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クレーマー患者の理不尽な要求は断れるのか?その対策とは

クレーマーやモンスターペイシェント対応策は必ずある。先手必勝が大事

後遺障害に1億円賠償決定(山形県立鶴岡乳児院、2017年9月)、抜管時過失で1.2億円賠償判決(日赤運営、兵庫県災害医療センター、2016年3月)、こんな新聞記事が珍しくない時代です。

1億円を超えるような賠償請求や、数千万もの賠償金を求める訴訟は人目を引きますが、数十万円から数百万円といった金額は記事掲載さえないことも少なくありません。

医療訴訟は公にされた賠償請求ですが、水面下では表沙汰にされることなく金銭要求を行う患者関係者と医療関係者の騒動が全国で起こっています。実際にはどういう事案があるのでしょうか?その内容と対策を考えてみましょう。

大規模病院で起こる医療ミスには特徴がある

関西大学が2000年から2016年までの医療ミスについてまとめた分析があります。

新聞の全国紙に掲載された医療ミスは439件、そのうち170件が医療行為(診断、外科的施術、薬の処方など)と分類されました。

 

※参照 関西大学学術リポジトリ

 

医療行為は医師の指示のもとで行われるため、責任の所在は医師と管理する病院全体となります。

ただし、看護行為・患者自身による行為・チーム医療行為・医薬品・病院情報管理・国や自治体の医療政策・病院のガバナンス(経営)・地域の医療提携に細かく分類していることにも着目した分析で、大規模病院が複合的な医療ミスを潜在的に持つ可能性が指摘されました。

大規模病院での診療は患者に取ってメリットもある一方で、様々な人的ミスが重なると見過ごされるデメリットもあるということカモ。

特に大病院での人手不足は看護師と医師両方に起きており、インシデントからアクシデントに発展する一番の要因と言えるカモ。 

クリニックでの患者を巡る問題とは?

一方で、小規模クリニックではこんな事例があります。北海道での産科医院で不妊治療を巡って、患者が「慰謝料を払え」と病院を訴えました。

訴状が届いた後も患者はこのクリニックに予約を入れ、病院側が患者に転院を勧めて診療拒否すると「不当な拒否だ、さらに慰謝料を払え」と脅した、というものもの。

医師も看護師も精神的に追い詰められてしまった事例ですが、実際の裁判では医師側が診療拒否と見られぬように、転院のお願い文書を患者に渡すなどの方策でなんとか切り抜けられた、と言います。

医師には指導的立場の弁護士が付き、様々なアドバイスをしていたのは言うまでもありません。

こうした医療裁判を担当した弁護士によれば、医師と患者の信頼関係が深ければ問題は起こらない、その逆はあっという間に泥沼化する…となるのカモ。

モンペが要求するのは、まず納得のいく謝罪だが…

ところで、モンペ(=モンスターペイシェント)と呼ばれる問題のある患者とその関係者は、どんな圧力を行うのでしょうか?一番多いのが、口頭での謝罪。

次が責任者による謝罪、続いて金品要求です。

地位の高い医師や病院理事長の謝罪、となれば大病院での出来事ですが、クリニックの場合は診療中に暴言を吐いて医師や看護師を怯えさせて他の患者を来なくさせるといった手段が多く見られます。

これはどういうことか?結論から言えば、クリニックでの患者の無理難題のケースはクレーマーであることが多い、ということです。

ネット社会では大病院からクリニックまで様々な誹謗中傷が行われていますが、良識ある病院やクリニックの場合は患者がその質をきちんと判断できます。

ところが、診療での医師の対応が横柄だったり看護師の仕事が投げやりの場合は、クレーマーの介入を許します。

モンペやクレーマーは治療過誤を見つけては難癖を付けてきます。その結果200万円近い請求を受けたクリニックもあるのです。ここでは実際にあった例を挙げるカモ。

帯状疱疹で治療不適切と訴えたクレーマーの例

2006年に千葉県八街市の耳鼻咽喉科クリニックで起きた例。男性患者が耳を虫に刺され、帯状疱疹と診断した医師に170万円を要求しました。

このケースでは帯状疱疹の後に顔面麻痺を発症した患者男性が20回も医師に金銭要求書を送りつけたことから、医師側はこの男性相手に200万円の賠償請求訴訟を行ったのです。

 

※参照 医者の常識、世間の非常識 ~Herr doktor~

このケースでは、千葉地裁は被告男性に30万円の支払いを命じています。裁判所は患者の言い分を根拠のないクレームと判断、医師は勝訴。非常に稀と言われた医療関係者側の勝訴ケースですが、その後少しずつ増えて来ているのも事実。

医師側がこうした訴訟に対して賠償責任保険に加入する例が大幅に増えていることと、医療裁判の激増で弁護士が医療側に関わる事例も増えて、医師の訴訟対策もしっかりして来ている表れと言えるでしょう。 

ただ注意したいのはクリニックの場合、少人数のスタッフを医師一人か二人で全ての面で面倒を見ていること。経営者でもあり、実務者でもある医師。

そして場合によってはクリニックの土地家屋所有者であることで、様々な責任者として地域の一員でなければならないのです。

今すぐ対策を取っておけば、問題は解消できる

度を超したクレームは、日々の仕事に大きな悪影響を与えます。それは看護師や医療クラークの退職につながることさえあるのです。

小さな事ですが、クリニック経営はこつこつと回りを見回す事から始めましょう。