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保育士と共通点が多い生活援助のプロ!役立つ資格「介護福祉士」


次世代の福祉サービスの担い手!保育士からの資格取得条件が緩和

役立つ資格の介護福祉士

子どもたちと遊んだり、一緒に活動したりする保育士は、子どもたちが自力ではできない日常生活の援助も行います。「日常生活の援助」という点に注目してみると、実は介護業界も同じような仕事をしています。これは、「福祉」の基本的なサービスのひとつです。

子どもたちの自立心を育みながら、できないことだけを援助していくために、専門的な知識や技術を身につけることは、保育士としてのキャリアアップを考えるうえでも重要です。介護業界でそれを持っていることを認定する国家資格のひとつに、「介護福祉士」があります。

福祉サービスを受けたい人が増え、それを担う人材が減りつつある今、「保育」や「介護」と区分けするのではなく、ひとつの「福祉」として安定的に充実したサービス提供が求められています。そのため、どちらもできる人材の育成に注目が集まっています。

今回は、保育士とも共通点があり、高齢者や障がい者など生活の手助けが必要な人を援助する「介護福祉士」を紹介します。

介護福祉士ってどういう資格なの?

介護福祉士とは…

自分の力では日常生活を送ることが難しい高齢者や障がい者に対して、身体の介護や生活の援助を行う仕事です。介護現場におけるリーダー的な役割を担い、利用者の状態をしっかりと把握し、他の専門的スタッフとの連携を図ります。

福祉系では精神保健福祉士、保育士とあわせて「福祉系三大国家資格」といわれています。一般的には「ケアワーカー」とも呼ばれます。専門的な知識や技術が必要とされ、医師の指示のもと喀痰吸引や経管栄養など医行為を行うことができます。

介護系の上位資格に、「ケアマネージャー」という国家資格があります。ケアマネージャーは、利用者との相談、ケアプランの作成などデスクワークが中心です。一方で、介護福祉士は現場で利用者と接し、介護業務を行うのが特徴です。

保育士と介護福祉士には関連性があるの?

保育との関係性

保育士は子どもを、介護福祉士は高齢者や障がい者のお世話をする仕事です。一見、共通点がないようにも感じられますが、どちらも「一人で日常生活を送ることが難しい人を援助する」という点では同じです。

少子高齢化社会を迎え、保育士や介護福祉士のように、福祉の仕事に携わる人材不足の深刻化が懸念されています。とくに、地方などの過疎地では、2025年度に介護職員が30万人不足するという試算されています。

少ないスタッフで効率的に福祉施設の運営を維持し、変わらないサービスを提供していくためには、保育・高齢者・障がい者向け施設を統合すること、保育士や介護福祉士などの資格をひとつにまとめることが検討されています。

2017年5月24日、「保育士養成課程等検討会ワーキンググループ」が主催する有識者検討会において、介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士資格保有者に限り、保育士試験の一部科目免除と介護福祉士養成課程における履修科目の免除が決められました。

保育士の国家試験では、保育の理念や方法など「保育に関する科目」と、福祉制度の基礎知識や生活援助など「福祉職の基盤に関する科目」が問われます。このなかで、「福祉職の基盤に関する科目」は、介護福祉士などの国家資格と履修する内容に共通点が多いのです。

そのため、福祉系の国家資格をもっている人が保育士資格の取得を目指す場合、重複する「福祉職の基盤に関する科目」について免除されることになりました。ちなみに、保育士を目指す介護福祉士であれば、筆記試験のうち3分の1が免除されることになります。

【参考】厚生労働省「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例」

現在、保育士と介護福祉士、さらには准看護師について、将来的に資格を一本化しようと国が動き出したところです。それぞれの専門的知識を学ぶ時間はあるのか、一人当たりの労働時間や負担は増えないか、賃金はどうするかなど、今後解決すべき課題も少なくないカモ。

介護福祉士が保育現場で役立つ場面は?

介護福祉士の取得をとおして、生活の援助を必要とする子どもたちへの接し方や援助の質を高めることができます。保育を学ぶだけでは気付けない視点で、子どもたちと接することができるようになります。

とくに、子どもたちは生活にかんすることを自分の力でやってみたいという気持ちがあります。しかし、発達段階によっては、自分の力だけではうまくできないこともあります。保育士がすべてを援助しては、子どもたちが成長するチャンスを奪うことにもなりかねません。

高齢者や障がい者の生活を援助することを学んだ経験は、子どもたちの自尊心を尊重しながら、同時に生活力を育むチャンスづくりに活かせるはずです。一人ひとりに合わせたきめ細かなかかわり方によって、子どもが自ら成長する力をつけられる保育をすることができます。

また、最近では「宅幼老所」と呼ばれる保育園と介護施設などが同じ敷地内で運営されている施設が増えてきました。この施設では、子どもたちと高齢者などが触れ合う機会が多くあります。子どもたちや高齢者などからの満足度も高く、一定の効果を上げているといえます。

介護福祉士の資格をもっている保育士は、宅幼老所などで活躍できます。曜日や時間帯などによって、柔軟に保育と介護を行うことができます。保育、介護、障がい者支援などを一か所で受けられる「共生型施設」は、今後さらに増えていくことでしょう。

介護福祉士は保育現場以外でも役立つの?

介護福祉士は、高齢者や障がい者の生活を援助する専門家ですから、保育現場以外にも活躍の場があります。むしろ、子どもたちの保育を専門的に行う「保育園」でない方が、介護福祉士としての知識や技術を活かせるかもしれません。

もっとも活躍しているのが、高齢者や障がい者などの生活を援助する施設です。現場にいる介護職員たちのリーダーとして状況の把握に努め、利用者がおかれている状態で求められる介護を行います。

施設が行っている福祉サービスは、多種多様化しています。生活の一部を援助する施設、ほとんどすべての生活援助を行う施設などがあります。また、利用者の自宅に訪問して行う福祉サービスもあります。

介護福祉士をもっている保育士が、日本の福祉サービス全体の救世主になるカモ!

介護福祉士を取得するためには?

資格取得

介護福祉士の資格を取得するためには、3年以上の実務経験と実務者研修終了後に受験する方法、福祉系高校で定められた単位を取得後に受験する方法、指定された養成施設などを卒業する方法の3パターンがあります。

3年以上の実務経験は、無資格で実務に携わった時間も含みます。実務者研修は最大で6か月間(450時間)ありますが、すでにもっている資格などで受講を免除される科目があるため、受講時間は変わります。

介護職員や保育士などとして、働きながら実務者研修を受講することができます。平日の夜間クラス、土日や祝日などに開講するクラスなどがあります。また、スクーリングと通信教育を併用して受講できるクラスもあります。

介護福祉士の国家試験は、年に1度だけ行われます。申込期間は8~9月、試験は翌年の1月に行われています。したがって、受験する前月までには実務者研修を修了するなどというように、あらかじめ受験計画を立てておくことが重要です。

国家試験では、筆記試験と実技試験が実施されます。筆記試験では11科目群から125問出題され、実技試験では100点満点で採点されます。毎年、総得点のおよそ60%を基準に、難易度によって補正された点数が合格ラインとなります。

試験対策のコツとしては、過去問などを入手して、出題傾向をつかみながら不足している知識を補います。試験では11科目群すべてで1問以上正解する必要があるため、苦手科目をつくらないように、少しずつ基礎から固めていきましょう。

介護福祉士の国家試験受験の問い合わせ先は?

気になる方、取得を検討している方に向けて、介護福祉士の国家試験を受験するための問い合わせ先を紹介します。

介護福祉士の国家試験を受験するためには、公益財団法人社会福祉振興・試験センターに「受験の手引き」を請求します。ホームページで所定のフォーマットに必要事項を入力して請求する方法と、郵便はがきを投函して請求する方法があります。

【参考】「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」介護福祉士国家試験 受験申し込み手続き

受験するために必要となる実務者研修などは、各都道府県の介護福祉士養成施設などで実施されています。受講できる曜日や時間帯などを踏まえて、ホームページ等で自分にあった研修を調べてみるといいカモ

介護福祉士を取得して、次世代の福祉サービスを担う人材へ

介護福祉士は、高齢者や障がい者など、日常生活を送るために助けが必要な人を援助するスペシャリストです。保育士は子どもたちと接するため、「別の仕事」だと思う人もいるかもしれません。ただ、保育士と介護福祉士は、「援助する」点など共通点が多くあります。

少子高齢化社会では、充実した福祉サービスを提供し続けるために、保育士や介護福祉士など「福祉のスペシャリスト」の確保が重要です。資格や施設を一本化し、「福祉のスペシャリスト」の一角として、保育士にかかる期待も大きくなっています。

とはいえ、保育士として働きながら介護福祉士を取得するためには、福祉系高校や介護福祉士養成施設などを卒業していない限り、3年以上の介護実務経験と実務者研修が必要となるため、取得はあまり現実的とは言えません。

保育も「福祉サービスのひとつ」と俯瞰的にとらえ、介護も含めた次世代の福祉サービスを担ってみたいと考えているのであれば、共生型施設などで保育士として働きながら介護経験を積み、介護福祉士取得を目指してみましょう。