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日本でのワーキングプアの現状と抜け出すための方法とは

ワーキングプアってよく聞くけど一体どんな状態?

「働く貧困層」とも言われるワーキングプア。何となくは分かるけど、ワーキングプア状態とは具体的にはどんな状態なのでしょうか。

また、そもそもなぜワーキングプアが問題になっているのでしょうか。そしてワーキングプアから抜け出すにはどうすれば良いのか。ここではワーキングプアの定義やその問題点などを考えてみたいと思います。

ワーキングプアのはじまりと日本の現状

ワーキングプアという概念が生まれたのは近代のアメリカでした。最も簡単に説明すると、仕事をしていながらも貧困から抜け出せない状態ということになりますが、これは経済的に発展した先進国の課題とも言うことができます。

それは、貧困ではないという存在の人たちがある程度存在することに対するものだからです。

国民の多くが貧困という発展途上国の場合では、ほとんどの人がワーキングプアということになってしまい、国内で問題視されるものではないからです。そのために、国によってワーキングプアの基準は違うということができそうです。

日本のワーキングプア

日本でワーキングプアがはじめて注目されたのは、戦後の高度成長期を迎えている最中のことでした。生活保護の基準以下で生活している人たちが一定数存在しているということが明らかになったことに始まります。

しかしこの頃は、頑張れば皆豊かになることができると信じられていた時代。サラリーマンの場合には終身雇用が前提でした。

それから数十年が経ち、現在ではワーキングプアの問題は認識されていますが、国としは、ワーキングプアのような存在は認めつつも、基準は曖昧にしているという態度のようです。

ワーキングプアの基準

ただ、一般的には年収200万円以下と考える見方が多いようです。これは「健康で文化的な最低限度の生活」を保障した生活保護と同程度の基準によるものですが、年収200万円を多少上回ったところで暮らし向きは最低限とされる生活保護と同じようなものではないでしょうか。

本格的にワーキングプアが問題視され始めるのは1990年代以降です。バブル以降の長期化した不景気や、労働市場の国際化によって働き方が大きく変わってきたことによります。その大きな変化とは労働の規制緩和と自由化による非正規雇用の拡大です。

この流れに乗って企業は正規雇用での採用を絞り、人件費削減や人員の調整がしやすいパートやアルバイト、有期契約の契約社員、派遣社員などの割合を増やします。アウトソーシングの拡大も要因となるでしょう。

以前は非正規雇用の担い手は学生や主婦などが中心。正規雇用を希望するものの、職を得ることができないためにやむを得ず非正規雇用の状態で仕事を続ける人が増えてきたのカモ

ワーキングプアの問題点とは

非正規雇用では時給による賃金体系の仕事も多くあります。週5日、フルタイムと同じだけの時間数の仕事をしても生活保護の基準に届くかどうかというぐらいの収入で生活をしているという状態です。

生活保護の基準であっても、あくまで「最低限度」の生活であるためにほとんど余裕というものはありません。将来に向けての貯金や、ローンを組でも住宅や自動車など大きな買い物は当然できません。生活を維持するのが精いっぱいという状況ではないでしょうか。

まず、こういった状態が長く続きやすいという所にあります。非正規雇用で仕事を続けることができる期間は短期間であり、また正規雇用に比べて遥かに低額な賃金で仕事をせざるを得ない状況です。

ギリギリの生活のため、生活を維持するためにすぐに次の仕事を探すという状況が続いてしまいます。自分のキャリアを築くための資格取得や学業を考えることは難しいカモ

ワーキングプアから抜け出すには

当然、働く人にとってはこの状態から早く抜け出したいと思いますが、うまくいきません。

なぜなら、正規雇用の採用基準は高いレベルのものを求められ、残念ながら非正規雇用で仕事をしていたという点はほとんど評価がされないからです。

却ってマイナスに捉えられてしまうこともあります。さらにこの状態が長く続けば続くほど、年齢が上がれば上がるほど、不利になっていくのです。

この状態を一人だけで抜け出すことは困難です。そのために有効なのは、その道のプロに相談すること。具体的にはハローワークなどの公的機関や、転職エージェントの利用などです。

一人だけの転職活動で限界を感じたら、専門家の見地から今後のプランを考えてもらうことができます。

中長期的視点からキャリア形成を考えた上での仕事探しや、職業訓練などを通して正規雇用として通用するスキルを身に着けるなど、転職活動の支援をしてもらえるカモ

誰もがワーキングプアになる可能性を持っている

今はワーキングプアではない人にとっても決して他人事とは言えません。転職をきっかけに、ワーキングプア状態に転落してしまう人もいるからです。

例えば、転職活動先でうまくいなかった、条件などが思っていたのとは違っていたなどの理由で、早期に離職してしまうことです。その結果、生活のためにとりあえずの非正規雇用となり、その状態が長く続いてしまうというようなケースです。

明治時代に活躍した詩人、石川啄木は「はたらけどはたらけど なほわが生活楽にならざり」と詠んでいますが、ワーキングプアの状態とはまさにこのような感覚ではないでしょうか。

「仕事があるだけ失業しているよりは良いのでは」と考えたくもなりますが、続けていくにはあまりにも辛いもの。抜け出すための方法を考えるところから始めてみましょう。