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タブレット端末が救急医療を変える?


タブレット端末が二次救急患者を増やすと病院は困ること

救急医療といえば、極端な医師不足や看護師不足が問題になっています。例えばICU・NICU・CCU(冠疾患集中治療室)に加え、ERは人気はあるものの人員不足は慢性的。

ときどき、新聞やテレビでの報道では「救急医療」とだけ報じられるが、その内容はとても大雑把です。

救急は一次から三次としっかり分けられていますが、一般社会ではその区分けがきちんと理解されていません。

その結果、比較的病状の軽い一時的な急患が三次救急病院に駆け込み、より重篤な患者の臨床が後回しになるケースが急増しています。

患者を適切な医療機関へ「交通整理」をするシステムはないのでしょうか。その中で、「タブレット端末」を使い、搬送先を選ぶシステムが増加しています。

ここでは救急医療を巡る医療関係者の実態がどう進んでいるのかを見ていきたいと思います。

全国に8カ所しかない、脳障害専門の医療機関とは

年間49万9,021件…これは2016年(平成28年)に起きた全国の交通事故件数。警察庁の調べによれば、死者数は3,904人、負傷者は61万8,853人。

鳥取県の人口を超える数の救急患者が病院に運ばれている計算なのです。

※交通事故総合分析センター

国土交通省所管の独立行政法人「自動車事故対策機構」は、交通事故で最も重篤とされる「遷延性意識障害」患者を治療する専門病院を全国に指定しています。

その数は8カ所(290床)、3年以上もの長期入院でプライマリーナーシングが行われています。

長期入院では患者の1割が自ら食事できるようになり、その費用は自賠責保険で賄われるため、家族負担も心配ないケースも増えています。

ですが、これは氷山のごくごく一角に過ぎず、大多数の重傷者の中には重い後遺障害を家族が介護し続けるケースがなくなりません。

年々交通事故死は減少していますが、負傷者の中には本人と家族が辛い人生を送らなければならない事例が非常に多い、それを忘れてはならないカモ。現実は非常に厳しいカモ。

慢性期病棟も満床、そして急性期もいっぱい

長期入院やリハビリに関わる医師が全国的に少ない、脳障害。では、急性期病棟や救急医療の医師は足りているのでしょうか?

救急医療と言えば「大学病院の救急センター」「救急医療センター」勤務の医師や看護師が知られています。

ちなみに、日本の救急施設は「三次救急=249」「二次救急=3,259」「一次救急=1,186(休日夜間救急センター、在宅当番医)」(2012年、平成24年3月31日時点。

※参照 厚生労働省

約8,600ある日本の病院の半分程度は救急医療に携わっていることから、理論的には急患は問題なく収容できるはず。ですが、問題は施設数が増加する一方で医師と看護師が不足しているという現実です。

そして、今新たに問題化しているのが「二次救急から三次救急」へ流入する高齢救急患者数の激増です。

人口減少と少子高齢化で、全救急搬送患者の60%が65歳以上の高齢者…という現実になってきているのカモ。では、二次救急と三次救急の高齢患者の問題を調べていこうカモ。

二次救急より三次救急の方が忙しい理由は?

二次救急は入院を擁する急患対応、三次救急は集中治療などの急患対応なのは知られています。救急搬送でたらい回しされる事項が時折マスコミで流れますが、患者の受け入れ拒否の要因は非常に複雑です。

一つ目は「患者の容態に対応できる医師がいない」こと、二つ目は「病床が満床」であること。もう一つが「二次救急への点数の低さ」が上げられるのをご存知でしょうか?

二次救急とは、24時間臨床執刀ができることですが、診療報酬は三次救急の約10分の1。例えば救急医療管理加算と呼ばれる二次救急の診療報酬は一日800点(8,000円)。これは1週間の限度があります。

これに対し三次救急の場合は一日9,450点(94,500円=3日以内)、8,390点(83,900円=4日〜7日以内)などと、大変な格差があります。

※参照 救急医療提供体制の現状と課題

病院側とすれば、24時間医師を常勤させるコストもあり、処置に見合う診療報酬がなければ経営的にもやっていけない。

二次救急病院としても、HCU、SCU、ICUに入院してもらわなければ特別加算の管理料(診療報酬)が受け取れないのです。

医師もそんな病院経営陣の考え方に同調せざるを得ないわけで、「お金にならない患者(急患)」は診られない…といった形になってしまいます。

なるほど、結局二次救急への搬送が拒否され、三次救急に患者が溢れる…そのツケが三次救急の超多忙さの原因のひとつになっている、ということカモ。これは事情が複雑で、医師も大変カモ。

入口改革に過ぎない、タブレット端末搬送システム

医療制度改革は非常に難しい、と言われます。患者がひとり生まれると、搬送する人が必要になり、受け入れる病院が必要になります。

そして医師と看護師が必要となり、その全ての費用を賄う医療保険システムが必要となります。

日本の医療制度は世界でも冠たるもの、とされていますが、既に国民医療費は年間100兆円という巨額に上ります。

これをなんとかしたい、少ない人員で急患を的確に適正な病院へ運びたい…まずは、急患出現に伴う入り口対策として、導入されはじめたのがタブレット端末です。

消防関係者が救急搬送中にタブレットで救急病院と交信し、受け入れ病院を即座に判断、医師の助言で搬送中の処置をより的確に行う。

そして三次救急よりも二次救急に急患を搬送させる…というのがその目的です。

ただ、こうしたシステムは医師の数を5人から3人、看護師を10人から7人に減らせるものではないカモ。誰かが抜ければ、このシステムは機能しないのカモ。

つまり、より的確な医療を行うためのシステムであって、担当医師も看護師もますます習得しなければならないことが増える、ということなのカモ。

年々進む、IT技術。でもあなたがいなければ現場は進まない

タブレット端末による急患搬送システム。それは情報関連企業にとって大きな挑戦と言えます。医療の世界をあらゆる産業でバックアップする…それは大切なことでしょう。

ただ、そこに欠けてはならないもの、それがあなたの力です。

医師ひとりひとりの力、連携がなければ全ての問題は解決できないカモ。現場はあなたを待っているのカモ。