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抗菌薬のおすすめの覚え方とは?


感染症に興味を持つ医学者の減少。原因はそこかもしれない

抗菌薬「マキシピーム」と筋弛緩剤「マスキュレート」。両方とも「マ」から始まり、「キ」が入り、「ー」と伸ばす文字があることから間違えやすい薬剤として有名になったアクシデント…それが2014年12月29日に起こった大阪での出来事でした。

※出典:日本経済新聞

普段の日よりも1.4倍もの患者が通院していた年末、薬剤師の確認ミスと病棟看護師の確認ミスというダブルミスが引き起こした事実は、患者死亡という取り返しのつかない事態を招いてしまったのです。

容器も似ていた、容器のふたの色も同じ色だった、名前も似ていた、患者数が普段以上だった、そして病院関係者はいつもより少なかった、様々な要因が重なりました。

人が集まるところ、感染症はどうしても避けられないカモ。ならば、ダブルチェックはどうすればよい?その一つが抗菌薬名を記憶することなのです。

なぜ薬を取り違えたのか?まずそこを考えたい

「マスキュレート」は筋弛緩剤ですが、後発医薬品。オリジナルはといえば「マスキュラックス」で、先発後発ともに似た名前を使っています。

一方の「マキシピーム」は発熱緩和の抗菌薬。当然、劇薬指定となる筋弛緩剤は抗菌薬とは別の場所に保管されているはずで、かなり注意するはずですが、薬剤師は処方通りに薬剤を取り出し病棟へ運んでいます。

誤薬しやすい例としては、アステラスの統合失調症治療薬「セロクエル」とサノフィの脳梗塞後遺症などの脳出血後遺めまい改善薬「セロクラール」。

両方とも錠剤なため、処方後に医療関係者が気づかないこともあります。現に東京都院内感染対策推進事業では最も注意すべく誤薬として知られているのです。

なぜ、誤薬が処方されてしまうのか?その要因の一つが、医師の悪筆と言われます。手書きによる処方が薬剤師の元に来る段階で「読めないカタカナ」を疑義照会することも出来ず、薬剤師は推測において薬剤を手配し、上司である薬剤師も確認しないまま配送。

それが看護師のもとに行き、看護師も改めて薬剤確認しないまま患者へ。この一連の動きの間にはコンピュータ入力された処方に手書き処方が混じり、様々な確認ミスでアクシデントになることがはっきりしています。

誤薬しやすい薬剤名にも、その容器にも責任に一端はありますが、扱う人々に要因が一番あるのは当たり前。ヒューマンエラーの根本には、医師の筆記と誤記が関与していることも、肝に銘じておかなければならないのカモ。

薬剤のヒューマンエラーの原因の一つは後発の名前

専門病院の薬剤部では、常備してある薬剤の範囲が決まっています。ですが、総合病院や診療科目の多い中規模病院の場合、院内薬局や薬剤部が扱う薬剤の種類も数も膨大になります。

薬剤で問題となるのが、処方で一般名を使うか商品名を使うかということ。後発医薬品が増え、製薬会社が付けた薬剤の新たなブランドや商品名をルールに基づいて決めて欲しい、という要望を持つ医師や薬剤師の方が増えたのがきっかけです。

薬の名前ひとつで大変なストレスになるとすれば、後発医薬品を積極的に導入するのも本末転倒。

医師も看護師も薬剤師もできるだけ解りやすい名称、個体差が付きやすい容器などの工夫をメーカーに求めたいのも無理はないカモ。

まして、感染症の抗菌薬となるともっと話がややこしくなるのカモ。

感染症に興味がある医師が増えると、状況は変わる

感染症こそ、抗菌薬の開発で医学的な発展期を終え、医師も積極的な探求に向かわなくなったことで関心を失った症例などと揶揄されることがあります。

より専門的な研究があるからこそ発展するものの、それが薄い。ただ、パンデミックが数年おきに発生し、最近はバイオテロの可能性も世界各地で予測されているのも事実でしょう。

問題とすれば、常時症例を欠かす事なく話題となる分野でもないにも関わらず、いったん流行すると社会の関心の中心となり、それが世界でもたらされるということです。

内科外科の壁がなく、救急医療では常に必要な薬剤知識。おまけに抗菌薬名は難解な菌の名前由来であることから、覚えるのが難しいのも感染症薬剤の特徴。

欧州での感染症、アフリカアジアやアメリカでの感染症が日本に入ってくる可能性は高く、薬剤名も一般流布されるのも瞬間的です。

ならば、感染症に興味を抱く医学者は多いのでは?と思いきや、そうでもない。感染症は発症を抑えることで終わるのではなく、更なる感染症への発展の可能性はないか、あるいはその発展の仕方が他の疾病処置に応用できないかが問われるはずですが、なかなかそうは行きません。

キャラクターで覚える、抗菌薬の名前。使えるものはどんどん使おう

感染症に興味を抱く、それが命題ともいえる抗菌薬を扱うインシデントゼロへの道。それをどうすれば可能にできるのか、そのひとつが「キャラクター」で覚えるという抗菌薬暗記法。

※出典:日経メディカル

抗菌薬の特徴である菌名をキャラクター化させ、いくつかの薬剤名をキャラつながりで覚えていく。

イメージ戦略ともいえるこの方法、意外に使えるもののようです。要は、関心のない分野に関心を持ってくる手っ取り早い方法がキャラクター。

これを病院内で統一してしまえば、インシデントからアクシデントへという悪循環も裁ち切れ、様々なストレスからも簡単に解放できるかもしれません。

道を覚える、歴史の年号を暗記する、化学式を覚える…様々な暗記方法は子供から大人まで必ず試しているカモ。医学だからそんな子供騙しはなしで、と言わずにぜひ抗菌薬覚えに使ってみてはいかがでしょうか。