の受給目当てで、ただダラダラと受講している人もいるようです」

う~ん。こちらも手厳しい意見カモ。

訓練校にも色々とレベルの差があって、質の低いところや、質の低い講師がいるところも少なからずありますが、一方では、やる気のない受講者が、ダラダラとした態度で訓練校側を嘆かせているなんてことも、たくさんあるようです。

そういう事例が目に余ると、「タダでスキルを身につけようとする人なんて、どうせろくなもんじゃない」なんて考える講師も出てきて、訓練のレベルがどんどん下がっていく…、そんな悪循環にも陥りそうです。

さらには、自分の適性も振り返らずに、何でもいいからとにかくスキルをと、焦って受講。結果、訓練についていけない、たとえ就職できても長続きしない、なんていうケースも中にはあるようです。

受けてよかった!ハローワークの職業訓練

マイナス意見だけではありません、「ハローワークの職業訓練を受けてよかった。素晴らしい制度だ」っという人もたくさんいます。

それは、たとえばどんな理由からなのでしょう。

「講師の教え方が上手だった。業界をしっかり経験した人で、内容がとても実践的だった」

「クラスメートは全員失業した人。年齢も色々だった。でも雰囲気がよかった。友達もたくさん出来た」

「知識も経験も全くゼロの分野を学んだが、おかげで新しい道が拓けた」

「訓練中に多くの制作物を仕上げた。訓練校側からは就職の斡旋はなかったけれど、求職活動の際、それらの制作物を見てもらうことで、PRに役立てられた」

「訓練はキツかったので、落伍者は出たけれど、最後まで頑張った人はほとんどが就職できたと思う」

「就職してから現場で初めて学ぶこともたくさんあった。でも、訓練校で基礎を身につけていたので、新しいことも学びやすかった」

「タダで教えてもらい、給付までもらえて、その結果、就職も出来た。こんなにありがたい制度はありません」

どうでしょう。「ハローワークの職業訓練なんて受けても無駄だ」っという人がいる一方、「こんなにありがたい制度はない」と感謝している人もいます。

そして、後者の人達からはこんな声も。

「よい訓練校を選んで通うことが大事です」

「訓練分野によって就職率が違います。企業側の採用ニーズが高い分野を選ぶことが肝心です」

「自分に合う分野かどうかの見極めが大切です。訓練はハードで、脱落する人も多いからです」

「勉強したいことをまずしっかりと決めて、その分野の知識もある程度自分で仕入れておく。そんな風にやる気をアピールできる状態になってから、ハローワークの職員に相談するのがおすすめです」

以上、あなたはどう思いますか?

なんとなく判ってきたことがあるのではないでしょうか。ハローワークの職業訓練を就職のためにプラスに活かせるかどうかについては、結局のところ、訓練の向き・不向き、訓練校や講師などの運・不運もあります。

とはいえ、なるべく良い結果を出すためには、しっかりとした下調べや、積極的なアピール、自分の適性をしっかりと見つめ直してみることなどの努力も必要になります。

加えて、たとえ訓練がハードでもかじりついていく強い気持ち、つまり根性?そんなものも、必要になる場合もあります。

職業訓練否定派

「訓練校から紹介された就職先が、自分が辞めたブラック企業だった。呆れた」

肯定派

「訓練校から就職先の斡旋はなかったけど、訓練中の制作物が、就職の役に立った」

前者の否定派の人が、その時とてもがっかりした気持ちはわかりますが、そもそも訓練校は学校です。就職斡旋のための機関ではありません。そこを勘違いすると必要のない落胆をさせられる結果になってしまいます。

ハローワークの職業訓練で受けられる訓練メニュー

紹介した声の中にもあった「訓練分野」について。ハローワークの職業訓練で受けられる訓練メニューには、本当にさまざまなものがあります。

  • 溶接、板金などの金属加工関係
  • 電気機械、配線などの電気関係
  • 配管、型枠、内装、CADオペレーションなどの建築関係
  • マンション管理、清掃、警備などの建物管理関係
  • 介護などの生活支援関係
  • 簿記、医療事務、OAソフトなどの事務関係
  • WEB、アプリなどのITスキル関係
  • グラフィックデザイン、DTPなどのデザイン関係
  • ネイル、着付けなど、ファッション関係
  • 日本語講師
  • ペットトリマー
  • フラワーデザイン
  • 造園
  • 農業関連の仕事
  • 自動車整備

ただし、実際には地域によって、そうした状況はかなり違ってきます。その地域での求人ニーズが少ない分野の訓練校はない場合も多いです。東京・大阪など大都市の場合、本当にさまざまな訓練の中から、自分の将来をひらくカギを選べるようになっています。

そうした上で、なるべく早い就職に役立てるには、「求人ニーズが高いもの」を選ぶようにしましょう。ちゃんと訓練を続けられるようにするためには、経験のあるなしに関わらず、「自分に合ったもの」を心して選ぶことが大切です。

カモも昔3ヶ月ほど職業訓練校に通ったことがあるよ。朝から夕方までWEBデザイナーの勉強をしたカモ。今こうしてWEBサイトの運営に関わっているし、それまでは独学でしかやってこなかったことの基礎を学べたのでよかったと思うよ。

ただ一緒に訓練を受けていた人でWEBの仕事についた人は何人いるんだろう?
多分少ないと思うね。訓練内容はかなり基礎的なことだったのですぐに仕事に活かせるって感じではなかったよ。

感じ方は人それぞれだけどカモは通ってよかったと思ってるよ。

複雑な訓練制度の「あらまし」だけでも知っておきましょう

ハローワークの職業訓練が無駄かどうかについて、色々と話してきました。これらを踏まえた上で、「ハローワークの職業訓練」について、概要をおさらいしおきます。

まずは求職者、つまり「新卒・未就職の人ではない離職者」に対しては、2つの制度が用意されていることを覚えておきましょう。

離職者訓練

まず、そのひとつが「離職者訓練」だ。公共職業訓練といわれるもののうちのひとつだ。

  • 対象は、雇用保険の基本手当、すなわち「失業給付」を受給できる立場の人(あとで意味がわかるけど、ここポイントだよ)
  • 受講料は無料。ただしテキスト代等を実費負担する場合あり
  • 場所は、「公共職業能力開発施設」。あるいは委託先である「民間の教育訓練機関」(あとでもう少し細かくそれぞれを並べるよ)
  • 訓練期間はおおむね3ヶ月~1年
  • 受講申込みはハローワークを通じて行う。選考が行われる場合あり。受講決定となったら、ハローワークが正式に受講を斡旋
  • 失業給付をもらいながら訓練を受講できる。訓練期間が所定給付日数を超えた場合、原則、超えた日の分も受給できる(ここもポイントだ)

以上、細かいところは省いています。「離職者訓練」は失業給付をもらっている間、それである程度生活をまかない、使える時間を利用して、スキルを身につけて再就職に活かしてくださいという仕組みの制度になります。

求職者支援訓練

雇用保険への加入期間が足りないために、失業給付をもらえないって人の場合はどうなるのでしょうか?あるいは、失業給付の給付日数が過ぎても再就職できなかった人は?その時点で、「いまからスキルを身につけよう」と思っても、もう助けてはもらえないのでしょうか?
そこで、そんな人達を救うための制度が、2つ目の「求職者支援訓練」です。

雇用保険の加入期間が足りず、失業給付を受けられない人や、再就職できないでいるうちに失業給付の受給期間が終了してしまった人などのために、設けられている訓練制度です。

「求職者支援制度」と書かれていることも多いです。詳しくは、求職者支援制度の中心として、求職者支援訓練があるかたちです。

内容は下記のとおりです。

  • 無料で訓練を受講できる。ただしテキスト代等は実費負担の場合あり
  • 訓練期間は、2ヶ月から6ヶ月
  • 場所は認定を受けた「民間教育訓練機関」。つまり民間のスクールなど。
  • 訓練期間中、支給要件を満たせば、「月額10万円の職業訓練受講手当」などが支給される(ここポイントだ!色んな意味で)
  • 受講申込みはハローワークを通じて行う。訓練機関による選考に合格したのち、ハローワークから正式な指示を受けて受講を開始

ちなみに、この求職者支援訓練を受けるには、実はもっとこまごまとした要件がさまざまあります。

  • 転職を決心して会社を辞めた
  • 失業給付をもらいながら求職活動をした
  • 残念ながら転職先が見つからないまま失業給付の期間が終了してしまった

という、ある意味典型的なケースの場合は、これを救ってもらえるありがたい制度だと考えてください。しかも、月8万円以下の収入までならば、アルバイトなどをしながらの訓練受講も原則可能になっています。

8万円の収入可能枠と、月額10万円の職業訓練受講手当

「ああ、助かる…!」と、胸をなで下ろす人も多いでしょう。

もちろん、この制度には行政による施策にありがちな、色々と問題を指摘される部分もあったりはしますが、確かな職業能力を身につけて、真面目に社会に貢献しようと思っている人にとっては、心強い後押しであることには間違いありません。

2つの制度を希望の人はハローワークに相談しましょう

2つの制度については、ハローワークのウェブサイト、厚生労働省のウェブサイト、さらには「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」や都道府県のウェブサイトと見ていくと、なんとか全容を把握できますが、はっきり言って大変な作業です。

これらの制度を利用したいのならば、まずは、いま説明した2つの制度のあらましを頭に入れた上で、ハローワークの窓口に相談しましょう。もちろんその際は、自分はどんなスキルを身につけたいのか、なるべく明確にしておいた方が話が進みやすいです。

「この人、しっかりしていてやる気もあるし、制度の入口部分のこともある程度わかってくれている」となったら、ハローワークの職員も仕事を進めやすくなるカモ。

訓練は開始時期が決まっているので、すぐに始まる訓練に参加できるんじゃないかな。相談に行った後から考えていてはチャンスを逃しちゃうカモね

離職者訓練を行う公共職業能力開発施設一覧

  • 職業能力開発大学校(ポリテクカレッジ)
  • 職業能力開発短期大学校(同)
  • 職業能力開発校
  • 職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)

委託先

  • 大学や大学院
  • 専修学校や各種学校
  • 各NPO
  • 事業主団体など

さらに加えて、離職者訓練もしくは求職者支援訓練を行う、たくさんの民間の教育訓練機関、いわゆるスクールの数々も…!

たくさんの訓練があるのでハローワークの職員も、「職業訓練を受けたいんですが」と漠然とやって来られても、困ってしまうのが実情ということのようです。

自分に合わない訓練分野や質の低いスクールを選んでしまう不幸を避けるためにも、ハローワークの職員にこちらの真剣さを伝えることは大事です。

ハローワークの職業訓練、転職に有利かどうかを決めるのはあなた次第!

国が用意してくれている2つのありがたい制度、「離職者訓練」と「求職者支援訓練」ですが、だらしない人にとっては、単に失業給付の受給を引き伸ばしたり、同じ目的で手当の受給期間をつくったり、といったことにも利用しやすくなっています。

そのことを穿った目で見ている企業の立場からすると、ハローワークの職業訓練を受けた人はどう映るのでしょうか?

どうしても色眼鏡で見られしまいがちです。そこが、この制度の抱えている問題のひとつになります。「ハローワークの職業訓練なんか受けても無駄だ」と、声高に主張する人が出てくることにも繋がっています。

ハローワークの職業訓練は、あくまでスキルを身につけるためのものです。しかも、そのスキルはいわば入門編。初歩の段階のものが多くなります。

残念ながら就職を約束してくれる「就職駅行きの切符」というわけではありません。そこを踏まえて、まずは真面目に勉強、訓練に集中することが重要です。

そして、それを成し遂げたあと与えられるのは、「そのスキルが必要な仕事に就くことを希望できる」というステージまでです。厳しい話だです。しかし間違いなく一歩前進ではあります。「その仕事がしたい」と希望を表明するスキルまでは持てたわけなので。