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入居者の暴力の現状!認知症の中核症状が起こす原因や現場介護士が行うべき最善対策法

入居者が引き起こす暴力は介護士の離職や虐待を引き起こす原因のひとつ。暴力を引き起こす原因と入居者と介護士が安心・安全に過ごせるための対策法をご紹介します

中核症状

介護士が入居者に虐待をして死亡させたという事件はここ最近ニュースでも取り上げられていますね。では、その逆である“入居者が介護士に暴力を振るう”ことはどうでしょう?

実は、介護士が入居者に暴力を振るわれて被害に合うケースは、統計で98%の方が経験しているのです。でも介護士は立場上、声を挙げて訴えることのできない現状があります。

例えば、2015年に起きた川崎市の有料老人ホームで、入居者3人が相次いで不審死をして、元職員が逮捕されました。また2016年神奈川県では、障がい者施設に入居する20数名が元職員に殺害される凶悪事件が起きています。このような凶悪犯罪は極端な例ですが、“介護士が入居者に虐待する”と、このように大きく報道されますね。

しかし、介護士が入居者に暴力や暴言を振るわれている現状は、意外と世の中に知られていないのかもしれません。しかしこのようなケースを放ってしまえば、虐待問題や凶悪事件に繋がるのです。

そこで今回は、入居者からの暴力に悩む生の声、入居者が暴力を振るう原因やどのような時に暴力が引き起こされるのか?そして、私たちが出来る最善の対策法などをご紹介します。

入居者の暴力はどのようなものがあるの?

入居者の暴力はどのようなものがあるのでしょうか?まずはその現場の声を聞いてください。

介護職員をして7年の男性です。

重たい入居者を抱えるのが男性職員の仕事ですが、その入居者からの男性職員に対する言葉の暴力はすさまじいものでした。“男じゃなくて女をつれてこい”“お前の顔をみると腹が立つ・クビだ”…施設側も家族や入居者第一で誰も僕のことを気にかけてくれませんでした。

介護職員の女性です。

男性入居者のセクハラがとても辛いです。入浴介助のときに陰部を見せつけてきたり、無理やり手を当てようとしたり、気持ち悪いです。介護士をしていて、なんでこんな目に合わなければならいのか…。施設の同僚たちも同じような被害にあっています。女性介護職員が不憫でなりません。

認知症入居者の介護拒否が大変で辛いです。

トイレ介助のときに必ず拒否され、爪でひっかかれます。時には噛まれたり叩かれたり。腕には生傷が絶えません。私たちはその人のために行っているのに、もう心が折れそうです。

このように、現場介護士からの悲痛な叫びは思わず目を背けてしまいたくなります。では、入居者がなぜ暴力をふるってしまうのでしょうか。その原因をまとめました。

高齢者が問題行動を引き起こす原因のひとつ“認知症”について

高齢になると、脳の認知機能が徐々に低下してしまいます。これが認知症を引き起こす原因です。認知症が進行すると、次のような中核症状が現れます。

  1. 記憶障害(昔のことや直前に起きた出来事を忘れてしまう)
  2. 見当識障害(日時・場所、自分の状況が分からない、周りの人と自分の関係性が分からない)
  3. 判断力の低下(良い・悪いが判断できない、物事を達成できない)

これらは認知症患者に必ず現れる症状です。このような症状が悪化してしまうと、暴力や暴言に発展してしまう恐れがあります。

認知症高齢者は中核症状の影響で常に不安を抱えているカモ。その “不安”が爆発して、介護士への暴力・暴言につながってしまう現状があるカモ。

入居者はどのような時に暴力をふるうのか?

入居者はどのような時に暴力をふるうのでしょうか?その原因は、“感情コントロールができない”ことです。

例えば、自分がしようと思ったことに対し、介護士が止めたとしましょう。
通常はカッとなっても、“暴力は振るってはいけない”“自分の意見を聞いてもらおう”と考え、うまく自分の意見を伝えてその場をクリアしますよね。

しかし認知症になると、相手にどのように自分の想いを伝えていいか分からなくなります。とっさの感情が爆発し、介護士へ暴力や暴言を吐いてしまうのです。

また、施設は団体生活です。どうしても生活の範囲が狭くなってしまい、自分の思う様にいかないことが多々あります。それに対してストレスが溜まり、認知症云々関係なく介護士に向かって一方的に暴力・暴言を振るってしまうことがあります。

介護士は、このような高齢者の状況を理解し、プロとして適切な対応をすることが望まれます。しかし入居者の暴力を見過ごす環境が、介護士を追い詰めているのです。

入居者の暴力に耐えきれなくて、退職や虐待などの最悪なケースに発展していることがあるカモ。

対処法は何かある?未然に防ぐ事はできる?

では、私たちが入居者から暴力・暴言などを受けたとき、どのように対応することがベストなのでしょうか?次にまとめてお伝えします。

入居者から離れて応援を呼ぶ

暴力・暴言をはく入居者は興奮しています。必死でなだめても態度が悪化してしまうので、いったんその場から離れて距離を置きましょう。

このとき、一人で解決しようとせず、他の職員に応援を呼び対応してください。他の職員の一声で気持ちが変わり、その場が収まることもあります。そして、暴れる入居者に気をとられ、他の入居者の見守りが手薄にならないように職員同士で上手に連携を図りましょう。

体調不良ではないか?

急に機嫌が悪くなった場合、体調不良の可能性があります。特に認知症高齢者は自分の体調不良をうまく人に伝えられず、態度に出てしまうことがあります。

落ち着いたときにバイタルチェック、排便チェック(便秘など引き起こしていないか?下痢などの症状があるか?)などを行い、施設看護師と連携を図りましょう。

関わり方について考えよう

どうして入居者が暴言・暴力をふるってしまうのか?立ち止まって考えてみることが必要です。

暴言・暴力は自分だけ?他の職員も受けているのか?

特定の介護士だけが暴力の対象になっており、原因が何も思いつかない場合は、“相性”の問題である可能性も。
「男性がいい、女性はダメ」など、性別で態度が分かれる入居者もいます。どのような対策を取るか、職員のフロアミーティングなどで意見交換をしましょう。

入居者に対して強引・威圧的な介護をしていないか?

忙しいことを理由に、入居者に声をかける前に身体に触れる等、強引に介護してはいないでしょうか?時間のスケジュールに追われる介護士の態度に、入居者は混乱してしまいます。
日中のスケジュールや職員の配置などを改めて考え、ゆとりのある対応を心がけましょう。

行き過ぎた問題行動は管理者・施設長に報告

施設内の暴力、暴言に関しては一人で抱え込まずに周りの職員に必ず報告しましょう。
理不尽な要求、行き過ぎた問題行動に関しては、管理者や施設長に報告し、悪質な事例だと判断した場合は家族に連絡・退去を勧告できます。

入居者の暴力はひとりで抱え込まないで相談を

入居者の暴力・暴言の原因は、認知症患者が引き起こす中核症状(記憶障害・見当識障害・判断力の低下)や、入居中のストレスなど様々な原因があることが分かりました。

認知症高齢者が引き起こしたことだとしても、私たちだってプロだって人間です。認知症のことを勉強し、理解したとしても、介護士の仕事を続けることが苦痛になって離職に繋がるケースが沢山あるのです。

まずは一人で抱え込まないでください。対応が間違えっていないのでしたら、あなたの能力のせいではありません。必ず周りの職員に相談して、指示を仰ぎましょう。

そして、施設側が介護職員に対して適切な対応を取ることが必要です。介護職員を大切にできない施設は、“入居者を大切にできない”施設です。
施設側の対応に納得がいかず悩んでいる方は、見切りをつけて転職を考えてみてもいいかもしれません。

“介護士転職エージェント”では、転職活動を応援しています。転職に関わるプロからのアドバイスで安心して転職活動をすることができます。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。