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ヘッドハンティングに応じた40~50代医師たちの事情


実は多い40代以降の転職

日本の会社員にとって「課長」「部長」という肩書きは大きな印。特に、課長職は部下を抱え上級管理職からも期待される立場でしょう。

課長昇格の平均年齢は38歳…日本の上場企業は40歳前後に人生の岐路を用意している、と言えます。

一方で医師の場合はどうでしょうか?勤務環境によって大きく変わるとはいっても、専門技術を生かしたいか昇格戦線で揉まれるのかは会社員と変わりません。

特に、大学病院や大規模病院での勤務では、お決まりの「院内政治」にどうしても影響されるのはいつの時代も同じでしょう。

40代から50代にかけて、ヘッドハンティングに応じた医師たちの様々な事情を探っていくと、複雑な背景が見えてくるカモ。実際にある転職話、理由はどんなものなのか調べてみましょう。

大学医局は、限られたポストを増やせない

新臨床研修制度ができて以来、研修医は医局に所属できないルールが定着してきました。かといって、今までは卒後すぐに入局して研修先を回り、医師が地域医療をまんべんなく満たす手はずを講じて来た医局の存在は、メリットとデメリットが共存していました。

医局は医師を確保しているからこそ、各病院も診療停止にすることなく医師の派遣をスムーズに依頼し、望みは叶えられてきたわけです。

しかし、それが個々の医師にとってみると果たして幸せかどうか…そこが医師の大きな悩みでもあり、転職へと進ませる起因ともなっていました。

ただ、忘れてはいけないのは医局ポストが「増やせない」ものだ、ということです。任意団体である大学医局には医局長はいてもその下は医局医員でしかなく、40代50代のヒラ医員が大学教授の座を狙うこともなく、派遣先の病院で専門性を磨くことがかなり多いのです。

40代、50代ともなれば、大学病院で准教授、教授のポストを狙う医師が増えるのは当然ですが、ポストには限りがあります。

しかし、医局の力をあてにして管理職員ポストを獲得するか…となると、それはなおさら複雑な人事の壁をくぐらなければならないカモ。

それが、転職への発火点にもなるというわけカモ。

専門性が将来も続く保証がないケースも

昨今増えている病院統合。医療法人が変わる場合、系列病院との合併で転勤や配置換えが積極的に行われるのは日常茶飯事です。

病院によっては職員によるストライキや理事長との対立といったこともあり、時たまニュースで目にするのは医師の大量辞職でしょう。

40代といえば10年以上もの臨床の積み上げを生かす年代ですが、それが意図しない配置換えだと、今後の勤務にもストレスが発生してしまいます。

県立病院や市立病院の運営方針に一貫性がないケースもあります。例えば、県政や市政の転換によって病院運営の変更が発表される場合。

たとえば、2017年10月に明るみになった仙台市急患センターの夜間(午前3時〜4時)の患者受け入れ停止問題。見方はそれぞれですが、医師の休息時間がいままでなかったという現実は重いはず。

行政が医師の健康面に配慮してくれるかどうかがはっきりしない場合、不安になる医師は少なくないはずです。

専門性の保証、にはこのような不安材料があります。入局者が減ってくることで40代50代以上の医員派遣が続き、20代の医師に専門性の継承が進まなくなってしまう。

限られた人材だけで臨床をこなすのはよいとしても、50代で20代と同じ体力…というわけには行かない。臨床以外の電子ものの仕事が増え、転職したいと考えてしまう医師は増えています。

我が子にも医師の道を…となれば、教育費用がかさむ

スキルアップを計りたいから、ヘッドハントに応じた医師。長年勤めていても、評価が上がらずにモヤモヤしていたので転職に応じた医師。そのような事情がかなり多く知られていますが、本当のところはやはり収入面が大きいと言えます。

18歳の人口が100万人を割る時代となり、2人に1人は大学入学が当たり前となっていますが、大学医学部入学者もざっと9,000人。

6年間の国公立医大の学費は350万円程度、私立だと2,000万円〜4,000万円程度ですが、一人暮らしの費用などで+750万円以上もかかることもあります。

大学に入学するまでには、中学・高校でも塾や予備校での費用もかさみ、中には高校での留学費用がかかるケースも少なくないでしょう。

そして、大学入学後にアメリカの大学に留学する場合はやはり実家の援助が必要になることもあり得ます。

お金はあった方がいい。それに配偶者の希望する生活環境を整えることや、医師としてのゆとりのある住まいの確保も大事ですから、少しでも稼ぎたいのは当たりまえなのです。

子供が2~3人いた場合は、それなりの教育費用が上乗せされますが、医師の多くは自分から「収入を増やしたいからヘッドハントに応じた」とアンケートなどで正直に答えてくれるわけではないのカモ。

40代、50代で人生をしっかり見る転職が多くなっている

60代以上の先輩医師が続々と定年を迎え、様々な道を辿っていくのを見ているのが40代、50代の医師たち。

医療と介護が同居する福祉系病院や診療所が増え、慢性期や終末期、訪問医療など様々な需要が増加しています。また、男性医師が妻の実家近くの病院に転職し、高齢者医療に当たるケースも少なくありません。

ヘッドハントに応じた40代から50代の医師の多くは、家族との時間を大切にする結果の転職に漕ぎ着けています。

生涯現役を貫く医師という職業であるからこそ、自分に正直な転職が増えているのかもしれません。