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ケアマネと病院の連携が強化がもたらすものとは?

平成30年度に厚労省が目指すケアマネと病院との連携強化のねらいとは?詳しく解説していきます

ケアマネと病院の連携

ケアマネと医療との連携強化とは

これまで3年ごとに厚生労働省が行っている介護保険の報酬改定。次回は平成30年度に行われる予定です。その改定でケアマネージャーと医療の連携を強化する方針が厚生労働省より提案されています。この提案は社会保障審議会で大筋で合意。今回はケアマネジャーと医療の連携が強化される背景と、そこから期待されることについてお話ししていきます。

ケアマネージャーと医療現場との連携のポイント

  • 平時だけでなく、入退院時にも迅速な対応が取れる体制作り
  • 主治医への情報提供を義務付けて連携がスムーズになるようにする
  • 在宅で過ごす末期がんなどの方への柔軟な対応を図る

これらがケアマネと医療現場を連携させる上で重要視される主なポイントとなります。今回の改定ではきちんと連携強化を実施している事業所には介護報酬の加算が行われます。このように評価が受けられる仕組みが整えられることから、それぞれの居宅支援事業所の運営基準もこの改訂と足並みをそろえて見直されます。

※参照:第152回社会保障審議会介護給付費分科会資料

ところで厚生労働省が介護保険の要である「ケアマネージャー」と医療との連携強化を目指す背景には何があるのかな?

ケアマネージャーと医療の連携強化の背景とは? 

平成24年では約462万人だった認知症患者の数は、団塊の世代が75歳以上に達する平成37年には約700万人にも。

※参照:内閣府「高齢者の健康・福祉」

しかし介護が必要な方に対応するための医療機関や物的資源、介護をする人や予算には限りがあります。そのため社会資源や予算の有効活用が強く求められています。

介護を必要とする人の増加に伴い、どこでどんな暮らしをしたいかというニーズも細分化されるようになりました。病院や施設ではなく地域で暮らしたいご利用者の増加がそのひとつです。

こうした社会の変化もあり入院しても出来るだけ早く社会復帰し、地域で暮らしていける社会作りを国は考えています。そんな社会を支えるための医療と介護の基盤作りが急務となったのです。

※参照:地域における医療・介護の連携強化に関する「調査研究事業報告書」

厚生労働省はこのような背景の元、どのように介護保険を改定しようとしているのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

厚生労働省が提案した改定内容とは?

改正案

平時だけでなく、入院、退院それぞれの場面での迅速な対応を目指す

平時

作成したケアプランをかかりつけ医へ提出します。これによりご利用者の今後の変化について医療からの意見をケアプランが作成や変更時に反映できるようになります。また必要に応じて医療へ相談したり助言を求めることができる仕組みつくりの検討もされています。

入院時

ケアマネージャーには入院後3日以内に情報提供を行うことが義務付けられます。これまでもケアマネージャーによる情報提供はなされていましたが、医療機関を訪問することが求められていました。

それが改定後は訪問するかどうかは問われなくなります。そこにはより迅速な情報提供を促すねらいがあります。また医療機関側が居宅事業所やケアマネの名前、連絡先を把握出来るようにすることも大切です。

そのためにケアマネージャーの情報をご利用者やその家族が医療機関側に伝えるよう依頼することが義務化されます。

退院時

ケアマネージャーと医療機関が連携する回数が重視されます。医師だけでなく、理学療法士といったリハビリなどによる他職種との会議が高く評価されるように変わります。そのために退院時の加算を受けるための書式に医療や看護、リハビリからの意見が入れられるように様式も見直しされます。

またそれぞれケアマネージャーの業務内容が異なるとして、初回加算と、退院時の加算は別のものとして同時に算定できるようにようになります。

末期がんなどの方への対応

1ヶ月以内に日常生活を送る上で障害を起こると主治医が判断した場合はサービス担当者会議の開催を不要として、スピーディな対応が行えるようにします。ターミナル期のご利用者への頻回なモニタリングや、他職種との情報共有へは加算を行うことでケア内容の充実を図ります。

ただこれらの内容は未だ全体の方向性は調整中となっており、平成29年内には方針が決定される予定となっています。

今後予想されるご利用者の増加やニーズの多様化。ケアマネと医療の連携はそのための有効打のひとつとなるカモ。現場の声はどうかな?

介護保険がやっと現場に追いついた?

現役介護士の声

介護、特に訪問介護をしていると「明日10時退院。12時から担当者会議。15時からケア開始」のようなケースに出会うことがあります。「え?明日?なんでもう少し早く言ってくれないの?!」と現場としては思いますが、準備するしかありません。

ここに至るまで医療現場とケアマネにどんなやり取りがあったのかがわからないことも…。あれこれ手配してやっとケアが提供できる体制を整ったと思ったら「体調が悪化して退院が延期になりました。退院時期は未定です」とケアマネージャーから一報が…

すでに在宅介護の場面には末期がんの方はもちろん、呼吸器を必要としていたり難病認定を受けているご利用者もいらっしゃいます。訪問看護や主治医、リハビリなどの他職種との連携なくしては介護サービスの提供は行えない現実がそこにあります。ケアマネージャーと医療現場が連携することで、介護もよりスムーズに提供されるようになると良いのですが。

今回のケアマネージャーと病院との連携強化はそんな現場の現実を後追いしていると感じるのは言い過ぎでしょうか。まさに、事実は小説よりも奇なりカモ。