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中小病院と総合内科の関係性。生き残るためにはどうするべきか


「総合内科医」を専門医化するしかないのか?

クリニック数は約10万1千、病院数は約8,400…日本で稼働している医療施設のうち、圧倒的に多いのが19床以下の一般診療所です。

更に数字を見てみると、クリニックの合計病床数は約10万2千床で、病院は約156万床。毎年病床数は減り続けていますが、それでも医師の多くはベッドのある大規模病院で研修を行い、旅立って行きます。

年間9,000人近くの医師が誕生する時代、医師は勤務医か開業医かの二者択一だけではなくなりました。研究医の道、企業や役所で研究者として働く道、またフリーランスで働く医師も見かけます。医師免許と弁護士資格の両輪をうたう猛者も珍しくなくなりました。

医師の働く環境が大きく変わる時代、伝統的な勤務医制度にも様々な動きが出て来ているようです。その中で、中小病院にスポットを当ててみて行きましょう。

総合内科専門医に期待する国や学会その背景には何があるのか

一般財団法人 日本内科学会…数多くある診療科ごとの学会の一つである内科学会で、2008年(平成20年)に生まれたのが「総合内科専門医」資格でした。

現在1.3万人以上もの専門医が誕生していますが、その専門性とはどういったものでしょうか?

日本内科学会によれば、総合内科専門医の半数は開業医、残りは勤務医。開業医の場合、大規模病院が少なく、地域医療や外来医療を行う専門医としての力が要求されるケースや、高齢患者の多い地域ではクリニックや療養型病院の内科医が診る専門領域が多く重なります。

従来は内科クリニックで診療し患者を大規模病院の専門科へトスしていましたが、専門領域の深化によって内科医の”トスの確かさ”がより重要になって来ました。

合併症をや症状の複雑さを理解し、処置を行って50もの専門科の中から適したところへ患者を移す作業、それがうまくいくことで、様々な診療科を掛け持ちしないで済むことも期待される。

それが国の医療費抑制にもつながることから、厚生労働省の期待度も高いのです。

認定内科医と総合内科専門医の役割の曖昧さ、病院内での評価もまだまだ

大学での指導医として総合内科医の存在は非常に高まっています。それは離島やへき地医療にかかわる大学ならば特にやりがいのある仕事と言えるでしょう。

また、救急医療に力を入れている病院の場合も、条件は同じ。トリアージや応急処置を要する災害医療は、特に地震や水害が頻発することから要請されることが多くなりました。

中には脳死判定や薬物による急性中毒は、認定内科医ではなく総合内科専門医の領域が強くなっています。

ここまで重要性が高まっている総合内科専門医ですが、問題はハードとソフト、そのマネージメントがしっかりしなければうまくいかないのが現状カモ。

組織の大きい大学病院の場合は、総合内科専門医が数人在籍して研修医を育てる目的を持ちますが、一般病院にポッと置かれた総合内科専門医のポジションはなかなかしっくり行かないケースが少なくないカモ。

総合内科とは、どんな役割か?病院によって異なる厄介な事情

問題としてよく上がるのが、総合内科の窓口としての力の有り様です。総合内科に患者が受診し、臨床後に専門医が指定する診療科に患者が移動する…この動きが簡単に行かないケースが散見されます。

理由は窓口と目的地の連携が取れていないということ。診療科が15から30程度の中堅病院の場合、総合内科が組織の中で埋没してしまう可能性が高まります。

患者が全て総合内科を経て各診療科に行くルートが出来上がっている場合は問題ないでしょう。ですが、クリニックからの紹介や他県病院からの紹介で各診療科に行くケースもあります。

そもそも、総合内科が「広く薄く診る」各診療科が「深く厚く診る」という棲み分けが病院内で固定し、お互いの仕事に尊厳と尊敬、信頼関係が確立しなければ病院スタッフも患者も戸惑うだけの結果にならないでしょうか?

専門性の高い医師がより集まっている病院になればなるほど、組織内がストレスだらけになってしまうでしょう。

病床数500以上の大規模病院の場合は医師数も看護師数も多く、総合内科専門医の必要性を感じる同士が存在する可能性が高まります。

しかし、中規模病院の場合は総じて地域の雄であり、勤務医のプライドが高かったり、ワンマン理事長の経営であったりと人間関係のいざこざがはっきりしていることが多いのです。

管理職のポジションが少なく、勤務歴の長い医師が待遇面で優遇されるなど、中規模病院は中規模病院の特徴があるカモ。

実は総合内科は袋小路?コトは病院の経営に関する問題にも

新設された総合内科、そこに赴いた専門医。連携の取れない窓口としての立場と救急病棟担当になり休めない勤務形態。

自分は良くても新たに同僚となる他診療科の医師や看護師からのブーイング…そうした喧噪から守ってくれるはずの理事長が高みの見物、となれば辞めたくなるのも無理はありません。

実際に総合内科専門医になって総合内科に招聘されたものの、辞職してしまう医師が少なくない現実。総合内科へ入職する場合、そのあたりの事情をよく知っておかないと、悲しい結末になりかねないのです。

総合内科専門医とはなにか。地域のかかりつけ医ならば、内科開業医がしっかりと地域の住民の信頼を勝ち得るはず。ならば、内科医はクリニックに任せて専門領域だけを病院で行えばいい…と言うのが理想の形と言えます。

そこに総合内科を設置する病院側の事情、それは新規患者を増やしたいという下心があるのです。専門領域に長けた医師のいる病院とそうではない病院の患者数の格差で、病院経営は大きく変わります。

総合内科は客寄せパンダ。そんな一面も知っておくべき

総合内科の設置が、人寄せならぬ患者寄せパンダではないのか?そういった認識を持つ各診療科の医師達の中で、総合内科医はまだまだ苦しい立場に置かれているケースが多いのカモ。