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介護士が妊娠した時に直面する問題について

妊娠した時に産休は取れるのか、いつ報告しいつまで続けるのかお勧めするタイミングを解説

介護士の妊娠、仕事は続けられる?

介護士が妊娠した場合、いつ報告をするのがいいのかな?産休は取れるのかな?

大切な事カモ…それに、産休を取れると仮定した場合は、いつまで続けるのかという問題もあるカモ。

妊娠した介護士が直面する最初の問題。実は、産休を取った場合と取らずに退職した場合では、色々な事が随分とかわってきます。

妊娠についていつ報告するか

おすすめする妊娠報告のタイミングは…

医師から妊娠している旨を告げられて、「妊娠しているかもしれない」という疑いが「妊娠した」という確定に変わった日の次の出勤日です。

もう少し細かく言うと、始業時刻よりも少し早めに出勤して、上司は勿論ですが同僚にも知らせておく事をお勧めします。

なぜ早めの報告が大切なのか

介護士として勤務していて妊娠が分かったらできるだけ早く、職場の上司と同僚に報告するこいが一番です。
その理由は…

  • 妊娠初期の段階で無理する事で早産や流産の可能性がある為
  • 妊娠中の体調は個人差がある為
  • 急な体調不良などに対応する為

私の知人に「年齢的にも恥ずかしいから少しの間(2カ月くらい)言わなかった」という人もいますが、これはお勧めできません。勧められないというよりも、妊娠の事実を秘しておく事に関して全力で止めたいくらいです。

その理由は介護職員の業務内容にもあります。介護職員は移乗や入浴の介助をしなければなりません。

まず移乗の介助ですが、介護職員の職業病である腰痛の原因になっていますね。腰痛になるという事は、適切ではない体勢で無理な負荷が掛かっている証拠ですが、腹部にもひねったり圧力が掛かります。

大柄な男性を介助する場合は特に注意が必要カモ

そして、入浴介助は移乗を伴う事と、足場が滑りやすい事が理由です。ただでさえ足場が濡れて滑りやすいのに、移乗に介助が必要な人を入れるには相手を支える必要があり、バランスを崩しやすい状況に身をおく事を意味しています。

転倒

立位をとってもらう時であれば、勢いが余って転倒しても、介護者は後方に尻餅をつくように倒れる可能性が高く、介護士の方に倒れてこないので、まだ問題は起こりにくいと考えられます。

しかし、立位から座位になってもらう時にバランスを崩せば、ほぼ確実に介護者は前向きに転倒し、手をつきかねれば、介護士の腹部を打ちつけることになります。

要介護者の場合に限っては、立位であっても、後方に転倒する場合と前方に転倒する場合の、どちらの可能性も同じくらいあります。

利用者が妊婦である介護士の上に乗りかかり、体重が腹部を圧迫する事を考えると、ぞっとするカモ…

きちんと報告をすれば…

介護士のお仕事には、普段は何ら問題なくても、妊婦にはリスキーな仕事内容が多々あります。上司や同僚に妊娠している事実を知ってもらう事で、妊婦にはリスキーな介助を避けて仕事ができるように配慮してもらえる事が期待できます。

私が知る事業所では、妊婦さんは、離床・臥床介助は極力行わせないような配慮がされていました。また、入浴介助に至っては、産後の職場復帰をするまで行わなくていいとされていました。

介護職勤務中での妊娠の報告の仕方とその後の勤務について

報告については、勤務している施設によって違ってくるかもしれませんが、ちょっとした時にまずは上司に対して「お話した事がある」と伝えて、妊娠について話すことが良いでしょう。それから、同僚については、上司から報告されるといった流れになります。

職場に早く伝える事で、妊娠の初期の安定期に入る前から、周りの職員に注意して気にしてもらう事ができます。特に初めての妊娠の時は母となる自分自身も不安ですので、周りの配慮がある事は精神的にも肉体的に安定出来るので、妊娠が進む事への不安についても少し改善されるかもしれません。

妊娠中で特に初期のお腹が目立たない時期に早めに職場の人に知ってもらう事が、精神的にも肉体的にも無理せず、良い状態で働ける事に繋がるのカモ。

妊娠した後介護士として仕事をする時の注意点とは?

上司や職場の同僚などに報告する事で自分以外の他の人からも「妊娠してる」と意識してもらえます。その為、比較的妊娠の時期などに応じて仕事の内容などを制限して勤務させてもらえることになると思います。特に出産経験がある介護士がいる職場では、その対応もより一層、具体的で配慮がされると思われます。

妊娠初期の安定期などについても、できる限り力仕事などは注意が必要です。前章でもお話しましたが、利用者の方の移乗やベットの移乗、入浴の介助など、腹部に強く負担がかかる事については、周りの人も注意をし、しないようにとしてもらえる事が多いでしょう。

もちろん人手不足でみんなに迷惑をかけてはいけないといった気持ちがあるかもしれません。しかし、あくまで、妊娠した妊婦とそのお腹の中の子どもの安全が優先されます。

また、労働基準法にも、妊産婦の規定として下記のような内容があります。

労働基準法64条規定より

  1. 使用者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。
  2. 前項の規定は、同項に規定する業務のうち女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務につき、厚生労働省令で、妊産婦以外の女性に関して、準用することができる。
  3. 前2項に規定する業務の範囲及びこれらの規定によりこれらの業務に就かせてはならない者の範囲は、厚生労働省令で定める。

労働基準法64条規定

また、深刻する事で、変形労働時勤務や夜間勤務や休日出勤などについての規制もあります。これについては、後述します。

妊娠の始めの段階で無理をしてしまうと、早産や流産の危険性もあるカモ。職場環境によって対応が違ってくることもありますが、早い時期の安定期前、ご自身でもしっかりと注意が必要カモ。

また、個人差があるつわりですが、軽い人と重たい人では違いがあるので、酷い場合は事前に職場の人や上司に報告して相談することが大切です。個人差がある為、度合いが伝わりにくい事もありますので、きちんと報告をし、無理はしないようにしましょう。

安定期に入るとある程度、体を動かす事ができます。しかし、初期と同様にお腹に負担がかかる仕事や激しく動く業務は避けるようにお願いしておきましょう。お腹の張りがある場合も、無理はせず、職場の同僚や上司に報告をして少し休むことで無理せず、安全に働く事が大切です。

どうしても、同僚に悪い、負担をかけているといった気持ちもあるかもしれませんが、妊娠中と産後については、職場の同僚や上司の気持ちに甘えて仕事をする事でも支障はありません。職場復帰後、こういった仕事をしながら出産して子育てをして仕事を続けている人間の立場として、後輩にアドバイスできる日がありますので、それまでは、自分の体とお腹の中の赤ちゃんを大切にしながら、元気な子供を出産することが、まず始めの職場の人の恩返しと思って、自分の出来る範囲の仕事をすることが大切な事になるでしょう。

職場の人の考え方によって妊娠中と妊娠後の復帰などの環境が違ってくると言えるのカモ。

いつまで続けるか

いつまで?

つぎに、妊娠した場合、いつまで仕事を続けるかという問題があります。

お勧めは、産前42日まで

妊娠している労働者は、休暇を請求する事で出産予定日の42日前から産前休暇を取る権利が法に定められています。つまり、正当に休暇を取る事が出来るのです。

労働基準法第65条

  1. 使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
  2. 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
  3. 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

権利以外にも金銭的な側面もあります。

金銭的な側面とは、一定の条件を満たした場合に、支給される産前産後の給付は産前42日と産後56日間に対して健康保険から支払われます。会社独自の規定により、もっと前からの休暇を取る事ができ、金銭的な保証がある場合を除くと、家計のリスク軽減を図る為にもこの時期になります。

>協会健保の出産手当の条件等について

ちなみにこれも一定の条件を満たす必要がありますが、産後56日経過後は雇用保険からの給付があります。

育児休業給付金について

これらは被用者の場合です。退職した場合は異なりますので、注意が必要カモ。


産休・育休の場合は、健康保険や年金の負担はありませんが、退職するとご自身の負担となってしまうので、家計を圧迫するカモ…

そもそも介護職は産休は取れるのか

産休

私は取れる事業所と取れない事業所の両方を知っています。産休と育休は取得が法で保障された権利なので、そもそも取れないという事自体がおかしいのですが…それに関しましては、一度置いておきます。

さて、産休を取れない事業所にお勤めの場合は、取れるようになるかもしれない交渉の材料がありますので、お知らせします。私はこの材料で交渉し産休と育休をとれるようになった人を知っています。

では、交渉の材料についてお話します。健康保険料や年金保険料は労使折半です。自分で払っている分以外に事業者も払っているという事です。

しかし、平成26年4月から「産前産後休業保険料免除制度」が設けられ、産休・育休中の社会保険料は全額国庫負担となりました。要するに、従業員に産休・育休を取らせても事業者の金銭的デメリットは無いという事です。

日本年金機構「産前産後休業保険料免除制度」

金銭的な負担が無くなった事は事務員や少なくとも事務の責任者であれば知っているはずです。ただ、事業主は知らずに、産休・育休の取得を認めていないケースもあり、この場合は直属の上司から話をしてもらうと良いカモ。

妊娠した介護士の悩みについては?

これまでは、妊娠した時の大切な事についてお話しました。
では、実際に妊娠した介護士の悩みにはどういったものがあるのでしょうか。

妊娠した介護士の悩み

  • 妊娠した為に仕事を制限される為にみんなに迷惑をかける
  • 自分の体調管理とお腹の中の子どもの事
  • どのくらいの仕事が出来るのか
  • いつの時期まで働くことができるか
  • 妊娠後、子どもを出産して復帰できるか
  • 退職後、小さい子どもがいて介護士の仕事が見つかるか

妊娠した為に仕事を制限される為にみんなに迷惑をかける…

妊娠中で働いている段階では、妊娠を報告して働く範囲を考慮してもらって、人手が少ない中、同僚に対して申し訳ないといった気持ちがあるかもしれません。職場の環境が良好な所で働いている場合など特にそういった気持ちが強くなるのではないでしょうか。

自分の体調管理とお腹の中の子どもの事が心配…

職場環境が悪く、妊娠を報告しても快く受け止めてもらえない場合は、早めに自分の体や子どもの事を考えて、退職をする事が良いと思われます。理由としては、無理して働く事で早産や流産をしてしまったケースも多いからです。

どのくらいの仕事が出来る?

「いつの時期まで働く事ができるのか」といった事については、妊娠して出産までの体調は日々変化しますし、個人差もあります。労働基準上産前6週間、産後8週間については休業義務がありますが、それまでは働く事が可能です。

※産前については請求する事が必要です。産後6週間経過後は医師が支障ないといった業務については就くことができます。

また、多くの人が出産1月前位までは働きたと思っていますが、体調や急変などで産休に入る時期が早くなる人も多くいるようです。しかし、体調が良ければ8カ月から9カ月位でも大丈夫と思われます。

働ける時期については、まず予定を立てて、上司に報告する事は大切だけど、ご自身の体調によっても変わってくるカモ。その都度職場の上司に報告して最終的な産休を決定すると良いカモ。

妊娠後、子どもを出産して復帰できるか

産後復帰の心配といったことも悩みとしては多いかもしれません。基本的に産後の仕事の制限なども労働基準法としてはありますが、気持ち良く働きたいと思いますし、出産前であまり職場の環境が良くなかった場合は、産後の復帰についても検討をした方が良いかもしれません。

職場の環境が良く、協力的な職場であれば、産後の復帰の話についても、妊娠期間中に上司に相談しておくと良いでしょう。産後の復帰の時期と仕事内容については話す必要性があります。小さい子どもを保育所に預けて仕事をするので、夜の勤務も出来なくなります。早めに報告しておくことで、職場としても、対応策を考える時間を取る事ができます。

勤務時間についても、日勤の9時位から17時位の時間帯にする必要性があり、急な子どもの体調の変化で早退する事も多くあるので、そういった事について理解のある職場が理想です。子育てしながら仕事をしている人がいる職場でしたら安心かもしれません。長い期間働いている慣れた職場で産後も引き続き介護士として働く事ができる環境であれば、自分自身にとってもそれが一番良いかもしれません。

退職後、小さい子がいても介護士の仕事が見つかる?

職場の環境が良くないなど、産前中の仕事に対しても不安があり、現在勤務先については退職をして、産後介護士として仕事をすることができるかといった不安についてですが、産後で小さい子供がおり、仕事を復帰させる為には子どもを預ける場所の確保が必要となってきます。

認可保育所などについては、フルタイムの勤務が優先されるため、退職している場合、認可保育所に入れない可能性が高くなります。病院勤務の看護師のように勤務先に保育施設があるといった所はあまりありませんので、子どもの預け先の部分で難しい部分があります。

介護士の仕事だけに関しては、小さい子どもがいても勤務可能な施設はたくさんありますので勤務する事は可能です。しかし、子どもの預け先の問題があるので、預け先の部分かクリアーになれば勤務は可能となるでしょう。

妊娠した介護士の悩みについては、妊娠中の仕事の事や、産後の仕事についてが多いのカモ。でもあまり悩みすぎると良くないので、日々の健康管理と無理をしない事を最優先に考えるのが大切カモ。

介護職の妊娠とその仕事についてのまとめ

介護職で妊娠して、仕事を続ける上での注意点

  • 妊娠報告を早くして、みんなに妊娠中である事を意識してもらう
  • 妊娠初期でも油断せず(逆に気をつけて)仕事を無理しない。できれば制限してもらう
  • 妊娠中は体調変化しやすので、ちょっとおかしいとおもったら無理しない
  • 周りに迷惑かけているといった気持ちは大切ですが、甘える部分は甘えて
  • 妊娠中の体調管理は肉体的なもの以外の精神的な事もあるので悩み過ぎない
  • 妊娠中についてはまずは自分とお腹の中の赤ちゃんの事を大切に

介護職で妊娠中の仕事については、報告後、お腹に負担がかかる業務や危険がある業務については配慮する職場がほとんどと思われます。人手がいないといってもそういった最低限の配慮はあるでしょう。

こういった配慮がなく、妊娠前と同様な仕事について強要するような所であれば問題がありますし、自分の為にも子どもの為にも仕事についても考える必要性があるかもしれません。

そういったことがない、配慮があり、慣れている職場であれば、妊娠中は体調の変化もある為、お腹の張りがある時は素直に報告して体調に合わせて勤務するのが良いと思われます。

産前の8~9カ月まで健康でなにもなければ働いて、妊娠中に産後の復帰についても話すくとより安心して産休中の子育ても集中できるでしょう。

特に初めての妊娠の場合は不安があるので早めに報告して、妊娠中の体の変化や心の変化についても気を付ける事が大切カモ。職場の環境が良く復帰できるのであれば、出産後報告すると喜ばれるカモ。

現場レポート

実際妊娠して働いている介護士の方について

実際に妊娠中も働いて勤務している人についてご紹介しましょう

1人目の人は妊娠中も介護職としてグループホームで働いていました。妊娠中については、体に負担のかかる業務、移乗やベットなどで負担がかかるもの、入浴介護などは制限してされていました。夜間についても制限されていました。

出産の1カ月より少し前で産休に入り、産後の復帰もされました。1年後だったと思います。(少しそれよりも早かったかもしれませんが。)しかし、産後5か月で退職されました。同じ部署ではなかったので退職の理由はわかりません。
もう一人、妊娠中は介護職ではなく居宅のケアマネージャーでしたが、産前9カ月で産休には入り1年後に復帰したのでが、子どもが小さい時期ですのでケアマネージャーではなく介護職として復帰しました。

時間を9時から17時として日勤業務での復帰です。理由としては1人で全ての仕事を抱え込むことがない介護職の方が子育てする立場からですと負担が軽いので復帰は介護職としてとなりました。また子どもさんが大きくなったらケアマネージャーは仕事として復活できますのでそういた事での選択でした。

最後に私自身ですが、私も介護職としては妊娠中での勤務といったものではなく、他の事務職でしたが、事情によって復帰できなかったので(予定はしていたので保育所の入所はできましたが)その後別の仕事をした後で現在の介護職の仕事をしています。幸運にも認可保育所に通っていたので、その中での就職活動といった事でした。

当時子どもは3歳でした。現在の勤務先はその事情を考慮して勤務もデイサービスでしたので、フルタイム勤務でも問題ありませんでした。

保育所の時期は急な熱などで呼び出しなどもありまたが、快く受け入れてもらえた同僚には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

また小学生の始めの1年の時も同様でしたが本当に嬉しい限りです。子どもが小さい時は自分都合では都合がつかない事が多いので周りの職場の同僚の理解は大切になってくると思います。

妊娠中どもそうですが出産後も職場の同僚は上司との関係性は大切なことが実感できると思います。