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結局どっちがいいの!?アパレル販売員の「正社員」と「派遣」の違いとは?


お給料や待遇の違い、ホントのところはどっちが得なの?

社員と派遣の比較

アパレル販売員のお仕事に就くにあたり、選択として出てくるのが「正社員での勤務」か「派遣社員での勤務」の2つになります。アパレル業界でも大手ブランドを始め、今では様々なショップで派遣制度が活用されております。そのため同じショップであったとしても、正社員と派遣社員のどちらの募集もされているので、どちらで勤務をしたほうがいいのか、わからなくなってしまう方も少なくはありません。

アパレル業界専門の転職エージェントの元にも、どちらで勤務した方が給料や待遇はいいのかという問い合わせは、非常に多く集まっております。

もちろん正社員・派遣社員ともに、働く上でのメリットやデメリットはございます。この記事では、今からアパレル販売員に転職しよう!と思われている方に向けて、それぞれの良し悪しについての解説をお伝えさせていただきます。この記事を見られてからでも、どちらで働くかを決めるのは、遅くはないと思いますよ。

そもそも「正社員」と「派遣社員」って何が違うの?

まず最初に、正社員と派遣社員の違いについての概要をお伝えさせていただきます。

この2つの根本的な違いは「雇用元」です。正社員は企業の正規の社員として勤務をしているので、雇用元は「アパレル企業」になります。その一方で派遣社員は、企業の正規の社員ということではなく、形式としてはあくまで「派遣会社の社員として、派遣先企業(正社員雇用元)にヘルプで勤務している」ということになっているため、雇用元は「派遣会社」になるのです。

雇用元が変わるため、お給料や待遇、保険加入元なども全て、それぞれ異なります。まず、お給料に関してですが、正社員は一般的に固定給制度になっているため、インセンティブなどを抜いた基本給というのは、毎月決められた金額が支給されるものになっております。一方、派遣社員は時間給制度になっているので、毎月の出勤日数や時間数によって、お給料の額は左右されます。

そのため正社員であればみなし残業制度を取り入れている企業の場合、どれだけ働いても一定支給額以上の残業代が出ないため、インセンティブを除けば、どれだけ働いてもお給料が月ごとに上がるようなことはありません。
ただし長期的なお休みがある場合(サービス業なので、滅多にありませんが)でも、お給料が減るということは、基本的にはあり得ません。それに対して派遣社員は、純粋に労働基準法に則った計算でお給料が支払われるため、働けば働くほどお給料は増えていきますし、1日の勤務が8時間を超える場合、勤務時間が22:00を超える場合に関しては、時給単価が25%増しになるのです。

ただし、急な体調不良などでお休みを取る、ショップが入っているテナント全体の休肝日などで、止むを得ずお休みを取られる場合は、勤務時間が減ることになりますので、その分お給料が減ることになります。

待遇に関しても、違いがある!

 
待遇というのはインセンティブ率や福利厚生などの部分のことを指しますが、正社員の場合は、雇用元になる「アパレル企業」が定めたインセンティブ率、福利厚生に則り、お給料の計算や使える制度などが決まる仕組みになっております。反対に派遣社員の場合は、インセンティブ率や福利厚生といった待遇に関しては、雇用元が「派遣会社」になるので、派遣会社が定めた内容に則り、制度が決定されます。

そのため正社員のアパレル販売員が、夏休みなどで3日間や4日間のお休みを取られたり、リフレッシュ休暇などを取られていたとしても、同じように派遣社員も取る、ということはできないのです。派遣社員がそうしたまとまった休日を取る方法は、有給を使用する他ありません。

保険加入に関しては、どちらも社会保険や雇用保険に加入することには間違いありませんが、加入する保険組合が変わるということのみ、違いがあります。保険組合によっては、加入者のみ受けられる割引券配布や、ホテル、スポーツジム、温泉などの施設利用割引券の配布などの待遇がございます。

正社員の場合、会社が加入されている保険組合によって変更がありますが、派遣社員の場合は基本的に「派遣けんぽ」という保険組合に所属します。派遣けんぽに関しては、そういった特別な待遇などがあるわけではございませんので、そこは了承が必要です。

正社員や派遣社員によって、雇用元が変わるだけで、制度や待遇もいろいろと変わるカモ。でも結局それだけだと、どちらの方がいいかという判断基準にはならないカモ。お給料面やキャリアアップ、雇用の安定の部分に関して、それぞれの違いを知りたいカモ!

基本給については、どちらのほうが高くなるの?

結論からお伝えすると「基本給」という概念で考えるのであれば、派遣社員のほうが高くなる傾向が強く見られます。

正社員の場合

正社員の場合、前述の通り基本的には固定給制度になりますので、どれだけ働いても基本給が変動することはありません。1日8時間、月20日勤務の場合、時間としては160時間になりますが、仮に基本給が180,000円と決められている場合、そこから変動することはありません。

他のスタッフが急な体調不良になり、シフトが変わったとして、勤務日数が増えた場合であっても、180,000円の基本給が上がる、ということはありません。もちろん店によっては振り替え休日ということで、他の出勤日に休みを取らせてもらえるので、それで清算、というパターンが非常に多くなっております。

派遣社員の場合

一方の派遣社員の場合は、時間給制度になっているため、決められた時間単価×働いた総時間が、純粋にその月の基本給となるのです。もちろん、時給単価なので最低賃金が地域毎に定められており、地域の中でも、繁華街にあるショップでは時給が高く、さほど人の出入りが激しくないようなショッピングモールにテナントとして出店しているようなショップであれば、単価は安くなっております。

アパレル販売員の派遣の場合、時給単価の平均が、都心部で1,300円前後が多くなっております。仮に1,300円だったとして、同じように1日8時間、月20日勤務の場合、時間としては160時間の勤務で計算をすると、1ヶ月の基本給は208,000円となり、正社員の基本給に比べ、28,000円もの差が開くことになります。

残業代については、どうなるの?

ちなみに残業代をプラスするとどうなるのか、という点についてですが、正社員の場合は残業代がつかず、みなし残業として扱われることがほとんどです。最近の傾向として、労働基準監督署の監査が入った時の対策や、労働環境の見直しによって残業代を支給する企業も増えてきたものの、まだまだ少数派な印象がございます。

仮に支給される場合、基本給を時給換算し、その分に25%アップされた金額が支給されることになるのですが、基本給180,000円で1日8時間、月20日勤務の場合の時給単価は1,125円になり、そこに25%アップされるので、単価としては14,06円(小数点以下切り捨て)となり、これが正社員の1時間あたりの残業費になります。

一方の派遣社員は、残業代を支給しなければ、派遣会社が訴えられてしまいますので、基本的に派遣会社はしっかり残業代を支給してくれます。
すでに時給単価が1,300円と決められている(今回のケースでお話をしております)ので、その金額に25%アップをすると、残業時の時給単価は1,625円となります。正社員に比べると、219円の差が出るというわけです。

仮に月20時間の残業時間があった場合、正社員の支給残業費は1,406円×20時間=28,120円となり、派遣社員の場合は、1,625円×20時間=32,500円となり、その差は4,380円となります。同じ時間、同じように働いていたとしても、お給料についてはこれだけの差が出ることになっております。月単位で比較してみると、どうしても派遣社員のほうが多くなる傾向にあります。

ただし近年残業を減らす傾向があるため、残業代で稼ごう、という昔ながらの給料アップの方法が取れなくなってきました。残業した分についてはしっかり支給をしてくれることには変わりはありませんが、残業代をあてにして生活の計画を立てていると、後々後悔することになるかもしれません。

年収ベースで比較すると、どちらのほうが多いの?

これについては一概に断言はできませんが、多くの場合、年収ベースでいうと「正社員」のほうが高くなる傾向が強くあります。
なぜ、月収では派遣社員の方が圧倒的に多くなるのに、年収ベースになると正社員のほうが高くなるのでしょうか。

その秘密は、「賞与」の部分にあります。正社員は雇用元である「アパレル企業」から賞与が出るのですが、派遣社員は言ってしまえば、「アパレル企業」の社員ではないため、そこから賞与をいただくことはありません。かといって派遣会社が賞与を出してくれるか、と言われれば、そういうわけでもないのです。

派遣会社というのは、一般的に派遣を希望している「勤務先のアパレル企業」から一定の時給単価を請求させていただいております。そして、その時給単価の中から、派遣社員のお給料全額と、折半して支払っている社会保険などの保険関係の金額を支払っているのです。派遣会社の大体の平均的な利益率というのは30%ほどになっているので、仮に派遣社員の時給単価が1,300円だった場合、おおよそ1,850円という時間単価が、派遣会社が企業に請求している時給単価になります。

その1,850円から、派遣社員の時給単価である1,300円を引いた550円が、派遣会社の利益となっており、月160時間で計算すると、おおよそ88,000円が利益として算出されます。ただし、そこから保険料などを支払わないといけないので、純粋な利益については、50,000円強ほどになるでしょう。それだけ薄利多売な派遣会社にとって、賞与を支給する余裕などあるはずもないため、派遣社員が賞与を支給されることは、一般的にあり得ないのです。

ごく稀に派遣先である「アパレル企業」から、ミニボーナスのような形式で支給されることもありますが、その額はおおよそ10,000円前後が多いため、過度な期待ができるものではありません。仮に例題通りのお話で、月に208,000円と正社員より基本給が高かった場合であっても、年収として12ヶ月分をかけてみても、その金額は2,496,000円と、多いとは言い難い金額となるのです。

待遇については、大きな差はあるの?

待遇について、前述の通りお伝えをさせていただきましたが、さらに深掘りしてお伝えができればと思います。待遇面では、インセンティブ率や福利厚生の部分についてお伝えをさせていただきましたが、1番重要な違いは、「交通費の支給」についてです。ここは正社員と派遣社員で大きく違う部分がございます。

まず正社員は基本的に、「アパレル企業」の待遇の元で雇用されているので、そちらから交通費は支給されるのですが、正社員の場合は「交通費全額支給」という待遇が一般的なのです。そのため基本給でいうと180,000円だった場合でも、それにプラスして交通費が別途支給されることが基本ですので、交通費分が基本給から減らされることはありません。また交通費は非課税対象になるため、支給総額の中に交通費が含まれていたとしても、交通費を引いた金額が翌年の税金計算対象となるのです。

派遣社員の交通費待遇について

 
一方で派遣社員は違います。派遣社員は、お給料の支給が「派遣会社」からになります。年収についての部分でもお伝えをさせていただきましたが、あそこで算出した利益から、派遣社員の交通費を支払う余裕はございませんので、派遣社員の場合、交通費は「時給に含む」もしくは良くて「一部支給」、稀に「全額支給」となるのです。

勤務先のアパレル会社も、派遣会社に対して1,850円の時給(今回の例でお伝えしております)を支払っているのは、「給料・保険料・交通費・その他雇用代行」を全て含んだ金額として支給しているため、それにプラスして交通費分を支給してくれる企業のほうが、残念ながら少数派となっております。

そのため、いくら基本給として2万円以上の差があったとしても、交通費がそれ以上の金額がかかっており、尚且つ支給が一部でもなく、時給に含んでいる場合は、正社員の基本給よりも少なくなってしまう場合がございます。もし派遣社員として勤務を希望されており、求人をご覧いただく場合には、自宅からどのくらいの金額で通うことができるか、交通費の支給は別途あるのかという点についても、確認をしておいたほうがいいのかもしれません。

どちらのほうが、雇用は安定している?

雇用の安定の件に関しては、圧倒的に正社員の方がしていると断言できます。企業が正社員として雇用を入れる場合、労働基準法で定められた2週間の試用期間内に関しては、社員とのミスマッチという理由で解雇ができるのですが、その期間を過ぎてしまった場合、よほどの理由がなければ社員を解雇することはできません。

また期間限定の雇用ではなく、よほどのことがない場合は、正社員は定年までの間雇用を保証されているようなものになるので、社員のほうから退職を申し出る、企業が倒産する、社員が企業にとって大きな損失を与える(売上低下のみならず、逮捕などを通じて企業のイメージダウンに繋がるような行為をとるなど)といった場合でなければ、企業は社員を解雇することはできないのです。

一方で、派遣社員はその点は、かなりシビアになっております。派遣社員は一般的に3ヶ月の雇用期間を、都度更新していくものになっております。派遣社員の場合は、派遣社員と勤務先の企業との間に雇用契約は結ばれておらず、あくまで「派遣会社と勤務先の企業」「派遣会社と派遣社員」という契約のもとに勤務を行なっているので、企業は任期満了の段階で、いつでも派遣社員の要請をキャンセルすることが合法的に可能となっているのです(これをいわゆる派遣切りと言います)。もちろんそれは派遣社員も同じで、任期満了の1ヶ月までに深刻している場合であれば、翌月末で退職することが可能となっております。

また派遣社員には、派遣できる期間というものが定められており、その期間は最長3年となっております。新派遣法の改正により、同じ企業で勤務できる期間は3年と決められており、3年を過ぎる場合は「勤務先のアパレル企業に直接雇用として雇い入れていただく」「派遣会社に他の派遣先を紹介していただく」「派遣会社に無期雇用として雇っていただく」のいずれかの対応になります。

そのため、もし勤務先のアパレル企業に受け入れを拒否されてしまい、かつ派遣会社の無期雇用での雇用も合わなかった場合、また職を探すことになってしまうのです。

キャリアアップについては、どちらのほうが叶いやすい?

こちらの質問に関しては、比較というわけではなく、基本的にキャリアアップは「正社員」にしか用意がされておりません。キャリアアップというのは一般的に年単位でかかるものになっておりますので、派遣社員の「3年雇用で満期」という制度がある以上、3年間でなれる役職以外のキャリアアップは難しいものになっております。

また派遣社員は正社員ではなく、アパレル企業にとっては「自社の社員ではない」ため、キャリアアップの優先順位は必然的に正社員が多くなってくるでしょう。もともと派遣社員要請の目的は「ヘルプ」の役割が大きく、その中でも3年間で任期満了を迎える派遣社員にとって、キャリアアップを望むには余りにも立場が不利すぎるのです。

もちろん、派遣社員として勤務をしている中で、非常に大きな貢献をする、成果を出すといった結果を残していれば、任期満了後に直接雇用にしていただき、それからキャリアアップは望める可能性はございます。ただし派遣社員から任期満了で正社員になった場合、雇用元が変わるため、社歴としては1年目からになります。

その場合キャリアアップとして、再度3年ほどの期間を要するのかについては、企業によって変わるため、一概にこうとはお伝えすることはできません。

まとめ

正社員と派遣社員の違いについてお伝えをさせていただきましたが、どちらもメリット・デメリットは存在いたします。もし長期的なキャリアを考えたいということであれば、正社員での転職をおすすめしておりますし、まずは自分にアパレル販売員のお仕事が適しているかを確かめるためであれば、派遣社員からの転職を考えることをおすすめしております。

ただし勤務日数や待遇によっては派遣社員の方が給料がよくなりますので、派遣社員から正社員に転職する際は、雇用の安定を手にいれる代わりに、月収が下がる傾向が強いという点を忘れてはいけません。

自分にとって、どちらへの転職が適しているのかが判断つかない場合は、転職エージェントへご相談いただくことをお勧めしております。
適性検査の実施や、あなたが思い描くキャリアプランをヒヤリングさせていただくことで、あなたにとって最適な選択を提示してくれるはずです。正社員、派遣社員ともに、どちらが良い悪いというものはありません。あなたにとって、納得のいく転職ができるよう、ぜひ一度考えてみてくださいね。